心の状態と病気の発生は関連がある。地震や戦争時は心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患だけでなく心筋梗塞や突然死の発生が増加する。
それではスポーツ観戦などの興奮といった情動的ストレスではどうだろう?ここに面白い海外文献データがある。2006年に開催されたFIFAワールドカップサッカードイツ大会期間中にミュンヘン地方の救急病院に搬送された心・血管病患者を対象に調査が行われた。31日間の期間中、ドイツチームの試合が行われた7日間とドイツチーム以外の試合が行われた24日間及び例年同月間の3期間に分け患者数を比較検討した。するとドイツチームの試合があった7日間は他の2期間に比べて圧倒的に搬送患者が多く、例年同月間の平均2.7倍もの患者発生率であった。特に男性や過去に心臓病を持っている人がより危険性が高かった。そして予選リーグより決勝トーナメントで明らかに患者数が多く、接戦で緊迫した準々、準決勝で最も患者が多かった。
この結果は過度の情動ストレスは心・血管病発生につながることを示している。ストレスホルモンが原因と言われている。
野球ファンの皆さん、特にGファンには今年のようなハラハラドキドキの試合の連続は心臓によくないと思われます。患者さんを増やさないように来年は原監督、頼みますよ。