さて日常診療の中で自転車による事故が実に多い。特に老人が後ろから来た自転車にはねられて、そのまま過ぎ去ってしまったという例。高齢者は倒れると全身打撲となり治療に数ヶ月を要する例は珍しくない。自転車のマナーも非常に悪い。並走は当たり前で、更に危険なメールをしながらの走行。これは全く前を向いていないのも同然で、こういった事故には厳罰に処するべきだと思う。
実際に発生した法廷での例をあげよう。2002年9月、横浜市で看護師(54才)が路上で背後から女子高生(16才)に衝突された。無灯火の上、ケータイをいじっていた。看護師は首をケガし、手足にしびれが残り、職を失い生活保護になってしまった。女性は女子高生と自転車を与えた父親を相手取り5,700万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。横浜地裁は5,000万円の支払いを認めた。ほぼ全面勝訴であった。
また今年6月にも世田谷区の81才の男性が自転車に乗った男子高校生にはねられ、頭を強く打って死亡した。
ここで提案です。自転車事故は甘く見られがちですが、歩行者に大ケガをさせてしまえば高額の賠償請求は避けられません。何らかの形で自転車保険に入っておくべきです。最低でも個人賠償責任保険は加入して下さい。
保険に関しては自動車保険や火災保険の特約として付いている場合がありますので、よく確認を営業員としてみて下さい。
最後に自転車の現行ルール。
①車道の左側走行が原則
違反は3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金
②無灯火
5万円以下の罰金
③2人乗り
2万円以下の罰金(6才未満1人を乗せるケースを除く)
④並走
2万円以下の罰金
⑤ブレーキなし走行(→現在問題になっています)。
5万円以下の罰金