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越智クリニック
 
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2013/7/29

体の冷え


男性にも冷え性は多い。何故、「冷え」は体に悪いのか?
次の3つが考えられる。①免疫反応の低下・・・免疫にとって理想の体温は37度以上。これが1度下がると、免疫力は30%低下する。ウイルスや病原菌への自己防衛の機能が落ちて病気になりやすくなる。②酵素の活動低下・・・酵素が最も働くのは体内温度37~38度、体表温度36.5~37度と言われる。冷えで酵素の働きが著しく低下すると糖、コレステロール、中性脂肪などが分解されにくくなり肥満、糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病のリスクが高まります。③細胞の活動低下・・・体が冷えると血管が収縮し血流が滞ります。全身に酸素や栄養素が行かなくなり、細胞の活動が低下します。
さて男性の冷え症の原因は「クーラーをがんがん効かせる。その上に冷たい飲み物や料理を取る。夜はシャワーで済ませる。血管を収縮させるタバコを吸う。運動をせず筋肉量が落ちる」等です。そこでいくつかの提案です。以前にも書いた料理の素材を加える。例えば、唐辛子(カプサイシンを含む)、ショウガ、ネギ、七味などが血流を促進し体を温めます。キムチ鍋も良い。お茶も時々は熱いのにする。お風呂も湯船につかる。周に2~3回はウォーキングで汗を出す。ビールは1杯だけにし焼酎のお湯割りを飲む。
是非、参考にして下さい。

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— posted by 越智邦明 at 05:44 pm  

2013/7/25

真夏の降圧剤


今回は「真夏の方程式」ならぬ「真夏の降圧剤」のお話です。
結論的に申しますと、年間を通して真夏はその人にとって一番血圧が下がる時期です。同じ薬を飲んでいて、この時期にめまい・ふらつき・疲労感が生じるときは、降圧剤の減量もしくは中止が必要です。夏は血管が拡張して血圧が下がりやすい。血管が収縮して血圧が上がりやすい冬とは真逆です。そのため我々医師は、血圧手帳を見て薬の増減を判断しています。
さて高血圧患者が夏に注意することを話します。クーラーがんがんの部屋では血管は収縮していますが、いったん外に出ると一気に血管は拡張します。高血圧の人にとっては、気温の激しい変動は、めまい・ふらつきの原因になったり心筋梗塞・脳卒中のリスクを上げる要因になります。そのためクーラーの温度を下げすぎないこと、又カーディガンなどで体を冷やしすぎないような工夫が必要です。
最後に降圧剤として利尿剤を服用している方は、尿が排出し過ぎて体内の電解質のバランスが崩れる可能性があるので、「だるい、疲れやすい」などの症状が出たら主治医に相談して下さい。
夏の間だけ利尿剤を他の薬に替える必要がある方が居ます。

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(追伸)
7月20~21日と、ゆうちゃんがやって来た。3才でも後半になると色々な事がしっかりしてきました。まずは病院の屋上に連れて行くと、職員の松江さんの作ったひまわりの高さに驚嘆!その他トマトなども喜んでいました。その後、オンプ君と散歩。「ママ行ってくるね」と、私と2人で行くようになり色々な話をしました。夜はもっぱら読書です。翌21日が私がゴルフだと言うと、数あるグリーンマーカーの中で、このピンクがいいよと選んでくれました。写真のポーズもバレエのポーズ。21日はママがいない間、ばあばと仲良く過ごしたようで、お琴もしたようです。そして「またね」とさっそうと帰ってゆきました。写真を楽しんでやって下さい。

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— posted by 越智邦明 at 11:10 am  

2013/7/22

ネギ


昔、下仁田ネギを送ってくれていた方が患者さんにいらした。10年も送ってくれただろうか?このネギはいくら真似して四国で作ろうとしてもダメなんですよ、と言いながらくれていた。その方も亡くなり、もう手に入らなくなった。
さまざまな料理の具材や薬味として使われるネギは日本の食卓に欠かせない。さて関東と関西では種類も大きく違います。関東では下仁田ネギや千住ネギといった白い部分を食べる「白ネギ」が主流。一方、関西では「九条ネギ」のように青い葉の部分を食べる「青ネギ」を指します。うどんにのせるのも関東は白ネギ、関西は青ネギです。
さてどちらが栄養学的に勝るのか?白と青、両方の抗酸化作用を比べると青ネギの方が強いそうです。栄養成分を見ても、青ネギには強力な抗酸化物質であるビタミンCやβカロテンがより多く含まれていました。ちなみに青ネギの中でも「万能ネギ」はとびきり優秀で、ビタミンが他の青ネギの1.5倍、カルシウムは2倍も含まれていました。
しかし白ネギが劣っているという訳ではありません。白い部分に硫化アリルという辛味成分が多く含まれていて、血を固まりにくくして血栓予防、動脈硬化予防の効果があります。また体を温めたり神経を鎮静する作用がありますので、ストレスを感じてイライラしている人や睡眠不足の人にはおすすめです。
青と白、両方摂りたいものです。

