聞き慣れない病気ですがCOPDは今、呼吸器科の医師が最も注力している病気の1つです。COPD(慢性閉塞性肺疾患)はその昔、肺気腫と慢性気管支炎に分かれて議論されてきましたが、今は両者を併存していることが圧倒的に多く、COPDに統一されました。
わが国には500万人以上の患者が存在すると推定されています。慢性の咳、痰、労作時の息切れ、更に喫煙歴があるとかなり確定的です。基本的には高齢者に多く60才以上が40%を占めています。
COPDは体重減少や四肢筋力低下を伴うことが多いが冠動脈疾患、骨粗鬆症、抑うつ、糖尿病、睡眠障害の発症する危険が高いことも報告されています。
臨床の場で今、問題になっているのは90%以上の人が未診断で放置されていることです。早期に発見し介入することで、医療費の節減につながります。
昨今、気管支拡張薬が進歩し、重症でなければかなりコントロールが可能になりました。在宅酸素療法に至る前に発見することがポイントです。そして何より若いうちからの禁煙は重要です。皆さんの周りに該当者が居たら、是非受診を勧めて下さい。