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越智クリニック
 
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2012/3/29

怖い50代のジョギング


経済紙「プレジデント」の元編集長・樺島弘文氏(56)の急死には驚いた。栃木県在住であったが、3月20日の昼過ぎに家族に「自転車で2時間ほど走ってくる」と言い残しロードレース用自転車に乗って出かけた。午後1時10分頃、用水路に転落しているところを発見されたが搬送先の病院で死亡が確認された。解剖で「急性虚血性心不全」と発表された。
この病名は要するに心臓の血管が詰まって心筋梗塞を起こし心臓が止まってしまったと言うことである。50代、60代の人に多く、原因は高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満、タバコ等があげられる。
現在、糖尿病や高血圧の運動療法の必要性が叫ばれ、我々も患者さんに運動を勧めるが、中高年には絶対にジョギングは勧めない。それは20年ほど前に米国で中高年の方のジョギング中の急性心不全が次々と発症し、むしろ禁止条項になっている。そのためウォーキングや水泳を勧めるようになった。中高年の方で持病のある方は絶対に無理な運動をしないようにして下さい。

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— posted by 越智邦明 at 01:00 pm  

2012/3/26

アルコール


アルコール性肝障害の患者は実に多い。
アルコールの過飲により最初に起こる疾患は脂肪肝であり、大量飲酒者のほとんどに認められる。日本酒換算で1日5合を1週間続けただけで惹起されるが、2~4週間の断酒で消失する。アルコール性肝硬変は日本酒1日5合を20~30年続けると多発する。
さて疫学的に面白いのは、アルコール性肝障害は男性と女性、どちらがなりやすいと思いますか?最新の論文では同量の飲酒量で比べると女性の方が有意に起こりやすいのです。アルコール性肝硬変患者についても入院時の平均年齢は男性61.3才、女性55.6才と女性が有意に若いとあります。
治療の基本は何といっても断酒です。そしてアルコール性肝障害は栄養障害を伴っていることが多く、栄養指導も重要です。特にビタミンBの補給は重要とされます。
医師は節酒や断酒の啓発活動に努めるべきだとありました。

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— posted by 越智邦明 at 06:15 pm  

2012/3/22

たかが更年期障害


元タレントの山口美江さんが51才という若さで亡くなった。ファンの方は驚いたと思う。
3月8日に横浜の自宅で死体で発見され、死因は心不全であった。
周りの人の話によると、2月から息切れ、動悸、食欲不振に悩み、更年期障害と診断されていたと言う。
更年期障害は女性特有の症状で動脈硬化を抑える女性ホルモンの分泌が減少する症状です。女性ホルモンが減るため血管が硬くなり血塊が出来やすくなる。その結果、心筋梗塞や不整脈を引き起こします。
早い人は30代後半に始まり50代前半まで続くこの病気。治療はホルモンの注射や内服、漢方薬、プラセンタ等さまざまあるが、ホルモン剤は発癌の問題もあるので慎重な投与が必要である。
肥満も要注意であるが、動悸、息切れには更なる循環器系の精査が必要です。
たかが「更年期」と侮らないことが肝心です。

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— posted by 越智邦明 at 04:34 pm  

2012/3/19

フクロウ


「フクロウ」(その歴史・文化・生態)(デズモンド・モリス著)を読んでみた。モリスは知る人ぞ知る動物行動学者である。40年前、日本でベストセラーになった生物学的人間論「裸のサル」の著者である。
フクロウは古代ギリシャでは女神アテナの従者であり「森の賢者」と称されるなど、知恵の象徴とされている。
日本では昔は不吉なものとされたが、現在では「不苦労」「福郎」のゴロ合わせから福を呼ぶものと言われている。アイヌではシマフクロウを守護神コタンコロカムイとして、エゾフクロウを猟運の神として崇めている。
映画「ハリー・ポッター」でもフクロウは重要な登場人物(?)で、子供から大人まで誰でも親しみ深い存在であるが、フクロウはなぜ人に好かれるのだろう?フクロウが多くの人を魅了する理由のひとつは、その顔が人間に似ているからである。スズメやカラスの目が横についているのに対しフクロウの目は正面を向いてついているからである。
フクロウの生態を少し調べてみた。フクロウの眼球は眼窩に固定されていて眼球を動かせない。その代り、頭を自由に回転させる。フクロウは遠目が利くが、逆に数10cm以内ははっきり見えない。フクロウの目の感度は人間の100倍。そのため対象までの正確な距離を把握できる。両耳は耳穴が左右でずれた位置に存在し、奥行きも違っている。左右非対称のため音源の方向を立体的に認識できる。またパラボラ型の顔面の羽毛が対象の発するわずかな音を集め聴覚を助ける役目をしている。
暗所に強い目と驚異的な聴力がフクロウの夜間ハンティングを可能にしているのです。
またフクロウの羽毛は柔らかく風切羽の周囲には綿毛が生え、はばたきの音を和らげる効果があるため、ほとんど音を立てることなく飛行できます。
下の絵はフクロウ好きの私に娘が送ってくれた携帯ストラップです。

