もっと皆さんに関心を持ってもらいたいと書いています。
肺炎の原因は細菌、ウィルス、カビ(真菌)などさまざまですが一番多い(50%)のが肺炎球菌です。65才以上では特に目立ちます。この菌はふだん鼻やのどの粘膜に存在し悪さをしませんが、高齢で体力が弱ったりかぜやインフルエンザによって気道の粘膜が傷ついたりしたときに増殖し肺炎を引き起こします。このタイプの肺炎は呼吸をするときに「胸が痛む」のが特徴で、高熱はもちろん血が混じった痰や咳が出ます。肺炎球菌による肺炎の潜伏期間は1~3日ですから、かぜのあとこのような症状が表れたらすぐ受診して下さい。
さて予防ですが一番は肺炎球菌ワクチンの接種です。これを受けておくと抗生物質が効きやすく肺炎の重症化を防ぐメリットがあります。もちろん肺炎球菌以外の病原菌には効きませんが頻度の多いものに対処することは大事です。
特にCOPDや喘息、糖尿病、腎臓病、心臓病など慢性疾患がある方は肺炎が重症化しやすいので、65才以上の方は是非受けて下さい。効果は5年で、再接種も認められています。