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2009/1/27

インフルエンザあれこれ


現在、インフルエンザが大流行している。当院では例年の如く、学生が圧倒的に多い。今年もワクチン接種組はほとんどかかっていない。ワクチンは毎年、流行予測株を厚労省指導下に作り、実施しているが少なくともこの10年、この「予測」は的中していると思う。それと、よく質問のある「ワクチンは1回?2回?」だが、今年も2回の人はかかっていないが1回の人は数人かかっている。しかし全くしていない人に比べ1回でもしておけば、回復は早いのも事実です。治療薬は「タミフル」と「リレンザ」がありますが、TV等で報道されているようにAソ連型の98%にタミフルの効かない「タミフル耐性」が出現して困っています。(総数の1/3)。さてインフルエンザの流行はと言うと、20世紀はスペイン風邪(1918年)、アジア風邪(1957年)、香港風邪(1968年)と3回発生した。「A香港型」は香港風邪、「Aソ連型」はスペイン風邪のそれぞれ子孫に当たる。
今後、新型インフルエンザが出現して万が一、特効薬が開発されていない事態になればパンデミック(世界的大流行)が起きます。いずれにしても「ワクチン」と名のつくものはインフルエンザに限らず受けておくのが賢明な選択だと思います。
備えあれば憂いなし!

— posted by 越智邦明 at 11:08 am  

2009/1/26

喫煙


最近、「タバコやめた?」「いや軽いヤツに換えたから大丈夫」という会話をよく耳にします。医学的にどうなのか?九州大の中西教授の論文から引用してみよう。長期喫煙者が強いタバコから低タールタバコに換えると吸入されるニコチン量は確かに少ないが、煙をより深く吸い込みより長く肺に留めておくように喫煙行動が変化し、それにより末梢肺にまでこれらの発癌物質が到達し末梢発生型の腺癌のリスクを高めるそうです。2007年の第12回世界肺癌会議の報告をみると、米国では低タールフィルター付きタバコの利用が増えるにつれ腺癌が増加していることが明らかになったそうです。
次に「受動喫煙」即ち自分は吸わないが夫をはじめ周囲の喫煙者の吐いた煙を吸うことの害であるが、重喫煙者の妻が肺癌になりやすいことは1980年代に既に報告されています。最近の調査では夫が非喫煙者である女性に比べ、夫が喫煙者である女性では肺癌のリスクが1.3倍高かったそうです。
タバコには50種類以上の発癌物質が存在し、特にベンゾピレンとニトロソアミンは強力です。
タバコはやはり百害あって一利なしです。

— posted by 越智邦明 at 10:26 am  

2009/1/22

耳鳴り


皆さんは耳鳴りに苦しんだことはありませんか?これは本人にしか分からず他人に理解されない辛い病気です。
歴史をひもといてみますと、あのベートーベンは第九交響曲を作曲していた時、既に耳鳴りと難聴でほとんど聴力を失っていました。作曲家として耳鳴りは大いに仕事の邪魔となったと思われます。次に劇作家で宗教文学を代表する倉田百三も晩年、耳鳴りで悩みました。最後に、江戸後期の俳人、小林一茶も晩年、耳鳴りに苦しみました。「夜の霜 しんしん耳は 蝉の声」という句がありますが、耳鳴りの音が蝉の声に思えたのだと、想像されます。一茶は高血圧やめまいも同時に患いました。
さて、なぜ音のないところに音の感覚が発生するのか、そのメカニズムは全くわかっていないのですが、音を感じる内耳の感覚細胞が障害されているのではないかといわれ、耳鳴りを訴える患者さんの多くは何らかの聴力障害を持っています。そして睡眠を妨げられたりノイローゼに陥る方もいます。末梢血管拡張剤やビタミン剤、精神安定剤や最近ではTRT療法(耳鳴順応療法)が行われていますが完治は難しいようです。過労、睡眠不足、ストレス、濃いお茶、カフェインを避けることも肝要です。一刻も早く、新薬の登場が待たれます。