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— posted by 越智邦明 at 12:45 pm  

2012/3/15

計画は早め


ホンダ技研工業の創業者、本田宗一郎氏の言葉に「発明考案にしても、人より1分でも1秒でも早ければ特許になる。すべてはスピード。スピードを否定したら、発明的創意工夫もなくなる。努力はしたが結果はダメだったでは、努力したことにはならない」とある。
倫理の本を読んでいて非常に感銘を受けた一文があったので以下に紹介したい。
「何事も締め切り期日は、予定より早く設定しろ。『ちょうど良いは危うし、早めでちょうど良し』だ。予定や計画はスムーズに事が運ぶことを想定して立てる。世の中には順調に行かないことのほうが多く、思い通りにいかないものだ。特に今は世の中が激変している。何が起きるかわからない。少しでもトラブルやアクシデントがあると計画は崩れ、目標には到達しない。『アクシデントのためにできませんでした』は理由にはならない。期日や時間に余裕を持つと心にも余裕が生まれ失敗しないものだ。余裕がないから焦って失敗する。明日できることでも今日のうちに処理できるならば今日やれ」と。
当院でも約束の時間には絶対に遅れないように指導教育しています。「道が混んでた」「タクシーが来なかった」等の理由は一切受けつけません。「人を待たせるのではなくて、自分が待て」が当院の理念です。

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— posted by 越智邦明 at 04:45 pm  

2012/3/12

創立記念日


昨日3月11日は当院の創立25周年であった。
奇しくも震災の日と重なってしまったが、それだけに復興への思い入れは誰よりも強くなった。義父の後藤田内科開業が昭和43年であるから、創立44周年ということにもなる。44年間ずっと来院してくれている方も多い。感謝すると共に、高齢化したこの方達が1日でも長生きできるように努力を続けたい。
目標の30周年まで元気で頑張りたいと願っています。応援よろしくお願いします。

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— posted by 越智邦明 at 02:24 pm  

2012/3/8

オットセイ


オットセイは一頭のオスが多数のメスとハーレムを形成することで有名である。メスをめぐる戦いに敗れたオスはまとまって群れを作って生活する。若いオスでは、戦いに敗れても戦いのトレーニングを積み、体格が大きくなるまで待ちリベンジする場合もあるが、多くのオスは再チャレンジする気力を失い、メスとの交尾の機会を持てずに同性の集団生活において生涯を終える。
この一夫多妻制は、動物界ではチンパンジー、ゴリラ、トナカイ、ゾウアザラシなどたくさんある。戦いに勝ち残ったオスの遺伝子が次の世代、さらに次の世代と受け継がれてゆくので、一夫多妻制の動物では、オスは戦いに強い体形となる特徴が見られる。ゴリラではオスの体重はメスの2倍、ゾウアザラシでは7倍になるという。
人間では、後期旧石器時代までは一夫多妻制が普通だったそうです。
よく男性患者さんで「一度でいいからハーレムやってみたい」と言う人がいるが、自然界ではライバルのオスとの命をかけた戦いに勝ち残らなくてはいけないので甘くはないようです。

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(追伸)
いよいよ3月11日の創立25周年記念日が近づいてきました。
ゆうちゃんにもお祝いして欲しいのですが・・・。
最近の写真を掲載します。
ぶらんこに乗って何がおかしかったのでしょうか?
南楽園の梅もきれい。ゆうちゃんのヘアーもきれいになりました。

