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2008/11/11

診察室(その2)


65才のその男性はある夜、緊急で診てくれ、とその家人から言われてやってきた。腹が苦しいと言う。エコーを行った所、肝臓に癌が多発し大きいものは直径4cmある。近医でC型肝炎と言われて3年間注射していたと言う。OPEの適応はないが入院していただいた。すでに肝硬変になっていた。
食道静脈瘤の破裂、腹水、黄疸、肝性脳症、肝癌破裂等教科書的な合併症の可能性を家人に説明しておいた。それから10日後。回診の後、突然、意識がなくなり心停止した。駆けつけた所、これ以上は膨らまないというぐらい、おなかが膨隆していた。肝癌の破裂による失血死。私も遭遇したのは初めてである。穿刺排液した血液の量は6ℓにも及んだ。ぺちゃんこになったおなかを見て、改めて癌は恐いと思った。そう言えば俳優の緒方拳さんが同じく肝臓癌の破裂で急死したことも記憶に新しい。

— posted by 越智邦明 at 04:49 pm  

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