Created in 0.0277 sec.
 
越智クリニック
 
T:0166 Y:1658 Total:2888279 Online:11
カレンダー
<< 2024.9 >>
SMTWTFS
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
 
2008/5/19

食の安全


「船場吉兆」の問題を考えてみたい。
この「残飯使い回し」は客を客とも思わない外食作業のモラルの低さを浮き彫りにした。
我々医療人は例えば外科手術に入るとき、手指の消毒を2回徹底的に行う。患者さんへ一匹の菌でも侵入させてはならないという当然の理屈である。消費者問題を研究している専門家は口を揃えて次のように言う。生ビールと称して発泡酒を出す、天然ウナギと称して養殖物を出す、食べ残しのチャーハンは鍋に集めて炒め直す、からおけスナックのつまみは何度も出し直す、等々あきれるほどである。現在の所、こういう悪業を取り締まる法律がないと言う。それは前例がなかったからだろう。
ここは法改正してでも、国民の食の安全を早急に確保すべきだと思う。

— posted by 越智邦明 at 07:49 am  

2008/5/16

禁煙のすすめ


喫煙は癌や循環器疾患の重大な背景因子であるが、今日は歯周病について語りたい。
喫煙が糖尿病と並んで歯周病のリスクファクターであることが最近の研究でわかってきた。
日本歯科医師会が1989年に8020運動(80才で20歯を口腔内に残そう)を提唱して20年経った現在では、80才で20歯を持っている方が20%を超えている。この%を増やすための努力として歯周病を進行させないことが肝要であるが、それにはまず禁煙である。すでに欧米諸国ではかなり前からタバコの外箱に歯周病の写真を印刷して、喫煙は口腔疾患の原因になるとの警告を行っている。
どうかみなさん年を経って入れ歯にならないように若いうちから努力して下さい。
インプラントは高くつきますよ。

— posted by 越智邦明 at 05:17 pm  

2008/5/12

イチゴ


病院の屋上にイチゴが赤い実をつけました。ナース水本のおかげです。嬉しいものです。
さてイチゴの生食消費量は日本が世界1位です。日本にイチゴが伝わったのは江戸末期。オランダ人によって持ち込まれたのが始まりです。本格的な栽培が始まったのは第2次大戦後。昭和25年にアメリカから「ダナー」という品種のイチゴが入ってきてからである。
さて日本の中で最もイチゴを食べているのは、さいたま市。2位は宇都宮市。埼玉県は水田の裏作としてダナー種をいち早く導入し、味の良さや東京市場に近い好条件もあって現在の地位にあります。「とちおとめ」や「女峰」を中心に出荷しています。さいたま市はイチゴのほかにケーキの消費量も全国トップ。ケーキにイチゴは欠かせないからか・・・。

— posted by 越智邦明 at 11:32 am  

2008/5/8

ODA(政府開発援助)


今でこそ日本は発展途上国に多額の援助を行っているが第2次世界大戦後の日本の復興は世界各国からのODAに負うところが大だったのをみなさん知っていますか。
その中にはメキシコ、チリ、ブラジル、アルゼンチン、ペルーといった今日、発展途上国とされる国々も多く含まれていた。
今では知る人も皆無に近いが東海道新幹線、東名高速道路、更には黒四ダムも実はみんなODAによって建設されたものだったのです。
今、「ODAを削減しろ」という声が国の財政難の折、叫ばれることが多いですが、昔の日本の受けた恩義を決して忘れてはならないと思います。

明日は我が身なのですから。

— posted by 越智邦明 at 07:42 am  

2008/5/1

コカ・コーラ


皆さんはアメリカ原産の国民的清涼飲料水であるコカ・コーラのルーツを知っていますか?
その前にペルーの国旗について触れたい。ペルーの国旗の中央の紋章は、左にラマ、右にコカノキとそれぞれペルー特産の動植物が描かれ、その下は財宝で豊かな鉱物資源を表している。さてコカノキの葉から抽出したアルカロイドがコカインである。18世紀後半にイタリア人科学者マリアーニが、ヴィン・マリアーニを作った。これはワインにコカの葉からの抽出物を入れた「コカイン入りワイン」で疲労回復、精神の高揚等で人気を博し、ローマ法王はじめヨーロッパで大流行した。1886年、ペンバートンはヴィン・マリアーニを模倣し、コカの葉からのエキスとワインを混合し香料などを添加したリキュールをフレンチ・コカと称して販売した。これを炭酸水で薄めて現在のコカ・コーラが誕生した。
「コーラ」はアフリカ原産の高木でその果実コーラ・ナッツには種子にカフェインが含有されている。であるから初期のコカ・コーラはアルコール、コカインとカフェインの入り混じった中核興奮性の強力な飲み物であった。その後、禁酒法の洗礼を受けコカインとコーラ・ナッツ、アルコールを抜いて現在に至っている。一世紀もの間、販売され続けている不思議な飲み物なのです。

