カゴの中に8匹うごめいていた。「もう少し経ったら鳴くと思いますよ」。嬉しかった。すず虫を飼うのは50年ぶりである。何回も何回もフタを開けて、虫達の動きを追った。「早く鳴かないかなあ・・・」。ところがあろうことか、その夜、10時ぐらいから一斉にリーンリーンと鳴き出した。「ああこの声だ。確かにこの声だ。」と幼少の頃を想い出した。それからというもの毎日、エサのキュウリやナスを換えてやった。それも病院屋上で栽培している取り立てのヤツを。朝起きても、このリーンリーンを聞くと不思議に元気が出た。しかし悲しいかな、今週、朝晩が涼しくなってきてからというもの、鳴く回数がめっきり減った。虫達も我々人間以上に秋の気配を察しているのだろう。もうしばらくすると彼等ともお別れの日が来るのかと思うと切なくなった。物事には必ず終わりが来る。又、来年も必ずお前達と再会しよう、と心に決めた。
話は変わって30日(日)は衆議院選挙。こちらも熱い戦いに終止符が打たれる。日曜の夜は結果の行く末を、日本丸の行く末を熱く見守りたい。