最近、「タバコやめた?」「いや軽いヤツに換えたから大丈夫」という会話をよく耳にします。医学的にどうなのか?九州大の中西教授の論文から引用してみよう。長期喫煙者が強いタバコから低タールタバコに換えると吸入されるニコチン量は確かに少ないが、煙をより深く吸い込みより長く肺に留めておくように喫煙行動が変化し、それにより末梢肺にまでこれらの発癌物質が到達し末梢発生型の腺癌のリスクを高めるそうです。2007年の第12回世界肺癌会議の報告をみると、米国では低タールフィルター付きタバコの利用が増えるにつれ腺癌が増加していることが明らかになったそうです。
次に「受動喫煙」即ち自分は吸わないが夫をはじめ周囲の喫煙者の吐いた煙を吸うことの害であるが、重喫煙者の妻が肺癌になりやすいことは1980年代に既に報告されています。最近の調査では夫が非喫煙者である女性に比べ、夫が喫煙者である女性では肺癌のリスクが1.3倍高かったそうです。
タバコには50種類以上の発癌物質が存在し、特にベンゾピレンとニトロソアミンは強力です。
タバコはやはり百害あって一利なしです。