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2011/11/21

沖縄クライシス(危機)


その昔、沖縄と言えば「長寿」の代名詞と言われた。そのためゴーヤはじめ沖縄県民の長寿にあやかろうと、さまざまな飲食物が紹介された。
しかし今はと言うと、女性の平均寿命はまだ一位をキープしているが、男性は1980~85年は1位、90~95年は4位、そして2000年には26位へと急落した。
この背景には、沖縄の食生活が急激に本土並みに変化しメタボ人口も増え、糖尿病や心血管疾患が急増したことがあげられている。そしてこの沖縄クライシスは、15~20年後の日本クライシスの前兆と考えられている。
沖縄県民の食生活が米軍の統率下、無批判に西欧化を受け入れ短時間のうちに様変りしたからだと指摘する学者もいる。又、失業率が日本で最悪で、若年~中年の自殺者が多いことも要因と指摘する学者もいます。

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— posted by 越智邦明 at 02:40 pm  

2011/11/17

このごろ思うこと


超一流のスナイパー「ゴルゴ13」を読んでいて、ふと思ったことがある。
第218話「ロックフォードの野望 謀略の死角」の中で、ローゼン・ザメックがゴルゴに次のような質問をした。「一流のプロ」になるための条件とは?
これに対するゴルゴの答えは「10%の才能、20%の努力、30%の臆病さ、40%の運」であった。私が注目したのは「臆病さ」である。人間はどんな仕事にも慣れてくると臆病でなくなる。そのころに失敗が多い。外科医もそうである。卒後3~4年してくると、虫垂炎いわゆる盲腸のオペも簡単だとうぬぼれてくる。実際にあった話だが、私の先輩(卒後4年目)がバイト先で盲腸のオペを1人で行った。所が虫垂先端が後腹膜に埋没していて取り切れなくなった。そうこうしているうちに麻酔が切れて患者があばれ出し、その際に虫垂動脈を損傷し、腹腔内が血だらけになって救急車で総合病院に運ばれた。今から30年も前の話で、治癒したので訴訟にはならずに済んだ。
もし先輩がいくばくかの臆病さを持っていたらどうだっただろう。きっとオーベン(上の先輩)を連れて行って、安全な手術をしたことだろう。
「臆病さ」はゴルゴの作家「さいとうたかを」氏の人生観だと思う。「臆病さ」は「謙虚さ」とも言い換えられると思う。いつもいつも事に当るときに、新米の時のような謙虚さを持つこと、まさに世阿弥の言う「初心忘るべからず」の境地を大事にしたいと感じているこの頃である。

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— posted by 越智邦明 at 05:40 pm  

2011/11/14

うつと食事


うつ病に対してはカウセリング・内服治療が主体であるが、食事を変えることで、うつの程度を減らそうとしているDr.が居る。日本初の栄養療法専門クリニックの溝口徹院長である。ポイントは「糖質を減らし、タンパク質を増やす」ことである。糖質とはご飯・パン・果物・菓子類など。タンパク質は肉・魚・豆類など。うつ症状に陥らないようにする一番重要なことは、血糖値の変動を小さくすることです。糖質の多い食品を食べると、血糖の上昇につれてインスリンが大量に出る。このときドーパミンやノルアドレナリンといった興奮系の神経伝達物質が過剰に分泌されたり、幸福感などに関するセロトニンの分泌が抑制されたりします。それによってイライラ・不安・眠気といった、うつ症状が出る。タンパク質の場合は血糖上昇が緩やかで、インスリンも急激に出ません。
どうしても糖質をやめられない人には、健康食品のプロテインを食事前に取ると糖質への欲求が抑えられます。それと糖質の前に、タンパク質・食物繊維を取るのが良いと思います。
賢く食べて下さい。

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— posted by 越智邦明 at 05:29 pm  

2011/11/10

ゆうちゃん来訪


2才になってから初めての来訪。ますますしゃべる言葉も増えて、難しいフレーズも難なくこなす。前回いただいたせんべいをみつけて「せんべい」「せんべい」とおいしそうに食べている。数字数えは1から10までやるのだが、必ず「7」が抜ける。「1、2、3、・・・6、8、9、10」。でもよく出来たと拍手してやると得意満面である。
次に聴診器をつけてみんなの健康診断をしてくれたのだが、当てるやいなや「なおった」と神業医師であった。注射器も登場である。
夕方から「温泉に行くか?」と聞いたら「オンセン」「オンセン」と盛り上がり、私と次男と3人で出かけた。ここはホテルの屋上にあり、露天から月を見つけては指をさして「おつきさん」、星をみつけては「キラキラ」、飛行機をみつけては「ブーン」と忙しい。私が体を洗っている間は次男が面倒を見、次に交替してすっかり温泉を堪能したゆうちゃん。風呂上りに売店でびん入り牛乳を買ってやると、一気に飲み干している姿がかわいい。
夕食が終わってくつろぎの時間。次に家内のお琴の部屋にやってきて「ゆうちゃんも」とせがんだ。家内の手ほどきで、きちんと座って爪もつけてもらってお琴の弦を響かせた。はたしてお琴はやるのだろうか?
色々な可能性を秘めた2才児。来るたびの成長を楽しみにしたい。

