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2010/1/25

夜間高血圧


最近、この言葉が医療界で話題になっている。
本来、就寝前と起床後では、後者が低くなるのが通例である。しかし、眠っている夜間に血圧が下がらない或いは上昇する病態があることが分かった。こういった例では午前中に心筋梗塞や脳梗塞の発生率が有意に高くなることが証明された。
1月19日に自治医大の苅尾教授の講演を聴いたが、収縮期血圧が夜間に15㎜Hg以上、上昇するケースを「夜間高血圧」と定義していた。背景因子として糖尿病、心不全、CKD、起立性低血圧、さらには睡眠障害があげられる。有名な睡眠時無呼吸症候群(SAS)や不眠症、抑うつ症等、睡眠の質を確保できないと、非常に血圧に悪影響を及ぼす。苅尾先生は睡眠の「量」も大事で、ナポレオンの「3時間睡眠」には否定的で、その理由は3時間では、本来、血圧が夜間下がるだけの時間的スペースが確保されないためとした。
今後、従来の睡眠薬とは違った睡眠の質を確保する「メラトニン関連薬」が開発されるとも論じた。
家庭血圧計で是非、寝る前と起床後に血圧を測定するようお勧めします。異常があれば是非、診察を受けて下さい。

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— posted by 越智邦明 at 05:22 pm  

2010/1/22

脳力アップ


「歩けば脳が活性化する」(WAC)の著者で、東邦大の有田生理学教授は次のように言っている。「脳を元気にするにはとにかく歩くことに集中することです。あれこれ考えながら歩いても“脳力アップ”にはつながらない。脳を活性化させるには、無心に歩くことが重要です。」と。
一体、脳に何が起きるのか?ずばり、神経伝達物質のセロトニンの分泌が高まります。セロトニンは、脳のあちこちに指令を送る脳の指揮者のような存在で、セロトニンの分泌がよくなると集中力がアップし、仕事の能率が上がります。緊張や不安、イライラ感が解消し、気持ちがスッキリし元気も出る。そして直感力に関係する前頭前野の働きが改善し、相手の心を理解できるようになります。ではどんな歩き方がベストなのか?
①15~30分歩く・・・セロトニンレベルが上がるには最低5~15分かかります。
②歌詞のないリズム音楽を聞きながら歩く。
③ベストは朝・・・朝日に当たるとセロトニンがふえる。
④1日2回歩く・・・朝夕歩くとセロトニンがふえ、寝つきも良くなる。
⑤歩く習慣を3ヵ月は継続する。

是非、散歩を趣味にして下さい。

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— posted by 越智邦明 at 04:27 pm  

2010/1/20

春来る


1月10日の日曜日に伊予市のとある線路沿いに、菜の花が咲き誇っている集団を見つけた。1月10日は、まだまだ寒風が吹き荒れ、とても菜の花が咲く時候ではなかった。しかし一面に咲いていたのである。
旧暦では1月は春。人間の体感温度とは違って、地上の植物は日照量や風、湿度、あらゆるデータを織り込みながら、自分の出番が来ると一斉に咲き出す。旧暦を使ってきた先祖の方々の季節感には敬服する。この繰り返しを何千年もいや何万年も行っているのだ。
さて、ここのスポットはもう一つ面白いことに秋になると、彼岸花(まんじゅしゃげ)が一斉に咲くのである。全く同じ場所にである。今、こうして菜の花を見ているが、地面には彼岸花の茎が根付いていて、秋になるのを待っているのである。生命の何万年も繰り返すこの営みに自然の偉大さを感じるのである。
秋になったら写真を撮って供覧します。

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— posted by 越智邦明 at 08:48 am  

2010/1/18

血管力


血管は大事だ。心臓から全身の臓器へ大事な血液を運ぶホースである。
血液がどんなにサラサラでも血管が硬く、もろければ脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる疾病のリスクは高まる。
今回、成隆出版から「血管力」(池谷敏郎著)という本が発売された。
本書では、しなやかで内壁が滑らかで血液をスムーズに循環させる“血管力”を高めるための生活習慣が解説されている。
この中で一番、注目したのは「血管力を強化するお勧めの運動はウォーキングだ」というくだりである。「ウォーキング」については、くに~ず新聞(2009年、秋号)Link で詳しく書いたが、同本によると、有酸素運動を行うと血中にブラジキニンが分泌され、これには末梢血管を拡張させる生理作用があり血管力が鍛えられる。ウェートリフティングのような無酸素運動にはこうした作用はない。
是非みなさんウォーキングをして血管を鍛えて下さい。

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— posted by 越智邦明 at 04:57 pm  

2010/1/15

うつと冬眠


うつ病は年々増え、10年後には心血管疾患に次いで2番目に多い疾患になるとWHOは警告している。
うつは不眠症のみならず、さまざまな不定愁訴をもたらす。また心血管リスクを2.7倍増加させるという報告もある。慈恵医大の藤田Dr.の論文を見ると、「うつ病患者の血液検査で炎症反応の指標である血清CRP値が軽度上昇していることがよくある。この軽度のCRP値上昇が、動脈硬化やメタボリックシンドロームを悪化させる」とある。このようなことを考えると、我々開業医も肉体のみならず、最低限の心のケアは欠かせないと思う。
さて話は変わって、熊やリスは冬眠するが、水分を全く摂らない状態で何故、彼らの血液は凝固しないのだろう?よく分かっていないが、ある研究によると、休眠中のリスは血清α2マクログロブリン値が上昇していて、これが血を固まらせないようにしているのでは、と言われている。さらなる研究でうつ状態の患者でもこのマクロブログリン値が上昇していることがわかり、うつは一種の冬眠状態、すなわち人生からの一時的な逃避行為ではないか、と藤田Dr.は推測している。
そうすると軽度のうつ病は放置しておく方がよいという逆説的な意見が成立する。いわゆる「寝ている子を起こすな」である。軽度のうつは人生におけるわずかな休息日かも。

