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越智クリニック
 
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2011/7/21

博多にての再会


7月16日(土)に空路福岡へ飛び、8年ぶりに緒方先生(以下O先生)とオークラホテルで会食した。O先生について少し書いてみたい。O先生は九州大学医学部を出られ、専門は呼吸器。現在54才である。14年前に松山日赤に派遣されたのが私と知り合うきっかけであった。私は場所柄、日赤へ紹介する事が今でも多いが、ある時、呼吸不全の外来患者について電話相談をした。するとO先生は「夕方、越智クリニックに伺いますよ」といって、本当に自転車で診察に来てくれた。患者は目を白黒。そこにO先生の医療への真摯な態度を感じ取った。多くの医師は「では診察に来させて下さい」と答えるであろう。「東に困った人があれば・・・」という宮沢賢治を思い出した。
しかしO先生との付き合いは3年で終わって九大へ帰って行った。しかし3年間に本当に親切な指導をいただき、多くの患者さんを助けてくれた。この縁を切らすまいと、呼吸器で困った症例は電話で相談をしている。やがて先生はお父様の具合が悪くなり九大を辞し、福岡から100kmぐらいの行橋市のS病院へ就職された。今はS病院の院長をされている。院長になっていたのを知らず、気軽に電話をかけていたが、O先生のもうひとつすごいのは、どんな時も電話を待たせないことである。ふつう外来患者で忙しい時は「あとにして下さい」と言われるのだが、O先生は「はい、どうされました」と温和な口調で唯の一回も待たされたことがない。多くの医者と付き合っていたが、本当にすばらしい方である。
さてO先生は2人の息子さんも九大医学部に入り、長男さんは卒業後、研修医をしていて将来は内科医になると言う。
「越智先生からのお葉書に、お孫さんが写っていますがやはり、かわいいものですか?患者さんから孫はかわいいぞ、とよく言われますが」との質問に私は携帯保存のゆうちゃんの写真をいくつか見せた。先生は「すご~い。かわいい。やっぱり長男には早く結婚させて孫をみたいなあ」と話は進んだ。
次に原発、特に玄海原発に話は及んだ。この夏に停止して停電になったら病院は大変です。何とか存続して欲しいと力説された。世論調査では圧倒的に「徐々に」脱原発を、が主流であり菅首相の最後のカードである脱原発解散は支持されないと話し合った。原発事故は依然収束せず、汚染水処理装置は故障を繰り返し放射能と汚染水をまき散らしている。沿岸部は巨大バエが大発生。それなのに無能政権による政治空白が続いている。2人共熱弁をふるい、オークラ特製の生ビールから日本酒、焼酎へとピッチが上がった。更には、現在の研修制度のために大学に人が残らず、過疎地へ大学から医師が送れなくなっている現状には2人共、大いに嘆いた。何とかして元の医局制度を復活させようと話し合った。最後に、博多といえば祭り。ちょうど山笠が終わったばかりで、ホテルロビーに飾ってあったので後で見ませんかと案内された山笠はとてつもなく大きく、九州人の心意気が伝わってきた。O先生の病院の、あるDrは1週間、福岡にホテル住まいで祭りに参加したと言う。O先生とは距離は離れていても、生涯の友としてお付き合いしたいと堅い握手をして別れた。私、緒方はO型なんですよと笑っていたのが印象的であった。

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— posted by 越智邦明 at 04:39 pm  

2011/7/19

痛風


風が吹いただけでも痛いというイメージから付けられた「痛風」。
外来でも多くの患者さんが来ます。多くの方が足の親指付け根に起こるものと思っているが、それは全体の3~4割で、あとは別の場所に起きます。踵、くるぶし、アキレス腱、手首、膝、肘、肩と、どこにも来ます。単なる膝痛だと放置していた人も居ます。そして痛みも必ずしも激烈とは限りません。
さて、気をつけないといけないのは、尿酸値が高いからといって知人から尿酸値を下げる薬をもらって飲むことです。これは絶対にダメです。急激に尿酸値を下げると、一層痛みが増します。これで悪化して数ヵ月も発作が続いた人もいます。まずは医師の管理下できちんと薬を服用して下さい。
それと痛風発作後は、関節内の尿酸塩結晶が安定していないため、ちょっとした刺激で再発します。数週間は安静を心掛けて下さい。

