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2011/9/5

偽薬


8月28日(日)のNHK「偽造薬」を見ていて納得することが多かった。
偽造薬物、特にED薬について今回は書いてみたい。以前に当ブログで書いたようにED薬は現在、バイアグラ・レビトラ・シアリスが存在する。ED患者は1000万人と言われ、病院でこれらの薬を処方されているのは10%の100万人です。
残りの900万人のうち、薬に頼らず自力で何とかしている人は別として、あとはヤミで入手していると言われている。この分野に詳しい昭和大学藤が丘病院泌尿器科の佐々木春明准教授の論文を引用する。「ヤミというのは圧倒的にインターネットの個人輸入。そういうサイト経由では本物より偽造が多い。今年1月に奈良で40台の男性が偽造EDを使用して、間質性肺炎で命を落とした。別の奈良の40台の男性は、けいれんを起こし意識不明となった。偽造ED薬の震源地となっているタイから日本へ入ってくるもののうち68%が偽造であった。」NHKでも指摘していたが、偽造品の一番の問題は有効成分のばらつきです。量が多かったり少なかったり。少ないと効かず、多いと頭痛やほてりなどの副作用が強い。二番目の問題は、覚醒剤やホウ酸、不凍液、ペンキなどの不純物が混入している。シンガポールでは血糖降下剤が混入していて低血糖昏睡で4人が死亡した。(佐々木准教授)。
ED薬は基本的に安全な薬ですが、抗狭心症薬や抗不整脈薬、水虫の薬、一部の抗生物質など併用してはいけない薬があります。そういったリスクを見逃さないためにも、医師に処方してもらうのがベストです。
どれも1錠、1500~2000円程度です。安かろう、悪かろうにならないようにして下さい。

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— posted by 越智邦明 at 04:42 pm  

2011/9/1

サーカスと犬の別れ


8月28日、ゆうちゃんが念願の木下大サーカスにやってきた。8月29日で来客数が10万人を突破し大人気である。当日は並ぶのも暑い日でぐずっていたゆうちゃん。サーカスが始まってもしばらくは見向きもしなかった。所が「しまうま」が出て来たとたん、急に起きあがって元気になった。その後、キリン・ライオン・ぞう等歓声をあげ指をさして大喜び。バイクショー等はどうやら関心がなかったようだ。
そして帰宅したあと今度は、おんぷ君のむすこ「ある」の転居の準備をした。すっかり準備が整ったあと、親子での最後の記念写真を撮った。その後「ある」は、車の助手席に載せられて、とても不安そうにこちらを眺めている。そしていよいよ宇和島へ出発したあと、おんぷの顔を見ると涙が一粒、両目に出ていた。家内も次男もとても驚いた。3月11日の震災の日に生まれ6月から2カ月、父であるおんぷと同じ部屋で育った「ある」。異郷の地、宇和島ですくすく育つことを願ってやまない。
たのむぞ、ゆうちゃん。

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— posted by 越智邦明 at 01:17 pm  