— posted by 越智邦明 at 03:36 pm  

2009/1/19

携帯電話


我々の生活に今や不可欠の携帯電話。全世界で7億人以上が使用している。400~2000MHzの周波数帯で無線周波数電磁波を放つ。電磁波のヒトの脳、心臓、内分泌系、DNAへの悪影響の論文が多く見られるようになった。脳では睡眠障害、集中力低下、頭痛等を引きおこす。血管系では安静時血圧を上昇させる。内分泌ではメラトニン産出を減少させる。DNAではDNA鎖切断に関与する。
さて今回、福岡大学心臓血管内科の木谷Dr.より携帯の生殖系への影響が報告された。不妊の原因の半分は男性にあるとされるが今回、男性不妊外来通院中の患者におけるさまざまな精子パラメータと携帯電話使用の影響について研究が行われた。361人が対象で携帯使用時間により A.未使用 B.1日2時間以内 C.1日2~4時間使用 D.1日4時間以上使用の4群に分けて考察した。その結果A→Dになるにつれ精子数、運動能力、生存能力、正常形態の減少を認めたのである。原因として「男性ホルモンをつくるライディッヒ細胞に電磁波が悪影響を及ぼす」また「電磁波により組織の温度や体温が上昇し精子が破壊される」などが考えられている。
いずれにしても過ぎたるは、及ばざるがごとしである。

— posted by 越智邦明 at 04:45 pm  

2009/1/15

風邪は怖い


風邪で心臓病になることを御存知ですか?
風邪のウイルス(コクサッキー、アデノ、エコー等)が心筋に入り、心筋を障害して心臓を弱らせる。発熱や咳、咽頭痛などの風邪症状から始まりその後、動悸や胸の痛み、不整脈、息切れなどの症状が起こったときは要注意です。
軽い心筋炎は自然に消えて治ることが多いが、不整脈の後遺症を残すことがある。また心臓の外側を覆う心外膜に炎症が起こる心外膜炎を併発すると心膜腔に水がたまって心臓の拡張を妨げるため血圧低下、呼吸困難、下肢のむくみなどを起こします。特に心臓に持病がある人は心不全が悪化しやすい。
急性心膜炎の胸痛は左側臥位で増悪し、かつ深呼吸で増強する特徴があります。
とにかく医者も単なる風邪と決めつけず心電図、胸部Ⅹ線、心エコー等でチェックする必要があります。風邪はやはり万病の元です。

— posted by 越智邦明 at 01:01 pm  

2009/1/13

酒さ(しゅさ)


この病気を知っている人は少ない。赤ら顔で鼻とその周辺が赤くなる。女性に多いが中高年の男性も発症する。皆さんの周りにも必ず居ると思うが厄介なのは原因不明のことである。皮脂や皮脂を分解する微生物が関与しているらしく、抗生物質で和らぐことも事実である。
増悪因子として香辛料、アルコール、ストレス、外気温の刺激等があげられる。
酒さには症状に応じて3段階あり、最初は鼻、頬、額などに毛細血管拡張が起き、次の段階では、にきびのようなぼつぼつができ最終的には鼻全体が赤く腫れる鼻瘤(びりゅう)になる。こうなると元には戻らない。まるで芥川龍之助の傑作「鼻」の主人公のような「いちご鼻」である。酒さの更に厄介なのは、結膜炎や角膜炎などの目の病気を併発すること。ひどいときは視力低下も起こします。その他、背中全体の凝りやめまい、肋骨の痛みなども出現します。
日本では酒さはただ見た目が悪いだけの病気として扱われ研究者がほとんど居ません。
皮膚科や美容外科の先生が関与しているようですが、プロトピック軟膏の処方ぐらいで済まされています。更なる研究を望んでいます。

— posted by 越智邦明 at 11:25 am  

2009/1/8

ウイスキー


ワイン、焼酎に押され年々消費量を減らしているウイスキー。国内のメーカーは拡販に力を入れている。私の学生の頃にはむしろ高嶺の花であった。大原麗子の「少し愛して 長く愛して」や「ランバンビラン シュビラディ」のCMも懐かしい。
ウイスキーは高度経済成長と共に歩んできた。ところが83年に年間38万klでピークだった消費量は06年には5分の1の8万klにまで激減。これはウイスキーにとどまらず最近の若者はビールも清酒もやらなくなった。
ウイスキーの1人当たりの消費量が多いのは1位東京、2位北海道、3位青森県、4位宮城県、5位山形県と雪国の寡黙な男たちにウイスキーは似合うようだ。
もっとも日本のウイスキーは今や世界1。2008年4月、英国で開催された「ワールド・ウイスキー・アワード」でニッカの「余市1987」がシングルモルトの最高賞を受賞し、英紙タイムスがスコットランド人がハラキリするマンガを掲載したほどの衝撃を現地に与えた。
麻生首相のお気に入りはスコッチを代表する「ザ・マッカラン」小沢一郎代表は「ジャックダニエル」。
たまには皆さんウイスキーはいかが?