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— posted by 越智邦明 at 05:01 pm  

2013/7/18

風立ちぬ


映画「真夏の方程式」を観た時の予告編で、7月20日公開の「風立ちぬ」をやっていた。御存知、宮崎駿監督の「崖の上のポニョ」以来5年ぶりの新作です。どうもまたまた大ヒットの予感を感じさせました。ローソンも特別協賛を行っているので、今年の夏は宮崎アニメのキャラクター商品でローソンの店舗が埋め尽くされるのでは、と高鳴りを覚えます。
解説はゼロ戦設計者として知られる、堀越二郎と同時代に生きた文学者・堀辰雄の人生をモデルに生み出された主人公の青年技師・二郎が不景気や貧困、震災などに見舞われ、やがて戦争へと突入していく1920年代という時代をどのように生きたのか、また薄幸の少女・菜穂子との出会いを描いています。
上映時間126分です。是非楽しみに見て下さい。

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— posted by 越智邦明 at 05:44 pm  

2013/7/16

減量手術


6月20日に糖尿病の講演を全日空ホテルで聴いた。演者は慶応大の伊藤裕教授であったが、その中で「糖尿病は減量手術で治る」可能性が高いと話された。この一言が気になって調べてみた。糖尿病のコラムはブログで随分書いてきた。合併症の事、インスリン自己注射の話、新薬の話等々。しかし減量手術がうまく行くと手術後、薬は一切使わなくて済むようになった例を読んだ。
「腹腔鏡下胃バイパス手術」というものであるが、四谷メディカルキューブでは500例以上行っているという。糖尿病治療のための外科手術の旗振り役は、ここの笠間和典・減量外科センター長である。ここからは専門的な話になります。笠間Dr言く、「食べ物が小腸を通るときに分泌されるGLP-1と呼ばれる消化管ホルモンがあります。このホルモンは、すい臓に作用してインスリンの分泌を促します。所が減量手術で胃を小さくすると、十分消化されない食べ物が小腸を通り、腸が強く刺激されてGLP-1の分泌が増え、結果的にインスリンが大量に出てくる」ということです。
笠間Drによると、これまでインスリンが必要だった35人の方のうちope後、34人がインスリンを必要としなくなったと言う。では誰でも出きるのか?
BMIが27.5以上の糖尿病の方で65才以下が対象です。またインスリンの分泌が極端に少ない人や透析の人は対象外です。また糖尿病歴が10年を超えると實解率が54%とかなり下がるそうです。
結局対象は、糖尿病と診断されて間もない方がいいようです。
さて伊藤教授も話しておられたが、減量手術は世界ではポピュラーな治療法で日本は相当遅れています。
それ故、費用も保険がきかず自由診療のため、200~250万円かかるようです。手術時間は3時間ほどで、4泊5日の入院が一般的のようです。
さて糖尿病専門医から「急な血糖改善は網膜症を発症するのでは?」と質問があるようですが「世界中で30万件/年以上の減量手術が行われ、その多くは糖尿病の方ですが、そういう報告はありません」(笠間Dr)との事でした。
減量手術は糖尿病のみならず高血圧、膝関節痛で悩んでいる方にも恩恵があり、これからは日本の医学界も考えていかないといけない領域のようです。

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— posted by 越智邦明 at 05:12 pm  

2013/7/11

痛風と猛暑


痛風は何回もこのブログで取り上げてきた。2010年の厚労省発表の患者は95万人。年々増えているが、今年のような猛暑は特に注意が必要である。何故か?気温が上がると汗によって体内の水分が失われ、尿による尿酸の排出が不十分になる。又ビールやジュースを飲む量が増えますが、アルコールや糖分が尿酸の排出を抑えたり尿酸を作り出したりするのです。
さて最大の対策は、こまめに水分を補給すること。1日2ℓ、暑い日は3ℓ以上取る。水が欲しいと感じたら、既に脱水傾向にあるのです。水を飲むと汗をかきやすくなるというのは俗説。実際は逆で、汗をかくから水が欲しくなるのです。
さてビール1ℓ当たりのプリン体は、ご飯1杯程度。ビール500mlまでなら痛風患者が飲んでも(発作時以外は)問題ない。ただしビールに含まれるプリン体は体内への吸収が良いため飲みすぎには注意が必要。またビールに限らずアルコール類には、尿酸を作ったり排出を抑制してしまう働きがあるのです。究極の対策は、アルコールと同量の水を飲むこと。これで尿酸の排出を促すことができます。また野菜、海藻、酢の物などのアルカリ食品も尿酸値を下げる働きがあります。あといつも書きますが焼酎などの蒸留酒にはプリン体が含まれません。またワインにはプリン体はありますが、ポリフェノールの影響で尿酸値の上昇を抑えられます。
是非参考にして下さい。

