さて11月26日にA製薬会社のMRのF君と5年ぶりに会食した。F君は今から10年前に当院を担当して約5年お付き合いをしてから東京転勤となった。その後、運良く郷里の札幌支社へ転勤となった。F君とはゴルフを始め、当院の保養所にも2回遊びに来るほど仲良く付き合った。卸やMRの方は、担当の時は年賀状を始め頻回にお付き合いするが、担当を外れるとそれっきりとなるのが普通である。これが常々私は寂しかった。確かに次の取引先との売上げを考えると、昔の病院なんかは構っておれないのも心理としてはよく分かる。その昔、仲良くしていたある卸の人が、担当替えとなってから1年経った時にデパートで偶然出会った。しかしこちらを見るなり目を逸らしてしまったのは、とても悲しかった。
さてF君に話を戻そう。F君は転勤となってからもずっと年賀状をくれていた。子煩悩で、夫婦で教育熱心であり、子供の教育の仕方などを私なりに話したりして、教育論議で盛り上がっていた。そんなF君が、私に会いたいと申し出てくれた。札幌からである。とても嬉しかった。5年ぶりに会ったF君はとても元気で少しも変わっていなかった。積もる話であっという間に3時間が経ったが、面白かった話を御紹介します。
一つは、北海道の高速道路は夜間は80km/時以上のスピードは出せないというのです。それは鹿が出て来て車に激突し、廃車になるのだそうです。私は「そんな馬鹿な。鹿は、はね飛んで車は大丈夫じゃないか」と詰め寄った所、F君は「先生は奈良の鹿のイメージじゃないですか?北海道の鹿(エゾシカ?)はとても大きくて、廃車になったのは1台や2台じゃないんですよ」と反論した。改めて日本は広いなあと実感した。
二つ目は、「北海道は広いので、例えば札幌→函館は飛行機で行くんですよ。それがとてもとても小さな飛行機で、生きた心地はしない。何回も乗るのでスチュワーデスさんと顔見知りになりました。それと霧なんかの悪天候では、全日空はすぐに着陸不能ということで引き返すのですが、JALはとても頑張って着陸してくれるんですよ」と。またまた、所変わればの話に驚いた。
最後にF君は次にどこかに転勤になる時は単身になるだろうが、松山なら又来てみたいと楽しそうに話していたのが印象的であった。特に12月5日から始まるNHK「坂の上の雲」(第2部)は、とても楽しみにしているとの事であった。又の再会を約束して御開きとなったが、「一期一会」-大切にしたいものである。