Created in 0.0220 sec.
 
越智クリニック
 
T:0235 Y:1658 Total:2888348 Online:29
カレンダー
<< 2024.9 >>
SMTWTFS
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
 
2008/9/10

海外労働力


7月14日にインドネシアとの関係を書いた。経済連携協定(EPA)に基づいて看護士、介護福祉士、205人が来日した。現地の約10倍の給料が魅力的でなおかつ高度な医療技術が学べ治安も良い日本では、彼らにとっては天国の職場である。
一方、受け入れる日本はというと、日本国内の介護労働者は2000年の55万人から06年には117万人と倍増したが厚労省は160万人が必要とみている。それも介護職の離職率は21.6%と全産業平均を5%も上まわり、人手不足が慢性化しているからだ。
介護職で4年、看護職で3年以内に日本の国家試験に合格すれば就労続行が可能である。しかし問題は言語の壁。次に文化の壁。インドネシアの大半がイスラム教徒で毎日の礼拝が欠かせないほか豚肉も禁止である。
みなさんの御自宅に、はたしてインドネシア人がやってきてトラブルなくやっていけるだろうか?私は一抹の不安を持っている。うまく行けば医療、福祉の人材不足が一気に解消されるのだが・・・。

— posted by 越智邦明 at 10:40 am  

2008/9/8

色彩


色彩の生理的心理的作用を最初に論じたのはドイツの詩人「ゲーテ」です。彼はその著書「色彩論」の中で「赤は威嚇的な恐ろしい色」「緑はやすらぎの色」「黒は悲しみの色」などと論じています。色彩は科学的にいえば“光”による視神経の興奮が脳の視覚中枢に伝えられ生じる“感覚”ですが、私たちの体や心に潤いと変化や情報をもたらす有意義な刺激なのです。
日本で色彩心理学の第1人者といえば木下代理子さん。彼女はパソコン、ケータイ等で疲れた我々に「緑」を勧めてくれています。緑色は光の波長の中間にあり人間の視覚でとらえやすい。脳や視神経の疲労を最小限に抑え、筋肉をリラックスさせて目の疲れなどを和らげてくれます。つまり、蘇生と回復のシンボルカラーなのです。緑の中でも“自然の緑”は癒やし効果が高いので、部屋に観葉植物を飾って疲労を感じた時に集中して見て下さい。緑の蘇生パワーを感じるはずです。

— posted by 越智邦明 at 03:28 pm  

2008/9/5

最新医学


「高気圧酸素療法」を皆さん御存知だろうか?この治療タンクを持ち1年に7970人もの国内トップの治療成績を上げているのが我が母校、東京医科歯科大の高気圧治療部だ。
講師の柳下和慶講師に聞いてみよう。肺で取り入れられる血液の酸素(O2)には2つのタイプがある。ヘモグロビンと結びついた結合型酸素と血漿に溶けこんだ溶解型酸素だ。ヘモグロビンはふつう98%以上がO2と結合していますから、もう上乗せわずか。しかし気圧を高くして吸えばより多くのO2が血漿中に溶け込んで溶解型酸素が増えるため、血液中のO2含有量を大きく増やすことができます。それが体の隅々に行き渡り組織の回復を促します。私が学生時代はダイバーの潜水病や一酸化中毒の治療ぐらいしかありませんでしたが、柳下先生によると今や糖尿病による足壊疽で切断を迫られている人もこのおかげで切断を逸れたとか。その他、重いやけど、凍傷、心筋梗塞、脳梗塞、難治性潰瘍、放射線治療後の出血性膀胱炎等その適応は拡大の一途です。酸素で治すーすばらしいことです。

