どの分野もすさまじい進歩であるが、糖尿病の分野もめまぐるしい。
最近、ローマで開かれた欧州糖尿病学会。参加者は1万8000人という大きな会です。その中で注目すべき発表がありました。現在、糖尿病の治療で重症例にはインスリン自己注射が行われていますが、「注射」に抵抗を感ずる人が多いのも事実です。昔から「インスリンの飲み薬はないのか?」という質問も多く寄せられています。
今回の学会で英国のBroke-Smith Dr.から経口インスリンカプセルを臨床応用した報告が行われました。経口インスリンカプセル150単位を朝食60分前に10日間飲んでもらった所、HbA1C、体重、中性脂肪が有意に改善したそうです。心配な低血糖はありませんでした。
今後、この研究が更に進んで、「飲むインスリン」が一般化されるよう願ってやみません。