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越智クリニック
 
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2008/11/27

ミツバチ


「クレオパトラはハチミツパックをしていた」「ローヤルゼリーを愛飲していた」等、エジプトとミツバチには深い縁がある。ミツバチの誕生はおよそ6600万年前といわれる。人類の誕生が400万年前だから、どれだけ地上に生き永らえているかがわかる。スペインのアラニア洞窟の壁画(1万年前)に蜂の巣から蜜を採る女性の姿が描かれている。エジプトでも紀元前600年の壁画に養蜂の様子が描かれている。エジプトの古王国時代からハチミツは神々への供物、儀式で欠かせない物として珍重され養蜂が行われるようになった。そして養蜂が盛んになると王家はこれに課税して大量のハチミツが税として徴収された。
さて「ハチミツ」は、かのシーボルトの処方せんにもhoneyとして登場する。効用は次のようである。①優れたエネルギー源 ②強い殺菌力 ③腸内のビフィズス菌を増やす ④アルコールの分解を促進する。その他医療パピルスには皮膚病や傷の手当にハチミツを使うことが書かれている。
ミツバチは太陽神ラーの涙が変化(へんげ)したものであり、そのミツバチが集めたハチミツは神からの贈り物であったと信じられているそうです。ハチミツを見直してみませんか?

— posted by 越智邦明 at 03:34 pm  

2008/11/25

色彩パワー


引き続いて色彩パワーのお話を2つ。

1.黒
黒は頑固とか抑圧の意味を持つ一方、忍耐力を高め我慢強さをもたらしてくれる色です。
我慢しづらい時こそ「忍耐強く目標を達成させる」黒の効果を利用して下さい。
ただし、黒をあまり使いすぎると否定的な気持ちが強まり心が閉鎖的になるので、インテリアや服装といった面積の多いものではなくてカバンや手帳、ブックカバーなどの小物や文具に取り入れて下さい。

2.ワインレッド
ワインレッドは今年の流行色のひとつですが、創造性を豊かにしてくれる色です。気高い精神性を表し、太古の昔には高貴な色として貴ばれていました。個性や独創性を導いてくれる性質もあります。こうした特性を取り入れ、何かアイデアが必要なとき、筆記具や名刺入れなどの小物に使うといいです。
ワインレッドはお助けパワーがあります。

— posted by 越智邦明 at 04:41 pm  

2008/11/21

白菊会


白菊会は各大学の医学部などに事務局がある篤志献体協会に属する組織である。「自分の死後、遺体を医学・歯学の教育と研究のために役立てたい」と志した人が生前から献体したい大学に名前を登録しておき亡くなられた時、遺体を大学に提供するのである。現在その登録者数は20万人を超えている。当院にも数名存在する。私も学生時代解剖をさせていただいたおかげで、現在の解剖知識が頭にたたきこまれている。感謝のひと言である。
さて解剖は明和8年、杉田玄白らが「ターヘル・アナトミア」を携えて腑分けを観察したのだが、それ以後、明治に入っても解剖の重要性は認識はされていたものの解剖の機会は得られなかった。解剖第一号は遊女である美幾女(みき)であった。明治2年であった。当時、医学校は死を目前にしたみきに、「厚く弔うから」と説得した。遊女は死ぬと投込寺の穴に遺棄されるのが習いであって、その霊はむなしくさ迷うと言われていた。医師は解剖後、丁重に葬儀をとりおこない戒名もつけて墓を建ててやると説き、ついに、みきは医師の説得を受け容れたのである。
美幾女の話は渡辺淳一の「白き旅立ち」にも見事に物語れている。「解剖」にもこんな歴史があったのである。

— posted by 越智邦明 at 12:47 pm  

2008/11/19

麻生首相


非常に困った人である。当コラムではあまり政治の話をしてこなかったが、この人はタチが悪い。最近のあだ名がKY首相。「空気」だけでなく「漢字」(K)も「読めない」(Y)からついたそうだ。「踏襲」を「フシュウ」、「未曾有」を「ミゾユウ」、「頻繁」を「ハンザツ」。現役学生からも「あり得ない」「マンガじゃなくて本を読んだ方がいい」と失笑を買っている。当初はほほえましい趣味だと思っていたマンガ読みもここまで来ると笑って済ませられない。知識のなさ以上に人望、経験、判断力どれをとっても首相の「器」じゃない。
給付金問題のドタドタも無策ぶりをさらけ出した。今や自民党には首相に反論を翻すエネルギーも人材も残っていないようだ。
迫る大不況を目前にして、この人に経済のカジ取りが出来るのかどうか?日本はどうなるのか?
本当に不安な毎日を送っています。

— posted by 越智邦明 at 09:59 am  

2008/11/17

食医


高齢化社会を迎え、食べ物をスムーズに飲み込む、いわゆる「嚥下」に関心が高まっている。嚥下機能が低下したため自力で食べることが出来ず、経管栄養で生きながらえている人が当院でも数名入院している。嚥下がうまく行かず誤嚥をすると、いわゆる誤嚥性肺炎になる危険性が高まる。日本人の死因別死亡率の4位が肺炎(8.5%)であり、この半分以上(4~5%)は誤嚥によるものと考えられている。肺炎のうち65才以上が占める割合が95%と高値を示し、90才以上になると肺炎が死因の1位になります。誤嚥性肺炎の予防として口腔ケアが重要になっています。不潔な唾液には細菌が有意に多く口腔ケアをして口の中を清潔にすることが肺炎予防につながるため当院でも積極的に行っています。
昔の中国には外科医と内科医と獣医、そして「食医」という4種の医師がいたそうです。食医は食べることを全般に診る医師で他の3つの医師より重要とされていたそうです。
いつまでも「自力で」食べ物を摂取したいものです。