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— posted by 越智邦明 at 01:42 pm  

2010/1/12

バクチ


賭け事は「偶然」の要素が強い。日本人は農耕民族だから、土を耕し種をまいて水をやれば芽が出る・・・そんな努力すれば必ず報われるという価値観が根底にある。だから日本人には本来バクチは向かない。狩猟民族は山から出て来たシカやイニシシを一発で仕留めるというリスキーで反面、不安定な要素を抱えている。獲物が現れなければ又あした、である。だから一発逆転のバクチが好きである。
話は変わって、井上陽水(61)は1977年、大麻所持容疑で逮捕されて急速に人気を失ったが、その頃に私も大好きな「麻雀放浪記」で知られる作家、阿佐田哲也氏と親交を深め、麻雀にのめり込んだ。そこから「世の中、真っ黒、真っ白はない」という価値観を見い出し、後に「リバーサイドホテル」「ワインレッドの心」に代表される抽象的な歌詞の世界観を作り出した。あの独特な「陽水ワールド」はバクチを通じて醸造されたのだ。
阿佐田氏はバクチについて「金稼ぎが目的ではない。人生観を深め男を磨く場でもある。時には他人に勝たせ楽しませながら、ほどほどに生きることが大事。だから9勝6敗を狙え」と言っている。また「下手なやつに限って、麻雀でも競馬でも全戦全勝を狙いたがるんだよ」という言葉は、麻雀をする私の心にぐさっと刺さった。「遊びをせんとや生まれけむ」と悩まずにバクチを楽しみたいと思う。

国士無双


— posted by 越智邦明 at 03:39 pm  

2010/1/7

正月のアクシデント


今年は長男は12/31~1/2の、ゆっくりの休暇を取って帰っていた。恒例の1月2日の「三越詣で」を午後に控えゆっくり昼食をとっていた。すると階段の方で「ギャー」と悲鳴が。何と家内がこけて口の中を切ったのだ。よーく観察すると、裂傷で縫合が必要だった。外科医のひよこの長男に「縫うか?」とアイコンタクトを送り、うなずく長男を連れ直ちに病院へ行った。落ち着かない女房殿を次男が手を握って抑えつけ、手術を行った。吸収糸で(おそらく2針必要と思われ)私がまず1針、次に交代して長男が1針縫合し、親子リレーは完成。
かねて女房殿は「長男の外科技術訓練のためなら私の体は提供するよ」と言っていたから、その願いは一応叶ったわけだ。江戸時代の外科医、華岡青洲の「妻」ならぬ「母」である。この「妻」の話は過去に何回もドラマ化されているから御存知の方は多いと思う。さて、長男のテクニックを見ながら自分の研修医の頃を思い出した。
「なかなかやるじゃん」。これで、はたして長男TOMOは平成の「華岡青洲」になれるだろうか?
その後、念願の三越へ行き、ベルトと靴下を買った長男は最終便でさっそうと帰京していった。
正月のちょっとしたアクシデントであった。

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— posted by 越智邦明 at 09:39 am  

2010/1/4

あけましておめでとうございます。


丑から寅へチェィンジ。どんな年になるのでしょうか?
年末年始、完全休養となった方から私のように毎日、病院に出た人間までさまざまな過ごし方をされたと思います。気分一新、今年が皆様にとって良い年になることを祈っています。

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— posted by 越智邦明 at 07:48 am  

2009/12/30

今年のおわりに


今年もブログにお付き合い下さりありがとうございました。
年の瀬を迎え、皆様もばたばたとお忙しい事と存じます。
正月に孫のゆうちゃんが来るのを楽しみにしていましたが、パパが正月3日間、日当直で来れず代わりに12月26日(土)、に連れてきた。もう5kgを超え、すくすくと育っていて安心しました。
27日(日)は、夏に予告した通り「釣りバカ日誌20ファイナル」を見に行った。1988年に第一作が始まって終に最終回となった。「男はつらいよ」が昭和を代表する映画なら、「釣りバカ日誌」は平成を代表する映画です。みなさん是非、ファイナルに足を運んで下さい。後日談ですが、撮影の5日前に三國連太郎は心筋梗塞の手術を受けていたとの事。恐るべき役者根性です。
最後に皆様が良い年を迎える事を切に希望しています。
新年は1月4日からスタートとなります。

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— posted by 越智邦明 at 08:59 am  

2009/12/28

アルコール性心筋症


中川元財務相の死因として注目を集めたアルコール性心筋症。お酒が持つ毒性が直接心筋に作用して起きる病気です。具体的には、心筋細胞が線維化するなどして心臓の収縮力が低下するのが原因。むくむ、息切れがする、夜間苦しくなるといった自覚症状が出る。日本酒なら1日5合以上を週5日以上を10年間続けたときに、発症リスクが高まるといわれています。これは完全にアルコール依存症ですが、依存症の0.1%がこの病気を発症するといわれています。
ただこの病気は、酒量が少なければ絶対にならないかといえば、そうともいかない。実はこの病気は、遺伝子の影響を強く受けるとされ、発症しやすい酒量も個人差があるのです。
どうか酒好きの人は常に心臓に気を配り、少しでもおかしいと感じたら専門医の受診を勧めます。肥大型心筋症や拡張型心筋症など、さまざまの病気が存在します。

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— posted by 越智邦明 at 03:46 pm  

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