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越智クリニック
 
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2008/9/19

産業医


9月14日、15日と敬老の日の連休、小生は県医師会館に産業医研修で缶詰にされた。100人を超える参加である。私は15年前から産業医をしていて、これは5年毎に講習が義務づけられている。
さて「産業医」とはみなさん御存知でしょうか?
労働安全衛生法第13条に「事業者は政令で定める規準の事業場ごとに厚労省令で定めるところにより産業医を選任し、その者に健康管理を行わせねばならない」とある。現在私は松山市の委託を受け、小学校の調理場4ヶ所の産業医である。月に1回訪れ、職員の健康教育、衛生教育、作業環境の管理、健康障害の再発防止等に努めている。この1年でも釜による火傷、機械に挟んでの指切断等、10件以上事故が発生している。これらの事故を未然に防ぐようなメンタル面での指導を熱心に説いている。
さて産業医は現在、従業員50人の事業所には必ず1人置かなければならないが、現実はそこまでいっていない。不況のせいもあり、産業医への報酬が払えない等の事情を勘案している。が、やがて労働者保護の観点から強制化されるのは必死である。しかしそうなった場合、産業医の絶対数が足らない。松山もしかり。その時には例えば私が数社の企業を回らないといけなくなりそうである。ただでさえ日常診療に忙殺されているのに、と思うとゆううつな気分になるのである。

— posted by 越智邦明 at 02:49 pm  

2008/9/16

緑内障


私は眼科医ではないが、中途失明原因トップの緑内障に注目したい。40才以上の20人に1人が発病している。早期発見、早期治療で失明を逸れた人がいるが、どんな症状で発見されたか調べてみた。①野球やゴルフで自分の打った球を見失う ②飛んでいるボールが急に視界から消える ③バレーでサーブやトスが見えにくい ④看板や標識などを見落とす ⑤本の文字や行を読み飛ばす ⑥人や物によくぶつかる⑦階段を踏み外す ⑧作業中に手元のものを見落とす ⑨本の文字がちらつく等である。
緑内障を早期発見するための最大の武器は眼底検査です。以上のような症状があれば即刻、緑内障を専門とする眼科医に診察してもらって下さい。
くれぐれも失明しないように。

— posted by 越智邦明 at 12:29 pm  

 
2008/9/16

くに~ず新聞


くに~ず新聞Link  2008年 秋号Vol.28 を掲載しました。
 
左のメニューの くに~ず新聞 をクリックするか、ここLink をクリックして御覧ください。

— posted by 越智クリニック at 12:00 am  

2008/9/12

睡眠不足


熱さが峠を超えたとは言え、暑さで寝不足の人が多いのでは、と思います。
そこで1つの対策として9月8日に登場した、木下代理子さんに再びアドバイスをお願いしましょう。ズバリ、睡眠不足を解消する色は「ブルー」です。気温が上昇すると体温も上がりイライラして集中力が低下して仕事の効率もダウンしがちです。ブルーは血圧、脈拍、呼吸数を落ち着かせ神経系統の興奮を和らげるなど鎮静力の高い色です。さらに睡眠誘導作用もあるので、不眠解消にはうってつけの色なのです。パジャマや枕、布団などの夏の寝具はブルー系統のものがおすすめです。但し、ロイヤルブルーなどの濃い色は避け明るく淡いパステルトーンのブルーがいいそうです。暑い夏の夜を乗り切って下さい。

— posted by 越智邦明 at 03:25 pm  

2008/9/10

海外労働力


7月14日にインドネシアとの関係を書いた。経済連携協定(EPA)に基づいて看護士、介護福祉士、205人が来日した。現地の約10倍の給料が魅力的でなおかつ高度な医療技術が学べ治安も良い日本では、彼らにとっては天国の職場である。
一方、受け入れる日本はというと、日本国内の介護労働者は2000年の55万人から06年には117万人と倍増したが厚労省は160万人が必要とみている。それも介護職の離職率は21.6%と全産業平均を5%も上まわり、人手不足が慢性化しているからだ。
介護職で4年、看護職で3年以内に日本の国家試験に合格すれば就労続行が可能である。しかし問題は言語の壁。次に文化の壁。インドネシアの大半がイスラム教徒で毎日の礼拝が欠かせないほか豚肉も禁止である。
みなさんの御自宅に、はたしてインドネシア人がやってきてトラブルなくやっていけるだろうか?私は一抹の不安を持っている。うまく行けば医療、福祉の人材不足が一気に解消されるのだが・・・。

— posted by 越智邦明 at 10:40 am  

2008/9/8

色彩


色彩の生理的心理的作用を最初に論じたのはドイツの詩人「ゲーテ」です。彼はその著書「色彩論」の中で「赤は威嚇的な恐ろしい色」「緑はやすらぎの色」「黒は悲しみの色」などと論じています。色彩は科学的にいえば“光”による視神経の興奮が脳の視覚中枢に伝えられ生じる“感覚”ですが、私たちの体や心に潤いと変化や情報をもたらす有意義な刺激なのです。
日本で色彩心理学の第1人者といえば木下代理子さん。彼女はパソコン、ケータイ等で疲れた我々に「緑」を勧めてくれています。緑色は光の波長の中間にあり人間の視覚でとらえやすい。脳や視神経の疲労を最小限に抑え、筋肉をリラックスさせて目の疲れなどを和らげてくれます。つまり、蘇生と回復のシンボルカラーなのです。緑の中でも“自然の緑”は癒やし効果が高いので、部屋に観葉植物を飾って疲労を感じた時に集中して見て下さい。緑の蘇生パワーを感じるはずです。

