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2011/12/5

低髄液圧性頭痛


最近注目されている頭痛で「脳脊髄液減少症」とも呼ぶ。最近、むち打ちがいつまでも治らず、頭痛が続く場合に硬膜の破綻による髄液漏出が原因であったケースがよくマスコミに取り上げられる。
しかし実際に多いのは脱水が原因になる髄液産生低下です。夏期に頭痛とめまいで受診され、点滴で改善するケースです。診断は簡単で臥位になったり力んで腹圧を上昇させたりして、髄液圧を上昇させると頭痛がその間は軽減するのです。
ただ点滴を続けても一向によくならない場合は髄液腔の狭少化等、より精査が必要になってきます。
脳神経外科で今、ホットな疾患です。

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— posted by 越智邦明 at 05:25 pm  

2011/12/1

自転車事故


来年1月から警視庁管内の自転車レーンが大きく変わる。車道にペイントされる青色レーンでの走行が徹底されるのだ。全国で発生した自転車と歩行者の事故のうち、都内は約4割に上った。
さて日常診療の中で自転車による事故が実に多い。特に老人が後ろから来た自転車にはねられて、そのまま過ぎ去ってしまったという例。高齢者は倒れると全身打撲となり治療に数ヶ月を要する例は珍しくない。自転車のマナーも非常に悪い。並走は当たり前で、更に危険なメールをしながらの走行。これは全く前を向いていないのも同然で、こういった事故には厳罰に処するべきだと思う。
実際に発生した法廷での例をあげよう。2002年9月、横浜市で看護師(54才)が路上で背後から女子高生(16才)に衝突された。無灯火の上、ケータイをいじっていた。看護師は首をケガし、手足にしびれが残り、職を失い生活保護になってしまった。女性は女子高生と自転車を与えた父親を相手取り5,700万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。横浜地裁は5,000万円の支払いを認めた。ほぼ全面勝訴であった。
また今年6月にも世田谷区の81才の男性が自転車に乗った男子高校生にはねられ、頭を強く打って死亡した。
ここで提案です。自転車事故は甘く見られがちですが、歩行者に大ケガをさせてしまえば高額の賠償請求は避けられません。何らかの形で自転車保険に入っておくべきです。最低でも個人賠償責任保険は加入して下さい。
保険に関しては自動車保険や火災保険の特約として付いている場合がありますので、よく確認を営業員としてみて下さい。
最後に自転車の現行ルール。
①車道の左側走行が原則
 違反は3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金
②無灯火
 5万円以下の罰金
③2人乗り
 2万円以下の罰金(6才未満1人を乗せるケースを除く)
④並走
 2万円以下の罰金
⑤ブレーキなし走行(→現在問題になっています)。
 5万円以下の罰金

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— posted by 越智邦明 at 05:02 pm  

2011/11/28

リアル・スティール(映画)


11月21日(月)に「リアル・スティール」の試写会に行ってきた。12月9日(金)全国公開予定である。
全編の内容をバラすと申し訳ないので、概要を説明します。
スティーブン・スピルバーグ率いるドリームワークスが11年の構想の末、完成させた巨編です。
2020年、ボクシングは生身の人間ではなく高性能のロボットたちが闘う競技になっていた。元ボクサーのチャーリーは、ロボットの賭け試合などで生計を立てていた。ある日、かつての恋人が亡くなりその息子、マックスがチャーリーの元にやってくる。マックスはゴミ捨て場でATOMという旧型ロボットを見つけ、それをチューンナップし試合に出場する事を決意する。
破天荒に生きてきた一匹狼のチャーリーが、はからずも真の“父親”として目覚めていく姿を人生の再起のドラマに重ねて演じ切る。息子とのかけがえのない絆に気づいていく男の姿は、私たちの心を揺さぶり、とりわけ世の父親たちの心を直撃すると思います。
撮影は2010年6月より、デトロイトで行われた。ロボットが闘う場面のために、モーションキャプチャ技術が使用されています。
是非、年末、親子連れで見に行って下さい。

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— posted by 越智邦明 at 02:37 pm  

