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2013/5/27

納豆


納豆はとても大事な食品です。プリン体が含まれていて、これは遺伝子を構成する核酸物質で新しい細胞を作るために必要不可欠なものです。また納豆は他の大豆食品よりもビタミンB群が多く、しかも良質なタンパク質や食物繊維も豊富な健康食品です。子供や若者にはたっぷり食べさせましょう。
さて今日の本題は「痛風」を心配しているお父さんは食べてよいのか?答えはNOです。みなさん御存知のようにビールはプリン体が多いので痛風の天敵と言いますが、実は納豆の方がはるかにプリン体が多いのです。アルコールの中ではビールが一番プリン体が多く、焼酎やワイン、日本酒はかなり少ないです。
プリン体の量を調べるとビール500mlで17~22mg、一方、納豆1パック(60g)には、68mg含まれているのです。それ故、健康にいいからとビールをやめて納豆ばかりを食べるのは問題です。むしろビールは利尿効果があるので、ほどほどの量はむしろ尿酸値を下げる効果があります。
お酒好きで尿酸値が気になる人は納豆は控えた方が良いというのが結論です。

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— posted by 越智邦明 at 02:35 pm  

2013/5/23

ヒトのお産


ヒトは他の哺乳類と違って何故、難産なのか?
岩波書店発行の「ヒトはなぜ難産なのか」の著者である、奈良貴史先生の論文を読んでみた。大阪に明治35年創業の「犬印本舗」という企業が存在する。この会社は妊婦の出産用品を扱うメーカーである。安産と犬には密接な関係がある。太古以来、ヒトと一番長く共に暮らしてきたイヌの出産が安全なことにあやかり、安産を祈念した。東京の水天宮には、月に2度ある戌の日には大勢の妊婦でごったがえす。安産祈願である。
ヒトは地球上の哺乳類で一番難産だと奈良先生は説く。「産みの苦しみ」という言葉があるように、1900年では母体死亡は日本で出生10万に対して436.5で6200人が亡くなっていた。平家物語には「女は出産のとき、十に九つは必ず死ぬというものというから」という表現があったり、栄華物語では、登場する経産婦47人中11人(23.4%)がお産で亡くなったとある。死亡率は戦後急速に減り、お産は安全なものという認識が広まっているが、それでも毎年60~70人の妊婦が亡くなっており決して100%安全ではない。
それでは何故ヒトは難産なのか?それは直立二足歩行に適応した身体構造と脳の大きさが主な要因とある。哺乳類の産道は一言で表現すると一直線の円筒形のトンネルだが、ヒトはS字状の急カーブを伴い、入り口部が直方体で出口が円筒形という複雑な構造をしている。そして霊長類の多くは産道の直径よりも頭の大きさが小さいのに対し、脳が拡大したヒトはほぼ同じなのである。
大きな頭を持ったbabyが、途中で形の変化する曲線の筒を姿勢を変えながらやっとの思いで出口に到着するのがヒトのお産である。
男性諸氏は、どうかお産を祈りながら温かく見守ってあげて下さい。

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— posted by 越智邦明 at 04:59 pm  

2013/5/20

むずむず脚症候群


レストレスレッグス症候群とも呼ばれるこの病気。じっとしている時に脚に違和感が生じる。推定患者300~400万人。従来、経口薬でドーパミン受容体作動薬とGABA誘導体の2種類の経口薬が使われていたが、今年の2月26日より新薬が承認された。国内初の貼り薬である。商品名「ニュープロパッチ」。この病気の症状は脚の内部に虫が這うようなむずむずした感じとよく言われる。
脚を動かす、例えば叩く、マッサージする、歩くなどで症状は消える。そして何と言っても寝ている時に起こりやすい。そのため深刻な睡眠障害を抱える。新薬のメリットは2つある。経口薬は効いていても日中特に夕方などの出現には対応しづらい。貼り薬は1日1回の貼布で24時間症状を抑えてくれる。次に経口薬は症状促進現象と言って、1日何度も飲んでいるうちに、症状が2ー3年ごとに
7~8%ずつ悪化する。しかし貼り薬はこのリスクが経口薬の5分の1と低い。
さてこの病気には特発性と原因のはっきりした2次性があり、2次性のもの(例えば鉄欠乏性貧血等)はそちらの治療が優先される。即ち特発性のものに限り貼り薬は有効となる。透析患者さんには2次性の頻度が高いとも言われている。もちろんこれから我々臨床医も試すことになるが、とに角、この病気はまず診断をつけるのに10年以上と言われてきた。
①安静時のじっとしていられないほどの脚の違和感
②動かすと治まる
③睡眠が妨げられてつらい
これらの症状があったら、まず主治医に相談してみて下さい。
尚、この貼り薬はパーキンソン病にも効果があります。

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— posted by 越智邦明 at 02:11 pm  

