ニコラ・アペール(1749~1841年)はフランスの食品加工業者。偶然にも日経新聞春秋欄(2013.7.29号)にも取り上げてあったが、少し引用してみよう。19世紀はじめ遠征に出ているフランス軍の食糧補給に頭を痛めていたナポレオン政権は、食べ物を長持ちさせる方法を懸賞金付きで公募した。これにこたえたのがアペールで、密封して加熱殺菌するという手法を提案した。つまり缶詰の原理を発明した。見事当選し、12000フランの賞金を得た。「保存食品開発物語」という本によると、アペールはもともと優れた料理人であった。1804年「細長いびんや広口びんに予め調理した食品を詰め、コルクでゆるく栓をし湯煎なべに入れて沸騰加熱し30~60分後、びん内の空気を除いてコルク栓で密封する」保存食品の製造法を考案したとある。
1808年フランス産業振興連盟にこの方法で作った3本のびん詰めミルクを提出し、6年後の1814年に開封されて試飲され、この方法の正しさが認められて「アペール法」と名づけられた。2004年、日本缶詰協会はアペール法発見200年を記念して、当時のレシピを基にしてポトフ、コンソメ、白インゲン豆の水煮等を復元発表しました。
缶詰は何と言っても長持ちし手間がかからないこと。また調理不用なことも世界中の人が愛用する一因だと思います。
春秋欄には世界各地から調達した缶詰をそろえた飲食店をフランチャイズ展開している、川端嘉人氏のことにも触れている。
何といってもアペールの発明に感謝です。