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— posted by 越智邦明 at 09:36 am  

2011/7/14

ムカムカ


この症状で来られる人は非常に多い。下痢を伴う嘔吐下痢症や感染性腸炎が今は年中見られます。物が食べられないのは本当に辛い症状です。さてこの中に恐い病気が潜んでいます。
① 頭痛を伴うとき
今言った腸炎に発熱を伴ったための頭痛もありますが、熱がないときはクモ膜下出血、脳出血、脳梗塞という生命の危機を伴う重大な疾患が隠れています。

② のどの渇きがある
のどが渇き体重が異常に減るときは、糖尿病さらには消化器系のがんが疑われます。

③ 胸や背中の痛みがある
膵炎、膵癌の注意が必要です。
お酒飲みのあなた。二日酔いだろうとタカをくくらないようにして下さい。精査、早期発見が肝要です。
(追伸)
わが家ではケン君が来てから「計3匹がみんな元気」といきたかったのですが、フェレットのラッテ君が2~3週前よりどうも元気がない。いつもなら戸をあけてやると活発に部屋の隅々まで動きまわるのですが、ハンモックにうずくまったまま。やせてきて背骨が見える程になり、さすがにこれはと言うことで動物病院へ連れて行った。採血の結果はインスリノーマ。膵臓の腫瘍であり、血糖値も62mg/dlと低い。獣医さんから手術か一生薬を飲むかと言われ、後者を選んだ。それから日に日に回復を見せ、下の写真のように体重も戻り元気になりました。尚、フェレットには副腎腫瘍、リンパ腫、インスリノーマは多い病気のようです。人間もそうですが動物も健康が一番ですね。みんなの元気な勇姿(?)を見てやって下さい。

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— posted by 越智邦明 at 02:26 pm  

2011/7/11

アルツハイマー型認知症(AD)


65才以上の認知症有病率は10%を超える可能性を示唆する報告が出る程、深刻であり関心も高い。2011年はADの新たな治療薬が相次いで登場し話題となっている。
ADの初期症状としては近時記憶障害、見当識障害(日付や曜日がわからない)、言語障害(言葉が出てこず人物の名前が出てこない)、等あるが、従来はドネペジル(アリセプト)のみで対応してきた。ここになってガランタミン(レミニール)、メマンチン(メマリー)、リバスチグミン(イクセロンパッチ、リバスタッチ)の3剤が加わった。少し説明を加えるとアリセプトとレミニールは同じ作用メカニズムで、軽症と中等症が対象。メマリーは中等症と重症の人に使われる。即ち軽度の人には初めて使うのはアリセプトかレミニールで、進行したらそれぞれの薬を増量するかメマリーに切り替えもしくは上乗せといった具合です。ただ、それらに共通して言えるのは、新薬と言えどもADを完治させるのではなく「進行の抑制」であることである。過度の期待は禁物であるが、これらを組み合わせることで、ADLが少しでも改善すれば家族や管理者も楽になります。さて、レミニールは錠剤、口腔内崩解錠、内容液の3種の剤形を用意して、患者の状況に対応している。次にイクセロンパッチは貼り薬です。パッチは経口摂取が困難な人には投与可能ですし、パッチの表面に貼った日を記載することで管理がしやすいです。
まだまだADの治療はこれからだと思います。従来薬とうまく組み合わせることで、1人でも多くのAD患者さんの改善を目指したいと思います。最後にADは家族と医師、看護士、介護士みんなの連携が服薬管理ひとつにしても重要であることを付け加えておきます。

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— posted by 越智邦明 at 04:48 pm  

2011/7/7

梅核気(ばいかくき)


