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2012/7/19

糖尿病と食事


糖尿病は血糖値が上がる病気なので、ちょこちょこ食べる方がドカ食い防止になってよい、という信念の人が居ます。
結論的には間違いです。
なぜかと言うと、食後の血糖値の上昇が持続し血糖値が高止まりしやすくなります。つまり下がる暇がない。そうすると動脈硬化→心筋梗塞、脳梗塞といった図式になりやすいのです。
それと、ちょこちょこ食べると歯周病になります。食事でいったん口の中は酸性になりますが、しばらくすると中性に戻ります。しかしいつも食べていると酸性に傾いたままになり、虫歯になったり歯垢がたまったりして歯周病になります。歯周病になると、口の炎症があるところから炎症性物質が放出され、それがインスリンの効き目を悪くするため病状が悪化しやすいのです。
結論として、やはり食事は3食にすべきです。そこで妙案は毎食後の歯磨きです。すると間食が明らかに減ったというデータがあります。
参考にして下さい。

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— posted by 越智邦明 at 04:54 pm  

2012/7/17

乱視


「乱視」ってみなさん眼鏡屋さんでも聞いたことがあると思います。しかし乱視を放置したために、めまい、頭痛、吐き気がまるで脳卒中のように生じるという論文を読みました。
こういう方は適正な乱視矯正で症状が消えるとあります。また、いま書いた症状以外に「目が乾燥する」「首や肩が凝る」「物が二重に見える」「文字が見えづらい」といった症状も出ます。乱視は角膜の歪みで光がどこにも一点を結ばない状態です。遠くも見えにくく、ピントを合わせるのが不安定で常に物を見るのに努力がいります。筋肉の収縮が続いたり疲労によって自律神経が乱れたりして、さまざまな不調が生じます。
もし乱視と判明したら、コンタクトレンズを乱視の度合いに応じて調整して下さい。
一番調整しやすいのはハードよりソフトコンタクトレンズのようです。

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— posted by 越智邦明 at 11:18 am  

2012/7/12

鼻血


鼻血そのものは大したことがなくても、実は大きな病気のサインということもある。子供の鼻血に比べ大人は怖いとも言われる。
鼻血で一番多いのは鼻の入り口のキーゼルバッハという部位の血管が傷ついて起こる出血である。いざ鼻血が出たらどう対処するか?
昔は「上を向いて首の付け根をトントン叩く」などと言われたが今は×。上を向くと血が喉に流れ落ち、吐き気や嘔吐を催す。
鼻血が出たらまず前かがみになり、脱脂綿を親指ぐらいにして詰めてから両側の鼻翼を親指と人さし指で挾み、強くつまむようにして15分間押さえ続けるとほとんど止まります。それでも止まらない場合が問題です。
例えば白血病や肝硬変などの血小板が減少する病気、悪性の鼻茸、上顎がん、上咽頭がん、更に糖尿病、尿毒症、ビタミンC欠乏症なども考えなくてはいけません。
しかしとりあえず止血しにくいときは、耳鼻科でレーザーなどで血管を焼き潰して止血する方法が勧められます。
たかが鼻血も続く場合や止まりにくい場合は精査が必要です。

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(追伸)
最近のゆうちゃん。
いよいよ水泳に取り組もうと水着姿に。やや不安そうな顔つきです。
プールをあがると、いっくんや友人ととても楽しそうです。
宇和島の田園で、あじさいや田んぼの中ですくすく育っているようです。

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— posted by 越智邦明 at 05:00 pm  

2012/7/9

脳梗塞


脳梗塞の発症時期の研究から夏と冬に多いこと、さらに気温差が激しい時ほど多いことが分かってきた。
気温が上がると血管は拡張して血圧が下がる。一方、気温が下がると血管は収縮して血圧が上がる。この両者の程度が大きく頻繁になると血管がダメージを受け脳梗塞を起こしやすくなる。
夏は脱水症状も加わり血液の粘度が上がって血栓ができやすくなるので冬以上に注意が必要です。そして肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症などを抱えている人はよりリスクが高くなります。
そこで対策として①常温の水をちょびちょび飲む。一気に冷たい水でなく、こまめに補給すること。②室温と外気温の差を小さくする。クーラーで一気に冷やさない。せめて10度以内にする。
これから暑い夏を迎える今頃、要注意です。