2011/8/29

いざ京都へ


8月20~21日と京都で糖尿病学会が行われた。
銘打ってDMサミット。国立京都国際会館には、数多くの糖尿病の権威の先生達が講師として名を連ねた。河盛Dr.清野Dr.門脇Dr.小田原Dr.寺内Dr.等々。初日は河盛先生の「インスリンは今もmiracle drugか」と題して講演が行われた。結論は私が考えていた通りで、内服薬でいつまでも高血糖の是正をしないでおくと、心血管イベントを起こしてろくな事はない。勇気を持って、ちゅうちょなくインスリンを導入する。そして糖毒性を解除してから内服に持ってゆく。ステージが早ければ早いほど、インスリンの離脱がうまく行く。これは何度も私が体験済みの事であったが改めて今、診ている患者でどうなのか再考させられた。
翌日は雨。雨の京都も風情がある。気合を入れて6時半に起床、7時からプリンスホテル1Fの花水木(はなみずき)という京料理店で和食をいただく(写真)。とてもおいしい味噌汁に感激した。関東のホテルにはない京風の風味であった。
2日目は8:30からスタートした。オープニングは、天理よろず相談所病院の石井均先生が話された。ヒポクラテスの古代ギリシャより医学は3つの道具を用いていた。それは薬(herb)、メス(knife)、言葉(word)である。薬・メスはともかくとして言葉の重要性を石井先生は説かれた。患者というものは主治医の話し方ひとつで勇気が出て積極的になるのだ、と力説されたが私も同感であった。次に愛媛県立中央病院に以前居られた、清水一紀先生(現、心臓病センター榊原病院)の血糖自己測定(SMBG)のお話。途中で低血糖発作の予防に何を持たせるか、という話になりチョコレートはあまり血糖が上がらず不適格でグミがいいのだと話された。
次はインスリン治療について、基礎インスリンから始めるべきか追加インスリンから始めるべきかとの討論があり、会場アンケートでは81%が基礎インスリンであった。
最後に、食後血糖値は1時間がいいのか2時間がいいのかという議論があった。東邦大の芳野先生によると、実はテストミールでは1時間の方が高いので1時間値を採用すべきでは、と提案があった。その他、インスリンとGLP-1製剤の比較等、最新テーマも織り交ぜながら学会は終わった。
学会に出る度に「きのうの常識、今日の非常識」にぶち当り、反省することしきりである。
京都はゆっくり観光で来たいものだと痛切に思いました。

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— posted by 越智邦明 at 04:51 pm  

2011/8/25

カゴメ


私の好きな日よう日の昼食はチキンライス。ゴルフの途中でよく飲むのはトマトジュース。共通項はカゴメである。特にトマトケチャップはしょう油やソースと同様、台所に欠かせない調味料である。
今回は国内1のシェアを占めるカゴメを調べてみた。
創業者は蟹江一太郎。1899年に西洋野菜の栽培に着手し、最初のトマトの発芽を見る。キャベツやレタスは売れ出しても、トマトはいつまでたっても売れ残った。そこで一太郎は、トマトを煮てから砕いて裏ごしをして、製造や道具も工夫を凝らし1903年(明治36年)にトマトソースが出来上がった。次に目をつけたのがトマトケチャップ。当時の輸入ケチャップは、塩気が強く香辛料も多かった。それを日本人の舌になじむように改良し、1908年(明治41年)に和製ケチャップが完成した。以来103年の超ロングセラーとなった。(国内シェア50%)。
1914年(大正3年)、愛知トマトソース製造を設立。社名は1963年にカゴメ株式会社と改称されるが、「カゴメ」は大正時代に商標登録した籠を編んだ時の目「籠目」印に基づく。よく見ると三角形を2つ組み合わせて六芒星を作り、籠を編んだときの目になっている。(下絵)。1933年にトマトジュースの発売を開始している。こども遊びの歌「かごめかごめ」が由来ではないが、カゴメ製品である野菜ジュースのCMソングに「かごめかごめ」の替え歌が使用されたことがある。
尚、一太郎は日本のトマト加工産業の父と呼ばれている。

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(追伸)
動物好きのゆうちゃん。宇和島を拠点に南予に出没。今回は松野町へ。ペンギンさんに大満足。水槽の前ではピース(?)。動物を愛するのは、とてもいいことだと思います。

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— posted by 越智邦明 at 04:21 pm  