— posted by 越智邦明 at 04:53 pm  

2008/9/3

肛門勉強会


週末、肛門病の研究会がふなやで行われた。愛媛で肛門診療を行っているDr.が30名集まった。松山では肛門を扱う病院が9ヶ所、診療所が14ヶ所ある。いくつかの演題が出されたが、今はやりの再生医療が肛門治療に応用できないかという発表がなされた。遺伝子治療や幹細胞の注入により、現在不完全な肛門治療がより完璧なものになるのではないかと期待された。再生治療は今や皮膚、骨、血管、心臓、神経等、多岐の臓器にわたり、大いに期待される分野である。次の発表は、「肛門外科をやってよかったこと」の発表である。肛門科は「一人で手術出来ること」「器具が少なくて済むこと」「傷を毎日、直接診れること」「低侵襲であること」などをその原因にあげていた。私もこれらの点は大いに同感である。次は愛大外科よりの発表である。肛門科はほとんど外科医が担っている訳だが、メスを持つ外科医の減少傾向が今のまま続けば15年後には大変な混乱が生じると警告があった。「この医療崩壊は今、叫ばれている小児科や産科の比ではない。確かに当直明けでそのまま定期手術をこなす外科医の姿は今の研修医には魅力的に映らないと思う。現役外科医へのアンケートで、後輩研修医に外科への道を勧めるか?という問いにイエスと答えたのは4人に1人しかいなかったという辛い現実がある。そこで提案だが、国策として外科医を育て、保護、優遇しよう。」と結んだ。最後に東葛辻仲病院の辻仲先生が難しい直腸腟瘻の手術ビデオを供覧してくれて会は終わった。今回も有意義な1日であった。

— posted by 越智邦明 at 04:29 pm  

2008/9/1

ユズコショウ


以前、大分は湯布院の亀の井別荘に泊まった時、おみやげにユズコショウを買った。
ユズコショウは九州が生んだ偉大な調味料です。ユズの皮を細かく刻み唐辛子と塩をすりあわせたこの薬味は今ではすっかり全国区の人気となった。ちなみにコショウは入っていない。九州の方言で唐辛子を「コショウ」と呼ぶためこの名前になった。青唐辛子を使ったユズコショウは緑色、赤唐辛子を使ったユズコショウは橙色を呈する。
ストレートの味はユズのさわやかな香りがぱっと口中に広がり次に辛さが来る。とても鮮烈な辛さだが味はとてもまろやかです。
製造元である大分では青唐辛子より赤唐辛子を使ったタイプが主流で辛さは青よりマイルド。
全国区になってからは様々な使い方をされ、みそ汁、ラーメン、鍋料理などの薬味として用いられています。

— posted by 越智邦明 at 05:03 pm  

2008/8/30

喘息死


日赤で呼吸器勉強会を定期的に行っている。今回は鹿児島大学の呼吸器科内科の東元先生が講演をしてくれた。テーマの「喘息死」は喘息が重症化し窒息で亡くなられる事態を言う。
日本全体で1990年代は年間5000人居たが昨年は2500人。それでも多い数で人口10万人に直して2.2人。東元先生が居る鹿児島は4.4人で全国ワースト1との事。ちなみに愛媛は3.8人で決して良くない。喘息死の疫学調査で問題になっているのは60才以上の高齢者が90%を占めていることで、いかに高齢者に喘息の怖さを教え、治療法を教えていくかが肝要だと話された。現在、喘息には吸入ステロイドが主流となっていて、このおかげで喘息死がずい分減った。しかし、高齢者はデバイス(吸入器)の使い方がよく理解出来ない事や、寛快するとすぐに治療をやめてしまう事などの特性をふまえて治療にあたらねばならないことを強調された。絶対的に呼吸器専門医の数が足りない現状であるが、我々開業医も専門医に負けないぐらいの知識の習得と努力が必要であると実感させられました。

— posted by 越智邦明 at 01:40 pm  

2008/8/28

花火


夏といえば花火。私も幼少の頃から大好きです。今回は花火の歴史について調べてみました。
ハナビストの冴木一馬(さえき かずま)さんの著書を参考にしてみます。花火の元になる黒色火薬は唐代の中国で発見されました。その後、西欧へ広がり13世紀初頭では戦いの兵器として利用されました。
日本には1543年、種子島に鉄砲が伝来してから火薬が広まっていきました。日本で最初に花火を見たのは天正17(1589)年、米沢城で伊達政宗が上覧しました。その後、家康は慶長18(1613)年に、駿府城で見ました。新らし物好きの江戸の人々に花火は大人気になり花火はやがて火災の原因ともなり、何回も花火禁止のお触れ書が発せられました。
八代将軍、吉宗の時代、はやり病と大飢饉がおそいます。多くの死者を弔うために享保18(1733)年、疫病退散を祈願して大川で花火を揚げました。これが現在の隅田川花火大会の原点です。やがて川開きの初日には花火を揚げるようになり、日本の納涼花火文化へと発展しました。さて日本の花火技術は世界一だそうです。理由は①真円になること。②芯があること。③色が変化すること。
いま世界中で紛争が絶えません。同じ火薬でも兵器を作るのではなく、花火を作ってみんなが楽しもうではないですか。

