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越智クリニック
 
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2008/11/8

情動的ストレス


心の状態と病気の発生は関連がある。地震や戦争時は心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患だけでなく心筋梗塞や突然死の発生が増加する。
それではスポーツ観戦などの興奮といった情動的ストレスではどうだろう?ここに面白い海外文献データがある。2006年に開催されたFIFAワールドカップサッカードイツ大会期間中にミュンヘン地方の救急病院に搬送された心・血管病患者を対象に調査が行われた。31日間の期間中、ドイツチームの試合が行われた7日間とドイツチーム以外の試合が行われた24日間及び例年同月間の3期間に分け患者数を比較検討した。するとドイツチームの試合があった7日間は他の2期間に比べて圧倒的に搬送患者が多く、例年同月間の平均2.7倍もの患者発生率であった。特に男性や過去に心臓病を持っている人がより危険性が高かった。そして予選リーグより決勝トーナメントで明らかに患者数が多く、接戦で緊迫した準々、準決勝で最も患者が多かった。
この結果は過度の情動ストレスは心・血管病発生につながることを示している。ストレスホルモンが原因と言われている。
野球ファンの皆さん、特にGファンには今年のようなハラハラドキドキの試合の連続は心臓によくないと思われます。患者さんを増やさないように来年は原監督、頼みますよ。

— posted by 越智邦明 at 04:01 pm  

2008/11/7

診察室(その1)


ある入院患者(男性)が、夕食の時に胸を叩いて苦しみ出した。あわてて駆けつけた。何かがつまっているようだ。緊急内視鏡を行った所、何とレンコンが食道にピタッとはりついている。かなりの大きさで、よくかまないで飲みこんだようだ。救急病院へ搬送したが相当難渋して取れそうもないとの一報。その後、結局胃カメラの生検鉗子で少しずつかじっていって、小さくなって下へ落ちたと報告を受けた。高価な生検鉗子がそのために3本ダメになって婦長から厭味を散々言われたと後日Dr.から聞いた。申し訳なく思う。イモ類等は水で柔らかくなって下へ落とせるが、レンコンはそうはいかない。私もいい勉強になった。レンコンを食べるたびに注意するようになったのは言うまでもない。

— posted by 越智邦明 at 03:46 pm  

2008/11/6

映画


1988年に産声をあげた「釣りバカ日誌」はもう知らない人は居ないでしょう。3日(文化の日)に最新作19号を観て来ました。今回のロケ地は大分県。私の従弟が住んでいる佐伯市の漁港が舞台で「いつも干物やらを送ってくれる従弟はこんな美しい海に住んでいるんだ」と改めて感激し、帰宅するなり手紙を出しました。今回は西田敏行扮するハマちゃんが胃カメラを飲むハメとなり、そのドタバタ劇が医者の私も抱腹絶倒でした。いやあハマちゃんはやっぱり面白い。浅田美代子もみち子さん役がはまってきたし、スーさん役の三国連太郎も長生きして欲しいものです。そしてゲストの常盤貴子は非常に美しい女性であると改めて感嘆した次第です。兄貴役の竹内力もいつものヤクザ並みの貫録!とにかく元気と希望をたくさんもらいました。
みなさん是非ストレス発散に御覧下さい。

— posted by 越智邦明 at 07:42 pm  

2008/11/5

結婚式


当院看護師の武田さんが結婚した。
式は11月2日、白水台のグリーンカーメルにて行われた。教会で、賛美歌312番(いつくしみ深き・・・)を歌うたびに、罪多い私は心の洗浄を受け、せつなく感じるのは毎度の事だ。神父さんのお言葉がいつになく心に響くのは私の心がより汚れているためだと真剣に聴く。
披露宴になって私は2番目の新婦側代表のスピーチ。8年間の新婦の足跡を想い起こしながら、熱弁をふるった。私の想いが果たして彼女に通じたかどうかは定かではない。
宴も進み、越智クリニックチームでの余興が行われた。みんな日頃の成果が出て大成功だ。これをみると当院のチームワークの良さがにじみ出ていて新婦も大変喜んでいた。
新郎もとてもやさしい好青年で毎度ながら2人の幸せを心より祈った。
新婚旅行はギリシャ、ドイツだと聞いた。武田さんの今後の活躍を期待してやまない。尚、花嫁の晴れ姿は院内1Fに飾ってあります。是非御覧下さい。

— posted by 越智邦明 at 05:33 pm  

2008/11/4

医学の進歩


どの分野もすさまじい進歩であるが、糖尿病の分野もめまぐるしい。
最近、ローマで開かれた欧州糖尿病学会。参加者は1万8000人という大きな会です。その中で注目すべき発表がありました。現在、糖尿病の治療で重症例にはインスリン自己注射が行われていますが、「注射」に抵抗を感ずる人が多いのも事実です。昔から「インスリンの飲み薬はないのか?」という質問も多く寄せられています。
今回の学会で英国のBroke-Smith Dr.から経口インスリンカプセルを臨床応用した報告が行われました。経口インスリンカプセル150単位を朝食60分前に10日間飲んでもらった所、HbA1C、体重、中性脂肪が有意に改善したそうです。心配な低血糖はありませんでした。
今後、この研究が更に進んで、「飲むインスリン」が一般化されるよう願ってやみません。

— posted by 越智邦明 at 04:34 pm  

2008/10/30

法医学


日陰の領域であるが犯罪に於いて着実な進歩を遂げている。
犯行現場に残ったわずかの血痕らしきものから法医学の出番となる。まずこの斑痕が本当に血液かどうか。今はロイコマラカイト緑法を行い、これが陽性なら血痕といえる。次にこの血痕が人血なのか犬や猫などのペットの血なのか。これは免疫クロマト法で判断できる。人血痕と分かった場合、ABO型の鑑別は容易である。更にその先、この血が男か女か。現在、XおよびY染色体のDNA配列や遺伝子座の研究により、単繊維の1mmからでも性別判断が可能だという。希釈血液では10万倍希釈でも判断できるというからすごいものだ。更に血痕が妊婦血や月経血かどうかも分かると言う。
地味な研究ではあるが、これらの研究が確実に犯人検挙につながっていく。悪人達よ、もう逃げられないぞ!