2011/8/22

心原性脳梗塞


この3ヵ月に私が体験した心原性脳梗塞3例を検証したい。
これは心房細動が基礎にあり、そこに出来た血栓が脳へ飛んで脳血管が詰まり、梗塞を起こす病態である。長嶋さんがなったことで有名になった。
最近学会では他の、ラクナ脳梗やアテローム血栓性脳梗塞と区別して「ノックアウト梗塞」と呼ぶようになった。即ち、心原性のものは他の梗塞と違って「一発で相手を仕留める」即ち一回の発作で死もしくは重篤なまひに至らせるという臨床的特徴を表わした言葉である。
(その1)
私の知人の母親(90才)。グループホームに入っていたがある日、突然、脳梗塞(左半身まひ)になり、救急車で公立病院へ搬送された。グループホームは管理医師が居るのだが、心房細動があるにも拘らず抗凝固剤が処方されていなかった。
(その2)
当院の77才の女性患者。ワーファリンでコントロールしていたが閾値が狭く、プラザキサへの変更を勧めているうちに、右半身まひを起こしてしまった。遠方で1ヵ月に1回しか来れない人であった。新薬の法的しばり、即ち発売後、1年間は1回に2週間分の処方しか出来ないことに不満を漏らして変更をためらっていた矢先であった。
(その3)
患者の父親(85才)。心房細動のため、近医で抗凝固剤を処方されていた。ある日、お手伝いさんが起きてこないので見に行ったら倒れこんでいて救急車となった。左半身まひ。娘さんが家を訪ねると服用していない大量の薬が。服薬指導が出来ていない例である。

3人とも今、病魔と格闘中である。大変だろうけど本人も家族も頑張って欲しい。

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— posted by 越智邦明 at 11:28 am  

2011/8/18

異常なしの数値


今まで色々な病気の検査異常を取り上げてきました。
肝機能数値の上昇、尿酸値の上昇等々。
しかし病気によっては、数値が正常範囲でも低すぎるのも問題の場合があります。そのいくつかを紹介します。
①亜鉛(65~110ug/dℓ)
亜鉛不足は前立腺肥大や味覚障害の要因ですが、目と肌への影響が早く表れやすい。疲れ目などもそうです。銅(68~128ug/dℓ)と対になって体内のさなざまな働きに関わっているが、そのバランスが大事で亜鉛が銅の半分以下だとよくない。
②鉄(男性50~200、女性48~154)
少ないと頭痛や湿疹になりやすく、気分の浮き沈みが激しくなる。
③GOT(10~40)、GPT(5~45)
肝機能を表わす一番有名な指標だが、これらはビタミンB6を材料に体内で合成される酵素です。低いと疲れやすくなります。これらの数値が低いということは、ビタミンB6が不足しているかも知れません。B6は脂肪や糖質をエネルギーに変えるのに欠かせません。食事やサプリで補えば、慢性的な疲労感は解消します。ビタミンB群は、豚肉やウナギなどに多く含まれています。
④γ-GTP(男性75Iu/ℓ以下、女性30以下)
1ケタ台の方はタンパク質不足の可能性が高い。このような方は、むくみやすい・筋肉が落ちる・疲れやすい・風邪をひきやすいなどの症状が出ます。

検診で正常範囲内、しかも低いからOKとばかりは言えないことを知っておいて下さい。

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— posted by 越智邦明 at 02:38 pm  

2011/8/16

扇子のマナー


節電の夏。今年は扇子が売れていると言う。私も贈り物に使った。
日経新聞にマナーデザイナーの岩下宣子さんが次のような記事を書いているので引用する。
①まず扇子の開き方
全部開く人がいますが「満つれば欠ける」(満月も欠けるだけ)、「登りつめれば下り坂」の例えもあるように、扇子も全部開くのではなく少し閉じた部分を残しておきます。
②扇子のあおぎ方
扇子を顔の前に持ってきてパタパタ動かす人が多いですが、あおぐときはなるべく下の方であおぎます。自分があおいだ風が自分を通して隣の人や先方にかかって不快な思いをさせないための配慮です。
現代人でもスマートな扇子の動かし方は、扇子の要を右手で包むように持って右の太ももの上ぐらいで静かに動かすと品があるそうです。

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— posted by 越智邦明 at 04:16 pm  