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— posted by 越智邦明 at 01:33 pm  

2013/7/8

大動脈解離


循環器疾患には狭心症、心筋梗塞等のありふれた病気も怖いが、大動脈解離は診断の遅れも手伝って致死的な経過をたどる事が多い。昔、石原裕次郎が患って有名になったがその他、加藤茶、最近では俳優の塩谷俊さんも舞台「HIKOBAE」の千秋楽に臨む稽古中にこの病気で亡くなった。急性大動脈解離は高血圧の人なら誰でも起こります。又40才、50才台の若い人にも起こる。
高血圧で動脈硬化を起こした血管は、ゴムが劣化したホースのように傷が出来やすい。血管はバウムクーヘンのような3層構造だが、あるとき突然内側の傷口から血液が流れ込み2層目がはがれるのがこの病気である。高血圧の人が突然激しい胸痛を起こした時に我々が心筋梗塞と共に疑うのがこの病気である。今はCTが発達して疑えさえすれば診断は容易であるが、あとは手術までの時間が勝負となる。
30才以上の2人に1人が高血圧を発症しているが、治療を受けているのは2割のみと言われている。残り8割の人がストレス、飲酒、喫煙、睡眠不足などにさらされると、極めて事態は深刻になる。つい最近の事件であるが、7月1日に三重県でバスの運転手(44才)がこの病気を発症し、異常に気付いた乗客らが協力してバスを停止させた出来事がありました。運転手は病院に運ばれたが死亡が確認されました。
十分、注意して下さい。

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(追伸)
福山雅治主演の「真夏の方程式」を昨日見て来ました。
東野圭吾シリーズ「ガリレオ」は大人気で、福山さんの主演映画は「容疑者Ⅹの献身」以来、5年ぶりです。44才とは思えないカッコよさに惹かれるファンも多い。尚、当院患者さんの中島汽船株式会社も撮影協力者として名前が出ています。是非ご覧下さい。

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— posted by 越智邦明 at 01:11 pm  

2013/7/4

就活


私の病院は松山大、愛媛大をはじめ多くの大学がひしめくいわば文京区にある。当然多くの学生が外来に来られる。最近特に思うのは、学生達の「貧乏さ」である。時々、検査で外来負担が3,000円を超えたりすると、「すみません、ちょっと銀行で下ろしてきます」という会話が飛び交う。
月平均の仕送り額はピークだった94年の12万4900円から何と3割も減り8万9500円。平均家賃の6万1800円を引くと残りは2万7700円。1日当たりの生活費は920円しかない。(全国統計)。これではコンビニ弁当かマックしか食べられない。日本学生支援機構の「学生生活調査」(12年)によると現在、奨学金を利用する大学生の割合は実に50.7%。調査以来、初めて半数を越えた。その最大の理由は「親の低所得化」である。自宅外通学生の保護世帯の平均収入は860万(12年)で、前年から40万円減となった。地方では年収300万、400万もザラである。
さて可哀想なのは大学4年間何とか卒業しても就職出来ないこと。5月の時点での内定率は39%である。(リクルートキャリア調査)。面接に着ていくスーツが買えないという「貧困学生」が増えている。世の中はアベノミクスで騒いでいるが、親の給料が上がるどころか下がる一方。ここに消費税増税が加わったらどうなるのか?外来でみている大学生達が哀れでならない。みんなバイトで一生懸命やりくりしている。
参院選も近いが、本当に庶民の暮らし、手取りが増える施策を実行できる政党に投票したいものである。

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— posted by 越智邦明 at 11:41 am  

2013/7/1

年齢を考えた投薬


今日は降圧薬のお話。血圧が高い方は実に多い。又、降圧治療が延命につながることも数多くの研究で実証されてきた。
ある患者さんBさん(68才)は、他院できっちり薬を飲んでいるが下がらないと当院へ来院。
家庭用血圧計の数値ノートを見ると150~160/90~95であった。Bさん言く「主治医の先生はこの薬は学会の偉い先生方も宣伝している、とにかくいい薬なので飲み続けて下さい」と言われた。しかし2カ月経っても下がらないので奥さんの勧めで当院へやって来られた。Bさんの服用していたのはARBという新しいタイプの薬。いい薬ですが、60才以上の方には問題もあります。
高血圧には血管を収縮させるホルモンが多くて、血管が収縮しているタイプと血管の中の水分が多くて血管が拡張しているタイプがある。ARBは前者には効果的ですが、60才以上の方は後者が多く、カルシウム拮抗薬や利尿薬が適しています。そこでBさんにアムロジピン(カルシウム拮抗薬)とナトリックス(利尿薬)を投与しますと、1週間後に135/84と下がり今も安定しています。
薬は年令を考えて処方すべきと痛感します。

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— posted by 越智邦明 at 04:01 pm  

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