2011/11/24

医師の労働


日本の医師の過剰労働は現在、社会問題になっており、特に研修医等はこき使われ、寝る間もなく、過労死を起こして家族が病院を訴えるといった事態も今では珍しくない。私の長男(卒後3年)も、いつ電話しても病院に居る。土曜も日曜もである。私の時よりきつそうである。
米国では1980年代に発生した医療事故を契機に研修医の労働時間の規制が行われるようになった。日本と同じように遺族から「過労死」の訴えが出され、社会問題化した。そしてニューヨーク州では研修医の労働時間を週80時間以下とするよう州法が制定された。
全米でもACGMEが同じように週80時間以内とするよう勧告し、この規定を守れない医療施設は研修医の採用が困難となっている。
EUでは、2008年12月17日に3年の猶予をおいて「例外なく研修医の労働時間も平均週48時間の労働時間の上限を設ける」ことが決定されている。
確かに日本でも労働基準法に週40時間の法定労働時間の規定がある。しかし日本では労使でも時間外・休日労働に関する労使協定(36協定)を締結すると、事実上、労働時間の上限がなくなっている。
日本の勤務医は週平均で70.6時間働いている。ドイツ・フランスは40~50時間、全米は51時間である。日本の医師における最大の問題は労働時間として十分に把握されていない「当直」にある。
米国では当直は労働時間として算定され、当直時間も含めて週80時間の上限を設定している。日本の勤務医の労働時間に関しては、通常の勤務の長さだけでなく、当直と称する夜間・休日をはさむ30時間を超える連続労働の存在が問題である。さらにこうした長時間労働に対して適切な割増賃金の支払がなされていないことも加えて問題である。
医師の数を増やすだけでなく、こうした勤務実態にメスを入れるべきである。医師も1人の人間であるのだから。

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— posted by 越智邦明 at 01:03 pm  

2011/11/21

沖縄クライシス(危機)


その昔、沖縄と言えば「長寿」の代名詞と言われた。そのためゴーヤはじめ沖縄県民の長寿にあやかろうと、さまざまな飲食物が紹介された。
しかし今はと言うと、女性の平均寿命はまだ一位をキープしているが、男性は1980~85年は1位、90~95年は4位、そして2000年には26位へと急落した。
この背景には、沖縄の食生活が急激に本土並みに変化しメタボ人口も増え、糖尿病や心血管疾患が急増したことがあげられている。そしてこの沖縄クライシスは、15~20年後の日本クライシスの前兆と考えられている。
沖縄県民の食生活が米軍の統率下、無批判に西欧化を受け入れ短時間のうちに様変りしたからだと指摘する学者もいる。又、失業率が日本で最悪で、若年~中年の自殺者が多いことも要因と指摘する学者もいます。

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— posted by 越智邦明 at 02:40 pm  

2011/11/17

このごろ思うこと


超一流のスナイパー「ゴルゴ13」を読んでいて、ふと思ったことがある。
第218話「ロックフォードの野望 謀略の死角」の中で、ローゼン・ザメックがゴルゴに次のような質問をした。「一流のプロ」になるための条件とは?
これに対するゴルゴの答えは「10%の才能、20%の努力、30%の臆病さ、40%の運」であった。私が注目したのは「臆病さ」である。人間はどんな仕事にも慣れてくると臆病でなくなる。そのころに失敗が多い。外科医もそうである。卒後3~4年してくると、虫垂炎いわゆる盲腸のオペも簡単だとうぬぼれてくる。実際にあった話だが、私の先輩(卒後4年目)がバイト先で盲腸のオペを1人で行った。所が虫垂先端が後腹膜に埋没していて取り切れなくなった。そうこうしているうちに麻酔が切れて患者があばれ出し、その際に虫垂動脈を損傷し、腹腔内が血だらけになって救急車で総合病院に運ばれた。今から30年も前の話で、治癒したので訴訟にはならずに済んだ。
もし先輩がいくばくかの臆病さを持っていたらどうだっただろう。きっとオーベン(上の先輩)を連れて行って、安全な手術をしたことだろう。
「臆病さ」はゴルゴの作家「さいとうたかを」氏の人生観だと思う。「臆病さ」は「謙虚さ」とも言い換えられると思う。いつもいつも事に当るときに、新米の時のような謙虚さを持つこと、まさに世阿弥の言う「初心忘るべからず」の境地を大事にしたいと感じているこの頃である。

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— posted by 越智邦明 at 05:40 pm  

2011/11/14

うつと食事


うつ病に対してはカウセリング・内服治療が主体であるが、食事を変えることで、うつの程度を減らそうとしているDr.が居る。日本初の栄養療法専門クリニックの溝口徹院長である。ポイントは「糖質を減らし、タンパク質を増やす」ことである。糖質とはご飯・パン・果物・菓子類など。タンパク質は肉・魚・豆類など。うつ症状に陥らないようにする一番重要なことは、血糖値の変動を小さくすることです。糖質の多い食品を食べると、血糖の上昇につれてインスリンが大量に出る。このときドーパミンやノルアドレナリンといった興奮系の神経伝達物質が過剰に分泌されたり、幸福感などに関するセロトニンの分泌が抑制されたりします。それによってイライラ・不安・眠気といった、うつ症状が出る。タンパク質の場合は血糖上昇が緩やかで、インスリンも急激に出ません。
どうしても糖質をやめられない人には、健康食品のプロテインを食事前に取ると糖質への欲求が抑えられます。それと糖質の前に、タンパク質・食物繊維を取るのが良いと思います。
賢く食べて下さい。

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— posted by 越智邦明 at 05:29 pm  