2011/8/11

ゆうちゃん 海へ


8月7日(日)、ゆうちゃんが初めての海水浴を今治で挑戦した。前日からみんなが「きっと波が来ても泣かないだろうな」と言っていた予想通り、全く動じることはなかった。海水温もちょうど良かった。抱っこして沖まで連れて行ったが、さすがに深い所は恐がった。20分ほどで引きあげたが、保養所に引き上げてからも「海、海」とくり返していた。
親父が残した双眼鏡がすっかり気に入って、何を覗いているのだろうか。来島海峡を通過する大きな外国船なのか、はたまた、自分の遠い将来を眺めているのだろうか。最後はリトミックで覚えたダンスを披露してくれた。とても音感のよい子だと感じた。
又、来年も泳ぎに来いよ。

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— posted by 越智邦明 at 12:24 pm  

2011/8/8

目のケア


目は口ほどに物を言う。皆さん目は大事にしていますか。白内障、網膜剥離、緑内障等々。さまざまな病気が襲って来ます。
さて目をパソコン等で酷使すると目が疲れやすくなります。(眼精疲労)。十分な睡眠を取って目を休めることも大事ですが食事面も重要です。ではどんな栄養素が必要なのでしょう?
目の栄養に必要なのはビタミンです。中でもビタミンA、C、E(エース)とB群が大事です。
① A・・・目の細胞や粘膜の新陳代謝に不可欠で、光を電気信号に変えて脳に伝える役割があります。ニンジンや小松菜などの緑黄色野菜に多い。
② C・・・レンズの役目をする水晶体を透明に保つ。柑橘類やピーマン、グリーンピース。
③ E・・・Cと並んで抗酸化作用が強力です。活性酸素を除去し、目の血液循環を改善し眼精疲労の予防効果をアップする。洋梨やアーモンド、落花生。
④ B・・・目の充血を抑えたり視力低下を防ぐ。ウナギや豚肉、ノリ。
上手に組み合わせて摂って下さい。

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(追伸)
8月6日(土)の愛媛新聞第4面に親友、樋口建史君が載った。愛媛初の警視総監になったという記事である。
樋口君は愛光14期の仲間で、下の写真(右)は愛光寮に入っていた私(中学1年時)を彼の自宅(松山市谷町)に招いてくれて、その縁側に座っている所をお父様が撮ってくれたものである。現在の樋口君(左)と顔の輪郭はそっくりである。この写真は私のクリニックの20周年記念パーティーで私の中学時代の1コマとして紹介したものであるが、まさかここまで出世するとは思わなかった。彼は当時から口数は少ないものの実直で優秀であった。お決まりの東大法学部からのエリート出世である。愛光学園の当時を語ってくれているのも懐かしい。14期生みんなが今回の人事で勇気を与えられた。彼のますますの発展を祈っている。

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— posted by 越智邦明 at 04:59 pm  

2011/8/4

高尿酸血症


検診のデータで尿酸値の相談が多い。
高くても痛風関節炎を起こしたことがないから放置してもいいか?という内容である。
尿酸値が7.0mg/dlを超えているのに痛風を発症しない状態を「無症候性高尿酸血症」と呼ぶ。推定500万人に上る。
さてこれを放置するとどうなるか?東京慈恵会医大の細谷龍男教授によると、尿酸値が7.0を超えると、超えた分の尿酸は血液に溶けずにどこかの臓器で結晶化して問題が起きている可能性が高いと言う。痛みがないのは、結晶化した尿酸が幸運にも関節炎を発症していないに過ぎない。因みに痛風発作を起こした人の死因を調べると、1位は心筋梗塞、2位は脳卒中、3位は腎不全だったそうです。よく「生活習慣の改善で何とかなるさ」という人も居ますが、細谷教授によるとそれは尿酸値が1下がるぐらいで8以上の人は投薬を検討すべきであり、日本痛風・核酸代謝学界のガイドラインもそう定めています。さまざまな研究から、尿酸値9.0以上から痛風発作が急激に増え尿路結石も多くなります。そして腎不全で透析というコースをたどるわけです。
皆さん気をつけてコントロールして下さい。

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— posted by 越智邦明 at 03:52 pm  

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