— posted by 越智邦明 at 03:28 pm  

2008/9/5

最新医学


「高気圧酸素療法」を皆さん御存知だろうか?この治療タンクを持ち1年に7970人もの国内トップの治療成績を上げているのが我が母校、東京医科歯科大の高気圧治療部だ。
講師の柳下和慶講師に聞いてみよう。肺で取り入れられる血液の酸素(O2)には2つのタイプがある。ヘモグロビンと結びついた結合型酸素と血漿に溶けこんだ溶解型酸素だ。ヘモグロビンはふつう98%以上がO2と結合していますから、もう上乗せわずか。しかし気圧を高くして吸えばより多くのO2が血漿中に溶け込んで溶解型酸素が増えるため、血液中のO2含有量を大きく増やすことができます。それが体の隅々に行き渡り組織の回復を促します。私が学生時代はダイバーの潜水病や一酸化中毒の治療ぐらいしかありませんでしたが、柳下先生によると今や糖尿病による足壊疽で切断を迫られている人もこのおかげで切断を逸れたとか。その他、重いやけど、凍傷、心筋梗塞、脳梗塞、難治性潰瘍、放射線治療後の出血性膀胱炎等その適応は拡大の一途です。酸素で治すーすばらしいことです。

— posted by 越智邦明 at 04:53 pm  

2008/9/3

肛門勉強会


週末、肛門病の研究会がふなやで行われた。愛媛で肛門診療を行っているDr.が30名集まった。松山では肛門を扱う病院が9ヶ所、診療所が14ヶ所ある。いくつかの演題が出されたが、今はやりの再生医療が肛門治療に応用できないかという発表がなされた。遺伝子治療や幹細胞の注入により、現在不完全な肛門治療がより完璧なものになるのではないかと期待された。再生治療は今や皮膚、骨、血管、心臓、神経等、多岐の臓器にわたり、大いに期待される分野である。次の発表は、「肛門外科をやってよかったこと」の発表である。肛門科は「一人で手術出来ること」「器具が少なくて済むこと」「傷を毎日、直接診れること」「低侵襲であること」などをその原因にあげていた。私もこれらの点は大いに同感である。次は愛大外科よりの発表である。肛門科はほとんど外科医が担っている訳だが、メスを持つ外科医の減少傾向が今のまま続けば15年後には大変な混乱が生じると警告があった。「この医療崩壊は今、叫ばれている小児科や産科の比ではない。確かに当直明けでそのまま定期手術をこなす外科医の姿は今の研修医には魅力的に映らないと思う。現役外科医へのアンケートで、後輩研修医に外科への道を勧めるか?という問いにイエスと答えたのは4人に1人しかいなかったという辛い現実がある。そこで提案だが、国策として外科医を育て、保護、優遇しよう。」と結んだ。最後に東葛辻仲病院の辻仲先生が難しい直腸腟瘻の手術ビデオを供覧してくれて会は終わった。今回も有意義な1日であった。

— posted by 越智邦明 at 04:29 pm  

2008/9/1

ユズコショウ


以前、大分は湯布院の亀の井別荘に泊まった時、おみやげにユズコショウを買った。
ユズコショウは九州が生んだ偉大な調味料です。ユズの皮を細かく刻み唐辛子と塩をすりあわせたこの薬味は今ではすっかり全国区の人気となった。ちなみにコショウは入っていない。九州の方言で唐辛子を「コショウ」と呼ぶためこの名前になった。青唐辛子を使ったユズコショウは緑色、赤唐辛子を使ったユズコショウは橙色を呈する。
ストレートの味はユズのさわやかな香りがぱっと口中に広がり次に辛さが来る。とても鮮烈な辛さだが味はとてもまろやかです。
製造元である大分では青唐辛子より赤唐辛子を使ったタイプが主流で辛さは青よりマイルド。
全国区になってからは様々な使い方をされ、みそ汁、ラーメン、鍋料理などの薬味として用いられています。

— posted by 越智邦明 at 05:03 pm  

2008/8/30

喘息死


日赤で呼吸器勉強会を定期的に行っている。今回は鹿児島大学の呼吸器科内科の東元先生が講演をしてくれた。テーマの「喘息死」は喘息が重症化し窒息で亡くなられる事態を言う。
日本全体で1990年代は年間5000人居たが昨年は2500人。それでも多い数で人口10万人に直して2.2人。東元先生が居る鹿児島は4.4人で全国ワースト1との事。ちなみに愛媛は3.8人で決して良くない。喘息死の疫学調査で問題になっているのは60才以上の高齢者が90%を占めていることで、いかに高齢者に喘息の怖さを教え、治療法を教えていくかが肝要だと話された。現在、喘息には吸入ステロイドが主流となっていて、このおかげで喘息死がずい分減った。しかし、高齢者はデバイス(吸入器)の使い方がよく理解出来ない事や、寛快するとすぐに治療をやめてしまう事などの特性をふまえて治療にあたらねばならないことを強調された。絶対的に呼吸器専門医の数が足りない現状であるが、我々開業医も専門医に負けないぐらいの知識の習得と努力が必要であると実感させられました。

— posted by 越智邦明 at 01:40 pm  

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