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— posted by 越智邦明 at 05:08 pm  

2012/7/5

糖尿病学会in福岡


DMサミット2012が今回は6月30日(土)、福岡で行われた。
会場のヒルトン福岡シーホークホテルには1300名のDr.が全国から集まった。素敵なbigなホテルであった。
1日目で面白かったのは「糖尿病にまつわる動脈硬化性疾患」で信州大学の池田教授が話された。特に下肢血行障害(PAD)について詳しく述べられ復習ではあるが、足の血行状態を常に観察することの重要性(ABIの測定)を説かれた。
次にスウェーデンのRyden博士の英語による討論は、インスリンのグラルギン(=ランタス)の有用性についてのお話で全世界にわたる膨大な調査であった。特にグラルギンの発癌については特に問題がないとの結論であった。
2日目は「最近のDPP-4阻害薬でコントロール不良例について」という実臨床的な討論があった。トータライザーによる会場アンケートでは他剤を加えるが54%、SU薬を加えるが42%で、インスリンは2%であった。河盛Dr.寺内Dr.が座長で進められた。東邦大の引世Dr.はやはり何といっても基礎インスリン(グラルギン)の補充を忘れてはならないと力説された。引世先生は以前、順天堂大の助教授の時に松山に講演に来られたが、インスリンの使用方法はやはり超ベテランであった。そして全般的にインスリンの開始時期が遅いことに警鐘を鳴らしていた。私自身もインスリン早期導入派なので引世先生の話はひとつひとつが納得がゆく。
今後、DPP-4阻害薬とインスリンの併用療法の治験が大いに進むことを大工原Dr.矢部Dr.等も話されていた。
最後にもう1度、「DPP-4阻害薬とインスリンの併用を先生は考えますか」というアンケートに92%の人が「YES」と答えたのが印象的であった。朝6時起きであったが充実した2日間であった。

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— posted by 越智邦明 at 05:10 pm  

2012/7/2

ノーベル


ノーベル賞の創設者として有名なアルフレッド・ベルンハルド・ノーベルは各国で350を超える特許を取得した偉大な発明家である。
ノーベルは建築家でありながら本業を置いて爆薬の実験に没頭する父の姿を間近に見て育った。そして研究者の道を選択する。さて「ニトログリセリン」は1846年にイタリアの科学者ソブレロにより発見されたが、熱に弱く少しの振動で大爆発を起こすため扱いに困っていた。これを聞いたノーベルはすぐさま研究に取り組んだがこの途中、ニトログリセリン製造工場の爆発事故で弟を失い、ますますニトログリセリン製造の研究に没頭した。1867年、ニトログリセリンを珪藻土に染みこませることで取り扱いを容易にすることに成功した。それがダイナマイトである。新しい爆薬は兵器として世界中から注文が殺到し、ノーベルの苦悩が始まった。
さてニトログリセリンは狭心症の特効薬であることは皆さん御存知だと思う。ノーベルはなんと晩年に心臓病を患いたびたび発作に襲われ、医師からニトログリセリン製剤を処方されるという皮肉な運命となった。
ニトログリセリンは毛細血管を拡張させる作用が一方では頭痛を引き起こす副作用となっている。そのためノーベルはこれを飲むのを拒否したと言う。ノーベルの死から約100年後の1998年、ニトログリセリンによる血管拡張作用を研究、解明した3人の学者にノーベル生物学賞が与えられた。

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— posted by 越智邦明 at 05:53 pm  

