ゲンノショウコは夏から秋にかけて5弁の花を付けます。果実は細長くて約2cmあり基部の5個の袋状の突起の中に種子が1つずつ入っています。果実は熟して乾燥すると縦に5つに裂け、勢いよく反り返ります。その力で袋の中の種子が飛び出します。こうしてゲンノショウコは自分の子孫を遠くに散布します。
さてゲンノショウコは日本の優れた民間薬の1つで、葉に含まれるゲラニインというタンニンが下痢を止めます。その効果は確実で植物名も「現に証拠が現れる」即ち飲めばすぐ効くことに由来しています。貝原益軒もその著書「大和本草」の中でゲンノショウコは「赤痢にも可也」とその効能を認めています。夏の土用の丑(うし)の日ころに薬草採りが行われます。