2013/5/16

最新肝ぞう検査


健診結果を持って尋ねてくる項目に多いのが脂質異常症に次いで肝機能異常。慢性肝炎や脂肪肝である。しかし痛みやしびれもないので放置している人が実に多い。問題はこれらが進行して肝硬変になっていないか、更に進んで肝がんになっていないかを診るのが我々の仕事である。肝がんは悪性度が高く、男性のがん死亡順位の4位である。発見された時は手遅れの人も多く診てきた。
肝硬変、肝がんと進むにつれて肝臓は硬くなってゆく。線維化現象であるが、血小板数や肝ぞうに針を刺す肝生検、そして超音波が診断方法として一般的である。
かつて肝がんの大半を占めていたのはB型.C型ウィルスによるものだったが、近年「メタボやアルコールによる脂肪肝」「アルコールは少ない非アルコール性脂肪肝」による肝がんが増えている。
最近中央ではフィブロスキャンが注目を浴びている。
皮膚の上から超音波を肝ぞうに当てると振動が脂肪組織を通って肝ぞうに伝わってゆく。そのスピードを超音波で追うのです。速く伝わるほど肝ぞうが硬いということ。2.3分の間に10回測定しその平均値を出します。数値が30(キロパスカル)以上だと肝硬変という訳です。
機器の進歩はともかく肝ぞうで受診している人は必ず肝硬変の有無を主治医に診てもらって下さい。

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— posted by 越智邦明 at 05:32 pm  

2013/5/13

連休のゆうちゃん


ゴールデンウィークに、ゆうちゃんがやってきた。
体格はさておき、知能の方はずい分、発達してきた。
言葉も豊富で所々、宇和島弁も混ざっている。
ゴルフのパターをやりたいとか、あれこれねだってきた。
何といっても城山は大好きで、今度は新装のロープウェーで登った。そして双眼鏡を見つけては「お金入れて」とせがんで、景色を眺めるのも最近のパターンである。城山は子供の日ということで、鯉のぼりがきれいであった。下山の途中で私が城の生け垣に登ったら「ゆうちゃんも~」と真似して登るあたりはもうやんちゃ坊主である。からすを見つけた途端、「からすは悪いんだよ。宇和島でゆうちゃんが置いておいたおかしを袋ごと取っていったんだよ」と、にらみつけていた。
次に、せっせせっせと木の枝を集めて、たき火を作ろうとしているのが面白かった。たくさんの木の枝を持って帰った。おやつに端午の節句のケーキをプレゼントしたが「わあ、ゆうちゃんの誕生日だ。ありがとう」と、いつの間にか「ハッピバースデー」を歌うはめになってしまった。最後は家のそばの乳児園のこいのぼりを見て、元気で帰って行った。又来いよ。

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— posted by 越智邦明 at 04:23 pm  

2013/5/9

富士山


「富士山が世界遺産に登録へ」というニュースは日本人なら誰しも喜ぶ快挙である。児童文学の父、厳谷小波が作詞した文部省唱歌「ふじの山」を知らない人はいない。5月2日の日経新聞のコラム春秋にも取り上げているので一部、披露します。御存知の通り、1番も2番も終わりは「富士は日本一の山」だ。
戦後世代は納得の歌詞ですが、この歌が発表された1911年当時は複雑であった。というのもその時、日本の一部となっていた台湾の玉山は富士山より高かったのです。(前者が3952m、後者が3776m。)実際、明治天皇が玉山につけた日本名「新高山」(にいたかやま)は「日本の新たな最高峰」といった意味だそうである。なのに、文部省唱歌で「富士は日本一の山」とうたったのは、台湾は本当の意味で日本ではないという意識が表れたともみられている(上垣外憲一「富士山」)。脱線しますが新高山は何と言っても「新高山登レ 1208」が有名です。「12月8日、午前零時をもって対米英開戦」を伝える日本海軍の暗号で12月2日に発信されました。真珠湾攻撃に向かう艦上にあった南雲司令長官はこの電信を受けてZ旗(ブログ2012年6月14日)を掲げ各艦隊に「皇国の興廃コノ一戦ニアリ、各員一層奮励努力セヨ」の訓令を発しました。
You tubeでもう1度「ふじの山」を聴いてみて下さい。



— posted by 越智邦明 at 03:49 pm  

2013/5/7

ハーブ


医学がいくら進歩しても、又診断機器が発展しても、病の治療の基本は患者及び家族の心をいやすことにある。古代ギリシャの医聖ヒポクラテスも「病める者の訴えに耳を傾けその心をいやすことが医療の基本」と述べている。
さて治療にはメスや内服薬以外に香料植物も用いられてきた。その1つがハーブ(herb)である。
ハーブは薬、香料、風味料として古代エジプト時代には用いられていた。英国エリザベス朝では、ハーブから薬を創生することは家族の義務の一つで、シェイクスピアの作品でもハーブからの薬の抽出に先立つ薬草採集の場面が「ロミオとジュリエット」の中に出てくる。ハーブを香料として捉えるとエリザベス朝のロンドンは上下水道が発達して居らず、死体や糞便で悪臭に満ちていたため用途が拡大した。一方、貴族社会は香料で身の装いを整えることがたしなみであった。消臭、癒し、加えて儀式と香料の用途は広がった。
みなさんもハーブの香りを是非楽しんで下さい。

