週末、肛門病の研究会がふなやで行われた。愛媛で肛門診療を行っているDr.が30名集まった。松山では肛門を扱う病院が9ヶ所、診療所が14ヶ所ある。いくつかの演題が出されたが、今はやりの再生医療が肛門治療に応用できないかという発表がなされた。遺伝子治療や幹細胞の注入により、現在不完全な肛門治療がより完璧なものになるのではないかと期待された。再生治療は今や皮膚、骨、血管、心臓、神経等、多岐の臓器にわたり、大いに期待される分野である。次の発表は、「肛門外科をやってよかったこと」の発表である。肛門科は「一人で手術出来ること」「器具が少なくて済むこと」「傷を毎日、直接診れること」「低侵襲であること」などをその原因にあげていた。私もこれらの点は大いに同感である。次は愛大外科よりの発表である。肛門科はほとんど外科医が担っている訳だが、メスを持つ外科医の減少傾向が今のまま続けば15年後には大変な混乱が生じると警告があった。「この医療崩壊は今、叫ばれている小児科や産科の比ではない。確かに当直明けでそのまま定期手術をこなす外科医の姿は今の研修医には魅力的に映らないと思う。現役外科医へのアンケートで、後輩研修医に外科への道を勧めるか?という問いにイエスと答えたのは4人に1人しかいなかったという辛い現実がある。そこで提案だが、国策として外科医を育て、保護、優遇しよう。」と結んだ。最後に東葛辻仲病院の辻仲先生が難しい直腸腟瘻の手術ビデオを供覧してくれて会は終わった。今回も有意義な1日であった。