逆流性食道炎に処方する薬は、胃酸の分泌を強く抑えるプロトンポンプ阻害薬(PPI)が第一選択です。この薬で胸焼けなどの症状が十分良くなる方は約7割。しかしあとの3割は良くならないことが分かってきた。
これまでPPIは「オメプラゾール」「ランソプラゾール」「ラベプラゾール」の3剤であったが、これに加えて今年7月に「エソメプラゾール」が新たに承認された。ある酵素の活性が高い方はPPIが効きにくいのですが、エソメプラゾールは従来の薬よりよく効く。胃酸分泌抑制テストで、オメプラゾールが43%に対しエソメプラゾール56%と高い。
私も早速、従来品が今1歩あるいは効かない方3名にエソメプラゾールを処方してみた。そのうち、2人は著効、1人は改善を認めた。かなりの実力があると思われる。
最後にもうひとつ大事なのは食事の改善である。肉を食べると胃酸の分泌が促進されるが魚は抑えられます。食事を魚中心に変えることも一つの手です。
とに角、薬の世界は日進月歩。常により良い薬を提供したいと思います。