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— posted by 越智邦明 at 04:59 pm  

2013/5/2

まちがった食事療法


食事療法にはずい分、まちがったものが存在します。
(その1)
今から25年も前ですが、「胃潰瘍を治すには絶食すればいい」ということで、いくつかの胃腸専門病院が入院患者に絶食を強いていました。
確かに「潰瘍は酸によって作られる」という点に於いては、絶食すると食後の酸分泌がなくなる訳ですから、一見正しいように見えます。しかし治療成績はさっぱりだったようです。現在はPPIをはじめ有力な抗潰瘍剤のおかげで、絶食療法を唱える医者は一人も居ません。
(その2)
今はやりの「炭水化物ダイエット」。これは日本人の主食であるごはんやパン、メン類などの炭水化物は体内で糖分に変わって肥満につながるので、主食を一切やめようというもの。しかしこのダイエット法は命を縮めることが分かってきました。
この方法には、ごはんやパンの代わりにステーキやハンバーグはOKという考え方です。これを実行すると脂肪を取りすぎて動脈硬化になり、タンパク質の過剰摂取で腎臓に負担がかかります。そもそも人間は炭水化物が少ないと細胞の機能が低下して免疫力がなくなり病気になりやすくなります。頭がボーとしたり動悸、頭痛なども起こしやすくなります。
結論として、炭水化物は「健康的に」減らすこと。
昼はふつうにごはんを食べるが、朝・夕は半分の量にする等。こうした改善で減量は十分に可能です。もちろん運動もして下さい。
くれぐれも言いますが、ごはんを全く食べないのは自殺行為です。やりすぎは逆効果になることが多いと思って下さい。

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— posted by 越智邦明 at 03:39 pm  

2013/4/30

強風病


昔は「強い風」は木枯らしのように冬が主であった。しかし今は1年中、強風が吹き荒れ、各地で事故が相次ぐ。
「春の風」という言葉もあるように、北の寒気と南の暖気がぶつかって低気圧が発達しやすくなるため春は強風が吹きやすい。強風で巻き上げられたほこりやウィルスは呼吸器症状を発現させるし、気圧の変化は4月15日号で書いたように人体に悪影響を与える。強風の翌日は頭痛、めまい、腰痛等で来院する方が多い。その他、喘息、糖尿病も悪化する。風によってカビやウィルスを吸う。東日本大震災の被災地では、ヘドロの粉塵を吸って肺炎なども多く出た。マスクは必須である。また強風は目の病気も引き起こす。黄砂、PM2.5等によってアレルギー性結膜炎の患者が続出している。
4月15日号で取り上げたように気圧の変化で、うつの発生も起こりやすくなる。気圧の変化が激しい春は、まずしっかり睡眠をとり疲労をため込まないことが重要である。

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— posted by 越智邦明 at 05:36 pm  

2013/4/25

シジミ


患者さんがよく尋ねてくるシジミの効用。
特に「肝臓に良いと聞いたが本当か?」調べてみた。オルニチンというシジミの成分からとった「オルニチン研究会」というのがあって、その最新データを披露します。
肝機能の指標のひとつALTが42~100u/ℓでなおかつ脂肪肝の男性11人を対象にオルニチンの摂取の効果を調べた。6人はオルニチン含有食品を取らせ、5人はニセの食品を取らせた。
3週間後にALTの他、AST、γ-GTPを比較した所、オルニチングループはニセグループに比べて改善した人が多く、特にγ-GTPは有意に改善したという。大阪市立大の河田則文教授は「オルニチンは、成長ホルモンの分泌を促進します。成長ホルモンは脂質代謝を良くする働きがあり肝機能が改善したのではないか」とコメントを寄せています。
酒のあとにシジミの味噌汁はいかがですか?

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(追伸)
4月20~21日の高松出張の際に、21日例によって朝早く、今回はこんぴらさんへ寄ってみた。何十年も前に1度行ったことがあるが、「かご」も懐しかった。折しも、こんぴら歌舞伎の最終日で、すぐそばなので足を伸ばしてみた。
義経千本桜の猿之助はやはり人気のようで、先週わざわざ松山から見に行った患者さんが居た。肝心のこんぴらさんは、上まで登るまでの時間がなかったので、下から手を合わせて帰ることとした。今度来るときはゆっくり登ってみたいと思う。

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— posted by 越智邦明 at 05:48 pm  

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