— posted by 越智邦明 at 04:15 pm  

2008/11/14

夜寝る子は育つ


日本は世界で唯一、週の労働時間が50時間を超える労働者の割合が25%を超える残業立国である。総務省は日本人の睡眠不足の減少を「寝不足で懸命に働く日本人」とまとめた。しかし2004年の世界銀行の調べでは日本の労働生産性は先進7ヵ国で最下位、OECDの平均をも下回っている。日本人は睡眠時間を削って残業をし、きわめて効率の悪い仕事をし、子どもたちと接する時間を放棄している。
さて入眠に一致する成長ホルモン分泌は古来の格言「寝る子は育つ」の根拠としてよく知られているが、実際は夜更かしや徹夜をしても、1日の成長ホルモン分泌総量は影響を受けないことが分かってきた。では寝ないとどうなるのか?近年、夜の光がヒトに与える悪影響が次の4つにまとめられた。①時差ぼけ・・・食欲や意欲、作業効率の低下をもたらす。②明るい夜・・・生体時計の機能停止をもたらす。③睡眠不足・・・睡眠時間が4~6時間に減ると耐糖能の低下、交感神経の緊張の亢進、肥満をもたらす。④運動不足・・・肥満、アルツハイマー病、慢性疲労症候群をもたらす。
朝の光を浴び昼間に活動し、夜の光を浴びないことでヒトはその潜在能力を最大限に活用できるようプログラムされています。生体時計を考慮した生き方をしましょう。

— posted by 越智邦明 at 04:57 pm  

2008/11/11

診察室(その2)


65才のその男性はある夜、緊急で診てくれ、とその家人から言われてやってきた。腹が苦しいと言う。エコーを行った所、肝臓に癌が多発し大きいものは直径4cmある。近医でC型肝炎と言われて3年間注射していたと言う。OPEの適応はないが入院していただいた。すでに肝硬変になっていた。
食道静脈瘤の破裂、腹水、黄疸、肝性脳症、肝癌破裂等教科書的な合併症の可能性を家人に説明しておいた。それから10日後。回診の後、突然、意識がなくなり心停止した。駆けつけた所、これ以上は膨らまないというぐらい、おなかが膨隆していた。肝癌の破裂による失血死。私も遭遇したのは初めてである。穿刺排液した血液の量は6ℓにも及んだ。ぺちゃんこになったおなかを見て、改めて癌は恐いと思った。そう言えば俳優の緒方拳さんが同じく肝臓癌の破裂で急死したことも記憶に新しい。

— posted by 越智邦明 at 04:49 pm  

2008/11/10

宴のおわり


長い長いプロ野球も今年は終わった。特にGファンは最後までお疲れ様でした。ヤング西武のピッチャーの前に巨人は完敗。手も足も出なかった。寄せ集め集団でなく西武を見習って若手を育成させるという本来のプロ野球球団のあり方を教えてもらって良かったと思う。少なくとも日本シリーズに負けて色々な所を改革できるだろうと前向きに考えている。
さて、私は幼少の頃から祭りにしても終わってしまったあとの空虚さが何とも嫌なのである。平常に戻るのに2~3日かかる。あと5ヶ月。野球のない生活が待っている。薬屋のK君を見習ってゴルフの練習でもしようか?

— posted by 越智邦明 at 07:47 am  

2008/11/8

情動的ストレス


心の状態と病気の発生は関連がある。地震や戦争時は心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患だけでなく心筋梗塞や突然死の発生が増加する。
それではスポーツ観戦などの興奮といった情動的ストレスではどうだろう?ここに面白い海外文献データがある。2006年に開催されたFIFAワールドカップサッカードイツ大会期間中にミュンヘン地方の救急病院に搬送された心・血管病患者を対象に調査が行われた。31日間の期間中、ドイツチームの試合が行われた7日間とドイツチーム以外の試合が行われた24日間及び例年同月間の3期間に分け患者数を比較検討した。するとドイツチームの試合があった7日間は他の2期間に比べて圧倒的に搬送患者が多く、例年同月間の平均2.7倍もの患者発生率であった。特に男性や過去に心臓病を持っている人がより危険性が高かった。そして予選リーグより決勝トーナメントで明らかに患者数が多く、接戦で緊迫した準々、準決勝で最も患者が多かった。
この結果は過度の情動ストレスは心・血管病発生につながることを示している。ストレスホルモンが原因と言われている。
野球ファンの皆さん、特にGファンには今年のようなハラハラドキドキの試合の連続は心臓によくないと思われます。患者さんを増やさないように来年は原監督、頼みますよ。

— posted by 越智邦明 at 04:01 pm  

2008/11/7

診察室(その1)


ある入院患者(男性)が、夕食の時に胸を叩いて苦しみ出した。あわてて駆けつけた。何かがつまっているようだ。緊急内視鏡を行った所、何とレンコンが食道にピタッとはりついている。かなりの大きさで、よくかまないで飲みこんだようだ。救急病院へ搬送したが相当難渋して取れそうもないとの一報。その後、結局胃カメラの生検鉗子で少しずつかじっていって、小さくなって下へ落ちたと報告を受けた。高価な生検鉗子がそのために3本ダメになって婦長から厭味を散々言われたと後日Dr.から聞いた。申し訳なく思う。イモ類等は水で柔らかくなって下へ落とせるが、レンコンはそうはいかない。私もいい勉強になった。レンコンを食べるたびに注意するようになったのは言うまでもない。

— posted by 越智邦明 at 03:46 pm  

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