28才OLのN子さん。真面目な方で、薬もきっちりととりにくる人でした。このN子さんが先月、ツバを飲みこんだ時にノド元に何か大きなものが詰まっているような気がした。即ち、大きな梅の種ぐらいのものが、はさまっている感じだと言う。吐こうとしたが吐けないと来院。早速胃カメラをしたが全く何も見当たらなかった。
これは「梅核気」です。何千年も昔からある、女性に多い有名な症状です。別名「ヒステリー球」と呼ばれています。「喉に異物を感じる。何かつまっている感じはするが、飲みこもうと思っても飲み込めない」と訴えます。
耳鼻科では「咽喉頭異常感症」と呼んでいます。原因はアレルギーだったり更年期障害から来ていたり、うつ病など精神的なことで発症します。最近は男性にも増えてきました。N子さんは残業続きでストレスをためやすい性格。休ませて、デパスを服用してもらい、趣味の温泉に行かせたら4日後にノドの詰まりは消えました。
漢方の先生は「半夏厚朴湯」を使うそうです。
あとは指圧・マッサージなども効くそうですが、どうやらストレスが原因のようです

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(追伸)
ゆうちゃんは、犬だけでなく猫も大好きです。宇和島の近くの木工所に遊びに行き、猫とたわむれた時の写真です。お皿にみんなのエサを入れてやり、白猫には自分の手をなめさせてやり、全員のしっぽをひっぱり、みんながエサを食べる姿に大満足しています。

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— posted by 越智邦明 at 04:04 pm  

2011/7/4

紫外線対策


いよいよ暑くなってきた。なんといっても皮膚の老化や皮膚癌予防の観点から、紫外線を避けることが常識となってきた。自治医大皮膚科の出光俊郎先生の論文から引用してみる。
紫外線皮膚障害はサンバーンと言うが、発症時期は7月中旬~8月が多い。120名を調査した所、3割がサンスクリーンを使用したにも拘らずサンバーンを起こした。そこで大事な予防法をあげている。
①SPF50の日焼け止めを使う。②たっぷりと適量を使用する。(ローションでは1円硬貨2枚分が必要)。③耐水性のサンスクリーンを使用する。④2、3時間おきに塗り直す。⑤つばの広い帽子、UVカットTシャツ、サングラス、日傘やビーチパラソルを使用する。
特に大事なのが、サンスクリーンの塗り直しだそうです。日焼け止めクリームをまずたっぷりと塗り、耐水性のあるSPFの高いスプレー剤を塗り直しに使用し、水に入らないときにはUVカットの衣類などで紫外線を避ける工夫が必要である。日焼け止めを過信してはいけない、と結んであります。
是非参考にして楽しい夏のレジャーを満喫して下さい。
(追伸)
ゆうちゃんは、お外では帽子をかぶって紫外線対策ばっちりです。

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— posted by 越智邦明 at 04:04 pm  

2011/6/30

アレルギー


最近注目されている「遅発性食物アレルギー」。聞き慣れない名前なので説明します。
アレルギーは、食べて短時間に反応する「即時型」と今回の「遅発性」があります。この数年、蕁麻疹等で当院を訪れる人に、原因とくに直前の食事を尋ねても全く思い当たることがないという人が増えています。従来のIgE検査は「即時型」を調べるので、これで「異常なし」と出ると「よく分からない」となります。ところで「遅発性」はこの最近注目される病態で、欧米では食べて2~3時間から半日以上経ってから出る食物アレルギーの存在が指摘されるようになりました。
「遅発性」に関係している抗体はIgEでなくてIgGです。IgG検査で遅発性食物アレルギー反応を起こす食品が分かれば、それを避けるだけでアレルギー反応が起こりにくくなります。「遅発性」の代表的な症状は蕁麻疹や湿疹だが、その他に過敏性腸症候群、頭痛、鼻炎、喘息などもあるのではといわれています。専門家に聞くと、半年ほど食べる量や頻度を減らせばひどいアレルギー症状が出にくくなり、食べられるようになると言います。また子供のアレルギーが気になる妊婦や妊娠前の女性も受けておくと良いです。
IgEは胎盤に移行しないが、IgGは胎盤移行性があり母親から胎児の体内へ渡ります。
もし母親に特定の食品のアレルギーがあっても妊娠期間中に避けるなどすれば、子供のアレルギーを回避できる可能性があります。
ただひとつ問題は、IgG検査は健康保険が適用されないのと、愛媛ではまだ試薬がないようです。