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— posted by 越智邦明 at 04:21 pm  

2011/11/7

拡張期血圧


下の血圧、つまり拡張期血圧のみが高いのを純拡張期高血圧と言う。高齢者では上の血圧、つまり純収縮期高血圧が一般的であるが、これは若荘年者に多い。さて血圧の上と下、どう違うの?という外来での質問が多い。
人口の高齢化に伴い、収縮期高血圧(収)が注目されるが最初に来るのは拡張期高血圧(拡)であることに注目する必要がある。即ち若年時の純(拡)は、壮年以降の本態性高血圧にほぼ間違いなく進展するということです。従って我々は純拡張期高血圧に十分介入しなければならない。
(拡)は外来血圧は80mmHg以上を言うが、家庭では85mmHgを超えたら診断すべきである。その時に(収)がたとえ正常でも介入の対象です。
さて介入ではまず生活習慣の改善です。肥満の是正、運動負荷、アルコール制限、禁煙、食事(低脂肪、低食塩、野菜や果物の摂取など)の改善が大事です。
肥満は特に要注意です。くれぐれも下の血圧が上がってきたら若くても要注意です。薬は新薬がいくつもあります。

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(追伸)
10月のとある日よう日、すがすがしい秋風のもと、奥道後GCに行きました。写真はインの13番、ショートホールから瀬戸内海を見た次男とのツーショットです。
年に何回か、はるかかなたまでくっきり見える日がありますが、当日がまさにそうでした。次男の230ヤードショットに圧倒された1日でした。いつの間にか世代交代。悲しいかな。

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— posted by 越智邦明 at 04:14 pm  

2011/11/4

禿たん(はげたん)


禿たんと聞いてピンと来る人はかなりの食通である。松山は大街道2丁目のおでん屋「禿たん」。店主、土岐光生さん(73才)とは、もう20年のお付き合いである。義父の英二さんが1948年におでん屋を開店し、土岐さんは27才で後を継ぎ46年間、妻の和佳子さんとがんばってきた。その禿たんが10月31日で店を閉じるというニュースは、10月25日号の愛媛新聞でも顔写真入りで大きく取り上げられたので見た方は多いと思う。南海放送のもぎたてにもよく登場した。この店は県産のサトイモ、ジャガイモ、レンコン、イイダコなど30品以上の具をそろえて、とてもダシが染み込んでおいしかった。私は特製「手羽先ぎょうざ」が大好きであった。又、もう一つの特徴は店内に秋山好古・真之兄弟の書や正岡子規のはがきなど先代から集めた貴重な収集物が壁に所狭しと貼ってある。
この店で私は多くの方と出会い、今もつきあいは続いている。
さて、その最終日31日、満を持して訪れた。最後を見ようと大勢の客が入っていた。7時になると夫婦連れの人が入ってきたが、大将が「すみません、一杯で」というのに対し、周りの客が「何とか詰めて入ったら」と入れてあげ、本当にギュウギュウの満席となった。みんな口々に「寂しくなる」を繰り返し、数々の大将との想い出を語っていた。
おでんとビールを飲みながら、大将土岐さんそして奥様の最後の勇姿を写真に納めた私は、10時「これからはお二人共、健康に留意されて長生きして下さい」と握手して別れを告げた。
「いつか終わりは来るのだ」と自分に言い聞かせながら。
(追伸)
家内がどうしても最後のおでんを食べたいと言うのでタッパー持参で行きました。たくさんの具を入れていただいて持ち帰り、家内が大喜びだったのは言うまでもありません。土岐さんありがとう。


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— posted by 越智邦明 at 04:57 pm  