— posted by 越智邦明 at 09:45 am  

2008/4/28

特定健診の疑問


4月より40~74才の男女が対象の特定健診がスタートした。メタボリック症候群の予防を目的と言うがいくつかの疑問がある。①ひと口に腹囲85cmと言っても身長160cmの人と185cmの人では条件が違うのではないか?②積極的支援に該当した人は経済的負担を被ることになる。高血圧の人は降下剤を飲むように指導される。③特定健診はペナルティーとセットである。厚労省は各健保組合に組合員のメタボを減らす目標値を掲げさせて、達成できないと後期高齢者の医療費への負担金を最大10%増やす。組合はメタボの組合員に指導を受けろと指示し、その指導を拒否するサラリーマンは、非国民扱いされ給料の査定に響くことになる。更に、改善しない人が社内で「お前のせいで健保の保険料が増えた」といじめられることが考えられる。
こうした「メタボいじめ」が小学生に浸透すると、大変な問題になる。
どうやら特定健診は国民の健康増進が第一と国は言うが、本音は糖尿病などの芽を摘んでおこうという医療費削減策ではないのだろうか。

— posted by 越智邦明 at 04:03 pm  

2008/4/24

江戸時代の医療史(3)


江戸時代には「健康」という言葉はなく、健康で長生きする生き方を「養生」と言っていた。そして養生ブームから数々の錦絵が出回った。いずれの絵も体の内部の五臓六腑を示し、細かい文字で病気の注意を記している。この養生文化の先駆けとなったのが今から300年前に出版された貝原益軒の「養生訓」である。今年の第102回医師国家試験にも貝原の名前を問う問題が出題されている。「養生訓」には一つ一つの病気についての記述はなく、どうしたら長生きできるかという、今日流にいえば、予防医学あるいは健康医学の書なのである。益軒は「病(やまい)なき時 かねてつつしめば 病なし」と説いている。「かねてつつしめば」というのが今日の用語でいう「予防」である。4月に始まった「特定健診」に代表されるように、現代医学が健康医学へ大きく舵を切ったことはまさに「歴史は繰り返す」のである。生活習慣病を最初に取り上げた貝原益軒の「養生訓」は日本最初の「健康医学原論」ともいえるのです。   (おわり)

— posted by 越智邦明 at 04:12 pm  

2008/4/17

江戸時代の医療史(2)


病人のみんな見て置く医者の癖
往診で呼ばれた家で患者ばかりでなく頼まれもしないのに居合わせた子供や年寄りの顔色や脈を見ておく。こうした情感こそ、今日言われている在宅医療の原点ではないでしょうか?

さて、私の手元にある「江戸名所図会(ずえ)」の見出しに「本町薬種店」とあります。日本橋本町には「薬種」と書いた大きな袋の看板が数多く掛かっていて日本の医療の大衆化を物語っています。江戸のショッピング・ガイドブック「江戸買物独案内(ひとりあんない)」にある合計2,622軒の商店のうち売薬屋が207軒、薬種屋が50軒、つまり10軒に1軒は薬屋ということで江戸は薬屋だらけの町だったようです。薬づくりが産業化され芝居にまで薬のコマーシャルが現れた、とあります。本町通りは当時のトップ企業のストリートでありました。  (つづく)

— posted by 越智邦明 at 04:16 pm  

2008/4/10

江戸時代の医療史(1)


大陸からの仏教文化が伝来したとき中国医学が流入し寺院を中心に医療がすすめられたが、それは支配階級の医療であった。医療の大衆化がはじまったのは江戸時代である。江戸時代は医者になるのに今日と違ってライセンスはいらなかった。看板さえかければだれでもなれた。それだけに医業は何より「評判」だった。上手だという評判がたつと流行医になれ駕籠(かご)に乗って往診できるようになる。それに対して下手で、はやらない医者のことを藪医者といった。川柳に次のようなものがある。
流行医(はやりい)のさめぬ着物を又着替え
流行医者は家に帰ったかと思うとすぐに声がかかり又着替えて往診に出ていった。今日のような病院のなかった江戸時代は医者が病人の家に往診するのが普通であり、名高い杉田玄白も毎日のように往診していたのである。
もう一つ川柳。
医者の門、四五軒起きるほど 叩き
病人が出たので慌てて医者の家に駆け付け、往診を頼むため門を大きな音をたてて叩いている光景である。
私も20年前から往診しているが、これが医療の原点なのだと改めて痛感している次第である。
(つづく)

— posted by 越智邦明 at 11:16 am  

2008/4/3

ゴルゴ13


くに~ず新聞第2号で書いたように私の好きな漫画は「ゴルゴ13」だ。この世に出て今年11月に連載40周年を迎える。
TVアニメ版「ゴルゴ13」が放映される今年は我々ゴルゴ族にはたまらない年である。40周年を記念してこのたび小学館より「各界著名人セレクションBEST13 of ゴルゴ13」なる本が出版され、早速娘婿の山内君が当院21周年のお祝いにと進呈してくれた。舘ひろし、谷垣禎一、真鍋かをり等各界の著名人13人が各々1話を選びかつその理由を語っています。1356ページという膨大な本ですが、500話を超えるゴルゴ13の全体からみるとほんの1部です。是非この本(1900円)を手にして、さいとう・たかを先生のファンになっていただきたいものです。

— posted by 越智邦明 at 07:48 am  

Copyright 2007 越智クリニック. All rights reserved.  ppBlog is Free & wonderful Software.