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(追伸)
オンプ君の息子、ケン君が我が家にやってきました。
宇和島のゆうちゃんの所へ行く前のならし運転です。今、2匹の親子の散歩に大変です。ケン君は父親にじゃれ合ってオンプ君は迷惑気味です。母親ほどはかまってくれないのかも。でも元気なケン君の笑顔を見ると勇気が出ます。(前がケン)

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— posted by 越智邦明 at 04:03 pm  

2011/6/27

種子骨炎


ダンスの練習に通いつめているOLのBさん。右足の裏から足先まで痛みが走って来院。これは「種子骨炎」です。
種子骨とは足の親指の付け根にある、小豆くらいの大きさの骨です。走ったり跳んだりする時の蹴り足の衝撃を吸収してくれる役割があります。ここの炎症はダンサーやジョギングをしている人、スポーツでは跳躍種目やバスケットボールの他、空手や剣道のように踏み込みの多い競技にも多いです。更にハイヒールをよく履く人に多発します。
レントゲンで骨折がなければ可能性が大です。治療は靴の内側にダンサーパットと呼ばれる特殊なパッドを入れ、種子骨に体重がかからないようにする。その他、非ステロイド系抗炎症薬の経口投与やステロイドの注射も有効です。
でも何と言っても原因の除去、休憩、理学療法が有効であるのは言うまでもありません。

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— posted by 越智邦明 at 01:59 pm  

2011/6/23


開業してポピュラーな訴えのひとつに「咳」がある。「咳が1カ月も続く」「夜、咳で眠れない」「明日スピーチをするので、すぐに止めて欲しい」等である。
さて41才の女性Aさんもそんな1人であった。1カ月前に来院し、「いつもの咳止めを下さい」と診察を拒否し、水薬を持って帰った。その後、2回程薬を取りに来たが、咳が止まらず、終に観念して診察となった。1カ月も続く咳の場合に注意するのは「マイコプラズマ肺炎」「咳喘息」と何と言っても「肺癌」である。(まれに結核もあります)。
すぐにレントゲンを撮ってみた。すると両肺に多発性小結節を認め、わずかであるが胸水も貯まっている。タバコ歴を聞くと、1日40本で20年吸っている。直ちに、専門病院にCTを撮りに行かせた。返事は肺癌。かなり厳しいと言われた。肺癌については以前(2010年10月7日)に書いたので詳しくはそちらを再度見て下さい。
皆様も是非、注意を払って下さい。

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— posted by 越智邦明 at 11:36 am  

2011/6/20

検診


4月~5月の会社検診が終わり、結果を持って続々と医院を訪れるのが6月です。一番多いのは「脂質異常症」、次に「高血圧」、「境界型糖尿病」と続きます。どれもさしたる症状がないので放置されがちですが、共通して言えるのは、脳・心血管合併症即ち、脳梗塞、心筋梗塞の重要な原因となります。コレステロールも今は総コレステロール値ではなくLDL、HDLで評価するようになったのは、かなりの方が御存知です。共通して指導するのは減量、節酒、運動、野菜の摂取、禁煙です。これらが全て実行されれば、かなりの方が「薬要らず」になります。
さて検診は小学校も当然あります。下の写真は先日、私が学校医をしている小学校の保健室での1コマです。小学生も喘息、アトピー等のアレルギー疾患が環境汚染と相まって増えています。
みなさん検診の結果を是非活かして下さい。

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— posted by 越智邦明 at 04:28 pm  

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