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— posted by 越智邦明 at 06:20 pm  

2012/3/5


服飾評論家の故・落合正勝氏の持論は「おしゃれを心がけるなら、まずは靴から投資しなさい」でした。
パーティー等でどんなに着飾っても靴のセンスが悪いとがっかりすることは良くあります。女性週刊誌等で芸能人のファッション評論をよく見かけますが、頭の先から靴までしっかり論じてますね。
さて革靴の歴史は2008年にアルメニアで発見された紀元前3500年頃のものでした。その後、エジプトやギリシャ、ローマなど温暖な地で文明が栄えたため、開放的なサンダルが全盛期を迎えました。足をすっぽり包む革靴を定着させたのは、ゲルマン人やバイキングなど寒い地方の民族です。
今では当たり前の“かかと”は中世までは常に付いておらず、雨の日などにわざわざ木製のかかとを装着するようなことをしていました。
それが17世紀、英国のオリバー・クロムウェルが彼の率いるニューモデル軍の兵士にかかとを初めから装着した軍靴を履かせました。これがかかとの発祥です。
そのため英中部のノーサンプトンは靴産業が発展し、今でも「靴の聖地」として知られています。
ちなみに、写真のくつはゆうちゃんのです。

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— posted by 越智邦明 at 12:49 pm  

2012/3/1

同級会


母校、東医歯大のA組同級会に今年も2月25日に行ってきた。今回は日本橋の三越本店の近くにある「好の笹」というふぐ料理店で行われた。A組26人のうち13人出席だから、かなり高率の出席である。いつも幹事をしてくれる耳鼻科医の大木君にまずは感謝である。
料理を食べながらの恒例の自己紹介がいつも楽しみである。耳鼻科開業医のI君は年間ゴルフ回数が一昨年の72回から昨年は86回と増えたという。4日に1回はゴルフ場に居るシングルのゴルフ狂である。
小児科開業医のHさんは昨年、3人居たナースが全員辞めてピンチになったが、何とか持ちこたえたと話した。これに対して同じく小児科開業医I君も「僕も4年前に同じ目にあった。その気持ち良くわかる」と相槌を打っていた。
某大学で神経内科の教授をしているO君は「自分の研究より医局員の博士論文の手伝いが大変だ。ここの大学は自分でやる力がないが、母校の医局員は優秀だ」と、ため息混じりで話していた。
不妊治療専門医のO君は「関東はとても希望者が多く、自分の高給に満足している。産科での夜間の呼び出しもなく現在のQOLは最高である。今の病院の妊娠成功最高年齢は45才であるが、某国会議員のような高齢出産は医者がストップをかけるべきだ。」と持論を展開していた。「産科医はハードで訴訟も多いためそれが嫌でみんな辞めてこの病院に来て総勢5人も居る。医師不足と言ってもこんな所に溜まっているんだよ」と。
泌尿器科のK君は前立腺癌のプロであるが最近視力が落ち、老眼鏡更には拡大鏡も駆使して何とかopeをしていると。外科系のみんなから視力の衰えを嘆く声が一斉に上がった。
私の番になって、頭の健康のために1~2ヵ月に1回麻雀をしていること、しかし関西なので4人でなく3人打ちだと話したら、かつて雀鬼だったI君が「すると座る卓は三角形をしているのか?」と真顔で尋ねてきたのには驚いた。所変われば品変るである。
他の同級生の話の中で一番多かった不満は、現在の研修制度である。厚労省が医局制度を廃止したため卒業生が大学に残らず、自分の腕を磨ける都会の専門病院に流れた。その結果、全国の大学病院医局に人が足らず、従来、派遣していた地域病院に人が出せなくなり「引き上げ」という言葉をマスコミが使っている。あたかも大学が悪いような書き方だがこれは厚労省の大きなミスであり、何らかの手を打たないと地域特に僻地医療は完全に崩壊してしまうとみんな口々に叫んでいた。「この点を批判する大マスコミが現れないのは何故なんだろう?」と。
最後に恒例の記念写真を撮って来年の再開を約束してお開きとなった。

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— posted by 越智邦明 at 05:49 pm  

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