— posted by 越智邦明 at 03:40 pm  

2008/10/27

男と女


幼少時より「どうして母親はおしゃべりなんだろう。父親はあまりしゃべらないのに。」という疑問を抱いていた。(今でもそうだが)友人との電話も2時間なんていうのはザラで3~4時間もしゃべり、さすがに親父が怒ったのを覚えている。男と女。そう言えばと、本棚にあった2000年のベストセラー「話を聞かない男、地図が読めない女」(角川書店)をもう1度、ひもといてみた。何ヶ所か拾ってみよう。「おしゃべりとショッピングは女にとって同じものだーどちらも明確な目的はないし何時間もだらだらと続く。これらは女にとってリラックス法であり元気快復剤である」と。
それから男は何か考え事をしていると無口になるが、これに対しても本文には「ねえ、ちょっと、何を考えているのか聞かせてよ。しゃべればあなたもすっきりするから!」と夫や息子を促すのはほかならぬ自分が話すとすっきりするからだと説明している。私もそうだが男は解決の糸口が見つかるまでは、ひとりにしてもらいたいもの。ロダン作の有名な彫刻「考える人」は男の象徴である。ロダンが女の彫刻を作ったなら、タイトルは「しゃべる人」になると指摘する。男は石に腰かけて考えこむ時間が必要なのです。その所を女は理解して欲しい。
また折にふれてこの続きを書いてみたい。

— posted by 越智邦明 at 04:44 pm  

2008/10/23

サケ


私はコンビニのおにぎりでタラコに並んでサケが好きです。皆さん、現在日本の市場に並んでいるサケはどこから来ていると思いますか?
その前にサケは海まで戻らずそのまま淡水の湖沼にとどまって成熟するとこれが白身の「マス」となる。逆に「マス」を海に放てば「サケ」になる。海に出たサケは天然のエビやカニを食べ、その色素を蓄えて赤く染まるのです。養殖の場合はこれを飼料で補う必要があります。
さて現在日本のスーパーで当たり前に並んでいるのは地球のちょうど裏側にあたる南米の国、チリ産なのです。日本は1970年代からチリでサケ放流事業を17年間やったがうまく行かなかった。そもそもサケは南半球には存在しない魚だったのです。ところがチリ政府は、独自に養殖をはじめこれが大成功。そして民間に払い下げたのを買収したのがニッスイ(日本水産)でした。チリ南部の南極海に近い美しいリアス式海岸の沖合に1万8000㎡のいけすを作っています。これが刺身に冷凍加工され、弁当やおにぎりの具材の定番となっています。日本の食料は地球の裏側から補完されているのです。

— posted by 越智邦明 at 04:55 pm  

2008/10/20

診察室


開業医のブログらしく時々は生の症例を呈示してみたいと思う。21年間には驚くような症例にも遭遇した。
(その1)
80才 女性。主訴は血便。朝から肛門が痛く新鮮な出血があると言う。痛みがあることから第一に外痔核を念頭に肛門鏡を入れた。何と、魚の骨が刺さっている!摘除するのに苦労するほど食込んでいた。聞くと、前の夜、お祝いがあって鯛を食べたとの事。のみ込んだ鯛の骨がどこにも刺さらず最後の出口、肛門に刺さった訳だ。摘除の瞬間から痛みがとれて感謝された。鯛は気を付けて食べて下さい。
(その2)
58才 男性。体重が減少し口渇がある。糖尿病とまず診断はついた。検査値は血糖362mg/dl、HbA1c10.5%でインスリン治療の適応と思われたが、エコーで膵臓の腫大を認めた。念のためにCTを依頼した。返事は膵臓癌。それから1年足らずで亡くなった。生命保険嫌いで、ひとつも加入していなかった。妻の泣く姿がいまだに忘れられない。

— posted by 越智邦明 at 04:02 pm  

2008/10/17

診察室こぼれ話


21年も外来をやっていると面白い会話が飛び交う。そのいくつかを紹介しよう。
(その1)80才 女性。「風邪をひかれたそうですが、頭痛はありませんか?」「いや、頭痛はないけど頭が痛くてかなわん。何とかして下さい。」「・・・・」
(その2)86才 女性。いつも外来での血圧が高く、白衣高血圧となるので「血圧を測る時は自分にリラックス、リラックスと言いきかせて下さいね」「はい、分かりました。デラックス、デラックス」「・・・・」
(その3)85才 女性。ピロリ菌感染症の患者。「もうピロリ菌の薬は飲み終えましたか?」「はい、ピノキオ菌は死んだと思います。」「・・・・」
(その4)46才 男性。アルコール性肝炎の患者。「大分肝機能が落ち着いてきましたね」「淡麗(ビール、500ml)4本/日 しか飲んでいませんからね」「・・・・」
その他多くの逸話があります。ナースといつも苦笑です。又、折に触れて御紹介します。

— posted by 越智邦明 at 09:27 am  

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