2011/10/31

避妊


内科雑誌に緊急避妊薬のことが書いてあった。そのころに患者の女性から「当院にないか?」と質問を受け、もちろん扱いはないが、この際に勉強してみた。
ゆうちゃんのパパがこの間遊びに来たときに詳しく聞いてみた。今まで日本には緊急避妊の適応を有する薬剤がなく、そのため、本来は機能性子宮出血や月経周期異常に対して用いられていたホルモン剤を緊急避妊薬として使っていた。それが、今年5月に日本初の緊急避妊薬「ノルレボ錠」が発売された。副作用が少なく妊娠阻止率が高い。望まない妊娠は、男女共不幸になる。しかし認知度は低く、女性ですら知っている人は3人に1人。男ならなおさらである。性問題に取り組む第1人者の「日本家族計画協会クリニック」の北村邦夫所長の言葉をいくつか拾ってみる。ノルレボ錠とは「避妊しなかった、避妊できなかった女性が性交後に避妊目的で服用するホルモン剤です。性交後、72時間以内に1回1.5mg服用すると排卵が抑制されたり遅れたりして妊娠が阻止される。性交からどれくらい経って服用したかで阻止率は変わるが、72時間以内だと84%以上だと言う。72時間超120時間以内は63%に下がる。」
パパが話してくれた注意点は、このクスリを飲んだあとが問題であくまで排卵を遅らせているので、妊娠が否定されるまで(次の生理が来るまで)の間に性交渉をもつ場合は避妊する必要があること。できればそれまでは性交渉をもたない方がいいそうです。
さてノルレボは当院にはありません。婦人科か産科のみです。ノルレボは今年5月に発売されたばかりの新薬なので置いていない医療機関もまだ多いのが現状です。
それと値段は保険適用外でまちまちですが、1万円~2万円だそうです。
男性の受診はだめで、当事者の女性が受診しなければなりません。
また従来の緊急避妊薬でももちろん避妊効果はありますので、そちらを選択されても問題はありません。
少しでも参考になれば幸いです。

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— posted by 越智邦明 at 05:20 pm  

2011/10/27

逆流性食道炎


何度も取り上げてきたこの病気。胃酸が食道に逆流して食道に炎症を起こし、胸焼けやゲップ、膨満感等の症状を起こす。統計ではこの20年で4倍に増えている。バリウムの時代から胃カメラの時代になってより早期に発見される。むしろバリウムでは分からないと言った方が当っている。
逆流性食道炎に処方する薬は、胃酸の分泌を強く抑えるプロトンポンプ阻害薬(PPI)が第一選択です。この薬で胸焼けなどの症状が十分良くなる方は約7割。しかしあとの3割は良くならないことが分かってきた。
これまでPPIは「オメプラゾール」「ランソプラゾール」「ラベプラゾール」の3剤であったが、これに加えて今年7月に「エソメプラゾール」が新たに承認された。ある酵素の活性が高い方はPPIが効きにくいのですが、エソメプラゾールは従来の薬よりよく効く。胃酸分泌抑制テストで、オメプラゾールが43%に対しエソメプラゾール56%と高い。
私も早速、従来品が今1歩あるいは効かない方3名にエソメプラゾールを処方してみた。そのうち、2人は著効、1人は改善を認めた。かなりの実力があると思われる。
最後にもうひとつ大事なのは食事の改善である。肉を食べると胃酸の分泌が促進されるが魚は抑えられます。食事を魚中心に変えることも一つの手です。
とに角、薬の世界は日進月歩。常により良い薬を提供したいと思います。

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— posted by 越智邦明 at 05:20 pm  

2011/10/24

Kさんの死


Kさん(83才女性)とは長い付き合いであった。
御近所でもあり、よく犬の散歩で出会った。愛犬のコリー犬を連れていつも元気に歩いていた。所が平成19年頃からパーキンソン病がひどくなり当院に入院となった。やがて認知も進み、食事摂取が不能となった。当時、中心静脈栄養を行っていた。こういった方の場合、気をつけなければならないのが寝たきり肺炎である。ある時、ひどい肺炎となり、挿管をして一命をとりとめたが、長期化が予想された。そこで娘さんに「声は出なくなるが、気管切開をしたら肺炎から逃げられる」と説明をした。娘さんは直ちに「お願いします。長生きさせて下さい」と返答があった。そして気管切開を行い、栄養は鼻腔栄養を施し、長い長い入院生活が始まった。
この4年半の間に色々な事があった。重度の褥創に対して手術を行った。昨年は重症肺炎やMRSA肺炎でもうダメかと宣告した時に施したステロイドパルス療法が奏効し生き返った。何度も三途の川に足を踏み入れたKさん。よくがんばったが、18日の深夜、あばれることなくスーと息を引き取った。
何の処置も必要なかった。家族には「大往生でした」と説明をし、葬儀の車が来る間、この4年半の色々な話をした。認知がありながらも孫の結婚式の写真には特に笑みを浮かべていたこと等、思い出は尽きない。
御冥福をお祈りします。

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— posted by 越智邦明 at 09:08 am  

2011/10/22

ゆうちゃん2才へ


ゆうちゃんは10月18日で2才になりました。
私が滋賀の長濱オルゴール堂で買っておいたプレゼントにろうそくを灯し、フーをしています。
また3才へ向けてすくすくと育って欲しいものです。

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— posted by 越智邦明 at 09:24 am  

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