— posted by 越智邦明 at 01:23 pm  

2008/8/27

Aging Care


週末を利用して東京へ研究会に出かけた。会場はホテルニューオータニ。Aging Care symposiumと称して生活習慣病にいかに向きあい、予防・治療していくかの講演が行われた。テーマは「高血圧」「骨粗鬆症」「糖尿病」に分かれていた。会場は500人のDr.で埋め尽くされていた。週末でも遊びを我慢して勉強会に参加する人たちのエネルギーをひしひしと感じた。
さてシンポジウムは元NHKアナウンサー好本恵さんの司会で上手く進められた。「エイジング」は永く生きてこられた証で素晴らしいものであって、決して嘆くことではないと演者の先生が話していた。さて個々の話に移る。「高血圧」編では更年期女性は女性ホルモン(エストロゲン)の減少や自律神経の不安定化のため血圧が上昇しやすい。目標は120/70以下を目指すべきだと話された。
「骨粗鬆症」編では45才未満で閉経した人は有意に骨折しやすいこと、身長が2cm以上縮んだ人は椎体骨折があり得ること、飲酒・喫煙のある人は骨折しやすい事を話された。
「糖尿病」編では境界型糖尿病の段階で既に膵β細胞の機能が低下していて早期発見、治療が必要であること、糖尿病の人はそうでない人に比べて平均寿命が10年短い事実を示して患者を啓蒙しようと話された。
最後に、今回のシンポでは現役の開業医が患者(役者)と向きあって診察している風景が壇上で見られ、主催者側の創意工夫が感じられて大変、有意義な会であった。

— posted by 越智邦明 at 04:35 pm  

2008/8/25

オリンピック


熱狂的な応援の毎日。オリンピックが終わった。1つでも金メダルを取った国が50ヵ国にも達すると言う。それは、常連国に限らずスポーツの裾野が全世界に広がっていることを意味する。その意味で、今回ジャマイカを取り上げたい。ジャマイカは昔から陸上では卓越した選手を数多く輩出してきたが、貧富の差の激しい国ゆえ、一流アスリート達が国外へ流出してきた。そのためジャマイカ人が取ったのにUSAのメダルとなったりしてきた。ところが近年、ジャマイカは方針を見直し自国でアスリート達を育ててきた。今回何といっても大注目はウサイン・ボルト。100mが9秒69、200mが19秒30で短距離2冠を世界新記録で達成した。2冠はカール・ルイス以来24年ぶりの偉業。さて専門家に言わせると中南米の選手の腸腰筋の大きさは日本人選手の3倍あるといわれ、これが実力差の決定的な要因だそうです。腸腰筋には骨盤を正常な位置に保つだけでなく、地面を蹴った後の足を前方へと引き戻す働きがある。どんなにがんばってもここはDNAの差があるのです。さてボルトは196cmと長身。背の高い選手はスタートが不利と言われているがボルトは独特の走法と訓練でこの不利を克服した。すばらしい。近い将来100mを9秒50台でー 決して夢ではなさそうだ。

— posted by 越智邦明 at 11:17 am  

2008/8/23

ひまわり


当院の屋上花壇に今年はひまわりをたくさん植えた。そのひまわり群団が咲き誇って念願の写真を撮ることができた。時間のある方は覗いてみて下さい。ひまわり群団は何故元気に見えるのか?赤の群団では何故か元気に見えない。その理由は、黄色は人間の快感神経を刺激し見ることによって、楽しく朗らかな気分にさせてくれる効果があるそうです。色彩心理学では黄色は「喜劇の色」とも呼ばれています。演劇の世界でも喜劇では黄色のライティングをすることが多いそうです。黄色は笑いを手助けしてくれる色なので、最近あんまり笑っていないかな?と思っている方は花や絵画など黄色のアイテムを意識して環境づくりを演出してみて下さい。笑うと免疫力が高まります。

— posted by 越智邦明 at 01:58 pm  

Copyright 2007 越智クリニック. All rights reserved.  ppBlog is Free & wonderful Software.