2011/11/10

ゆうちゃん来訪


2才になってから初めての来訪。ますますしゃべる言葉も増えて、難しいフレーズも難なくこなす。前回いただいたせんべいをみつけて「せんべい」「せんべい」とおいしそうに食べている。数字数えは1から10までやるのだが、必ず「7」が抜ける。「1、2、3、・・・6、8、9、10」。でもよく出来たと拍手してやると得意満面である。
次に聴診器をつけてみんなの健康診断をしてくれたのだが、当てるやいなや「なおった」と神業医師であった。注射器も登場である。
夕方から「温泉に行くか?」と聞いたら「オンセン」「オンセン」と盛り上がり、私と次男と3人で出かけた。ここはホテルの屋上にあり、露天から月を見つけては指をさして「おつきさん」、星をみつけては「キラキラ」、飛行機をみつけては「ブーン」と忙しい。私が体を洗っている間は次男が面倒を見、次に交替してすっかり温泉を堪能したゆうちゃん。風呂上りに売店でびん入り牛乳を買ってやると、一気に飲み干している姿がかわいい。
夕食が終わってくつろぎの時間。次に家内のお琴の部屋にやってきて「ゆうちゃんも」とせがんだ。家内の手ほどきで、きちんと座って爪もつけてもらってお琴の弦を響かせた。はたしてお琴はやるのだろうか?
色々な可能性を秘めた2才児。来るたびの成長を楽しみにしたい。

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— posted by 越智邦明 at 04:21 pm  

2011/11/7

拡張期血圧


下の血圧、つまり拡張期血圧のみが高いのを純拡張期高血圧と言う。高齢者では上の血圧、つまり純収縮期高血圧が一般的であるが、これは若荘年者に多い。さて血圧の上と下、どう違うの?という外来での質問が多い。
人口の高齢化に伴い、収縮期高血圧(収)が注目されるが最初に来るのは拡張期高血圧(拡)であることに注目する必要がある。即ち若年時の純(拡)は、壮年以降の本態性高血圧にほぼ間違いなく進展するということです。従って我々は純拡張期高血圧に十分介入しなければならない。
(拡)は外来血圧は80mmHg以上を言うが、家庭では85mmHgを超えたら診断すべきである。その時に(収)がたとえ正常でも介入の対象です。
さて介入ではまず生活習慣の改善です。肥満の是正、運動負荷、アルコール制限、禁煙、食事(低脂肪、低食塩、野菜や果物の摂取など)の改善が大事です。
肥満は特に要注意です。くれぐれも下の血圧が上がってきたら若くても要注意です。薬は新薬がいくつもあります。

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(追伸)
10月のとある日よう日、すがすがしい秋風のもと、奥道後GCに行きました。写真はインの13番、ショートホールから瀬戸内海を見た次男とのツーショットです。
年に何回か、はるかかなたまでくっきり見える日がありますが、当日がまさにそうでした。次男の230ヤードショットに圧倒された1日でした。いつの間にか世代交代。悲しいかな。

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— posted by 越智邦明 at 04:14 pm  

2011/11/4

禿たん(はげたん)


禿たんと聞いてピンと来る人はかなりの食通である。松山は大街道2丁目のおでん屋「禿たん」。店主、土岐光生さん(73才)とは、もう20年のお付き合いである。義父の英二さんが1948年におでん屋を開店し、土岐さんは27才で後を継ぎ46年間、妻の和佳子さんとがんばってきた。その禿たんが10月31日で店を閉じるというニュースは、10月25日号の愛媛新聞でも顔写真入りで大きく取り上げられたので見た方は多いと思う。南海放送のもぎたてにもよく登場した。この店は県産のサトイモ、ジャガイモ、レンコン、イイダコなど30品以上の具をそろえて、とてもダシが染み込んでおいしかった。私は特製「手羽先ぎょうざ」が大好きであった。又、もう一つの特徴は店内に秋山好古・真之兄弟の書や正岡子規のはがきなど先代から集めた貴重な収集物が壁に所狭しと貼ってある。
この店で私は多くの方と出会い、今もつきあいは続いている。
さて、その最終日31日、満を持して訪れた。最後を見ようと大勢の客が入っていた。7時になると夫婦連れの人が入ってきたが、大将が「すみません、一杯で」というのに対し、周りの客が「何とか詰めて入ったら」と入れてあげ、本当にギュウギュウの満席となった。みんな口々に「寂しくなる」を繰り返し、数々の大将との想い出を語っていた。
おでんとビールを飲みながら、大将土岐さんそして奥様の最後の勇姿を写真に納めた私は、10時「これからはお二人共、健康に留意されて長生きして下さい」と握手して別れを告げた。
「いつか終わりは来るのだ」と自分に言い聞かせながら。
(追伸)
家内がどうしても最後のおでんを食べたいと言うのでタッパー持参で行きました。たくさんの具を入れていただいて持ち帰り、家内が大喜びだったのは言うまでもありません。土岐さんありがとう。


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— posted by 越智邦明 at 04:57 pm  

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