— posted by 越智邦明 at 04:57 pm  

2009/1/7

先人のことば


以前、くに~ず新聞(2003年冬号)に書いた言葉です。
「何も咲かない寒い日は下へ下へと根をのばせ。やがて大きな花が咲く。」
現役を引退したマラソンの高橋尚子さんが年末のインタビューの中で「辛いトレーニング中に、この言葉をいつもつぶやいて頑張った」と言ってました。
私の病院の屋上花壇には今、大根やレタスが寒風の中、必死で葉を拡げて頑張って発育しています。地上の成果ばかりを追うのではなく、いつかやってくる「成功」のためにコツコツと人知れず地下の努力を重ねたいものです。

— posted by 越智邦明 at 07:00 pm  

2009/1/5

新年にあたって


皆様、あけましておめでとうございます。
楽しいお正月だったでしょうか?

門松

ちょうど100年前の明治41年、夏目漱石は「三四郎」の中でこう警告している。「西欧のまねをして一等国になるつもりで浮かれていると、この国は滅びるね」と。くしくも日本はアメリカ発の100年に1度の恐慌の前に羅針盤なき漂流船のようにのたうち回っています。政治は?経済は?とてもスリリングな2009年が始まりました。
さて私はというと、12月30日帰省予定の長男(研修医)が緊急手術が入ったとかで帰って来れず、嫁いだ長女も夫(産婦人科医)が日直とやらで来れず3人の寂しい年末を過ごしました。ところが長男から元旦に帰れるメドがついたと連絡があり、たった24時間の滞在でしたが元旦の夜は、大いに盛り上がりました。家族はやはりいいもんですね。
不景気な世の中ですがブログだけは大いに皆さんの気分を盛り上げたいと思っています。どうか宜しくお願い申し上げます。
(追伸)昨日のNHK大河ドラマ「天地人」第1回は確かに見応えがありましたね。直江5才。「北斗の七星」となって成長してゆくのが楽しみです。


— posted by 越智邦明 at 04:37 pm  

2008/12/30

今年を振り返って


今年は皆様、ブログのお付き合いありがとうございました。本日で今年の外来診療は終わりです。ブログも今年最後となります。
今年1年を振り返ってみました。今年は職員の結婚ラッシュで姓が変わった人が4人出ました。夏は恒例の暑気払いで職員の浴衣ショーを楽しみました。秋は「富士を表と裏から眺める温泉旅行」と題して恒例の院内旅行へ行きました。富士はやっぱり日本一でした。野球は坊ちゃんスタジアムに巨人ー広島戦を観に行き、地元出身の越智大祐投手の好投もあって巨人が勝ち、その勢いのままメークレジェンドとなったのも楽しい想い出となりました。来年は新広島球場にも足を運ぼうかと考えています。家ではオンプ(トイプードル)とラッテ(フェレット)が元気な1年だったのも嬉しいことです。オンプとは毎日散歩をして、私の健康管理にも役立っている愛犬です。愛犬といえば12月28日は初代愛犬ピース(ビーグル犬)の初命日でした。12才の生涯でした。ペット霊園で次男はピースの好物のビーフジャーキーをお供えしていました。「むだ吠えをしたので、7番アイアンで叩いたことをどうか許してくれ」と私は心で叫びました。冥福をみんなで祈りました。忘年会は年々高度の芸が登場して余興の域を超えてきたのも嬉しい誤算です。
来年のブログは1月5日より開始いたします。皆様に色々なジャンルでお役に立てるように勉強して参りますので引き続きお付き合い下さい。
それでは よいお年を!

— posted by 越智邦明 at 08:28 am  

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