2012/6/28

口臭


近年、口臭がする人が激増している。
タバコを吸う人等は論外であるが、日本口臭学会会長の角田正健氏は言う。
「慢性的な口臭のほとんどは口腔内に原因があります。8割は歯周病が原因です。歯垢がたまったり、舌の表面に白いコケのような汚れが付着するとさらに臭気レベルは上がります。また蓄膿症など鼻や喉の慢性的な炎症が原因になっているケースや糖尿病や肝臓病など全身病の疾病が原因になる場合もあります。とに角、口臭の原因を把握することが大切です。」
まず歯科医で歯周病のチェックは最低行って下さい。もうひとつのポイントは唾液です。唾液には口腔内にたまった不要な物質を洗い流し、雑菌の繁殖を抑える効果があります。年を取ると唾液が減るので臭気が強まります。まず3食きちんと食べること。水分を多く摂って脱水症にならないこと。その他ガムやお茶を飲む。マウススプレー等も特に営業の方には必須です。
そして気付かない本人のためにアドバイスをしてあげることも友情だと思います。
「お口さわやか」に気をつけましょう。

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— posted by 越智邦明 at 04:18 pm  

2012/6/25

ニキビ


青春のシンボル「ニキビ」。ニキビは角質などで毛穴がふさがって皮脂がたまりニキビ菌(アクネ菌)が増殖し化膿することで発生する。男性ホルモンの分泌が活発になり皮脂が過剰になることが原因である。さてこれが大人によく出来るようになると何か病気を考えた方が良い。
人間は寝不足、過労などのストレスを受けると副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されるが、このホルモンは男性ホルモンと同じ作用がありニキビができやすくなります。肝、腎は血液の浄化機能がありますがこれが低下すると老廃物が体内に残りニキビの原因になる。あと糖尿病で免疫が低下してもオデキ、ニキビ、吹き出物が出来やすくなります。
顔だけでなく背中や胸にニキビが出来るときは検査を受けて下さい。
伝統中国医学(中医学)でも、ニキビについて次のように書いています。「額」「鼻」「あご」に出来るのは消化器系、「頬」「こめかみ」「目の周り」は肝、腎機能、「口の周り」「耳の周り」は内分泌系が弱っていると。

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— posted by 越智邦明 at 04:04 pm  

2012/6/21

低血糖


先日本当にあった話。
糖尿病のDさん(62才、男性)は、いつものように社内の飲み会に出席した。月1回の会で「Dはいつも寝てしまうからな」が最近の皆の口癖であった。
ある日のこと、いつもの乾杯が終わったあと、みんなの席を回ってぐいぐいと酒を気持ちよく飲んだ。いつの間にかグーグーと横になって寝てしまった。友人が「おい、帰るぞ」と起こしても起きない。異変に気付いた周りの人達が救急病院へ運んだ。結果は血糖48mg/dlの低血糖であった。冷や汗もかいていた。よく問診してみるとDさんは「酒を飲むと血糖値が上がる」と信じ込んでいて、つまみをほとんど摂らなかったと言う。
アルコールを飲むと肝臓からのブドウ糖の放出が遅れます。それが続くと低血糖を起こしやすくなります。血糖値が上昇してくるのは翌朝になります。飲酒後の低血糖はDさんのようにSU薬を服用している方やインスリンを使っている人に多いです。
ポイントは宴会最初にご飯やイモ類を摂っておくことが肝心です。

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(追伸)
南楽園で、しょうぶ満開の中、遊び回っている ゆうちゃん。
茶席で一人前にお茶をいただくようにもなりました。

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— posted by 越智邦明 at 03:50 pm  

2012/6/18

胃食道逆流症


この病気は胃酸が逆流して胸焼けを起こしたり、のどの奥を酸っぱくさせたりする(吞酸)のが2大病状です。外来で多くの方が見えます。ところがこの病気には他に「胸痛」「咳」といった症状を出すことも注意が必要です。
「胸痛」はもちろん狭心症が気になりますが、ある施設で「胸痛患者」を調べた所、狭心症は10%で胃食道逆流症は13%と多かったのです。次に咳ですが、慢性の咳の原因は半分近くが咳喘息で、15%は副鼻腔炎そして胃食道逆流症は4%存在します。
今やプロトンポンプ阻害薬(PPI)が登場して以来、治療は非常に容易となっています。
まず「診断」が肝心です。
それと胃食道逆流症は度重なる胃酸による食道の炎症で、食道腺がんを助長する恐れもあることを付け加えておきます。

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— posted by 越智邦明 at 12:48 pm  

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