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越智クリニック
 
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2010/2/15

ジャンパー膝


昨年、大学3年生のE君が、バスケットボールの試合中に、ボールが回ってきたのでジャンプしてシュートした。その瞬間だった。右膝、特にお皿の部分に激痛が走り、シュートははずれE君はその場にしゃがみ込んでしまった。大事な試合なので何とか痛みをこらえて立ち上がってプレーをしようとしたが、足が思うように動かず、コーチが見るに見かねて選手交代を告げ退場。
翌日、私の所へ抱えられて来院。診察の結果は俗に言う「ジャンパー膝」。
これはバスケット、バレー、ハンドボールなどジャンプすることが多いスポーツやサッカーのようにキックなど、膝の曲げ伸ばしをするスポーツによく見られる。大腿の前面にある大腿四頭筋は、お皿の膝蓋骨につながり、膝蓋骨は膝蓋靭帯を通して脛骨につながっている。ジャンプ時には膝を伸ばそうと膝蓋靭帯に張力が加わる。ジャンプ、着地を繰り返すうちに膝蓋骨と膝蓋靭帯の付着部分に炎症が発生し運動時に痛みを感じるようになる。
治療は何といってもスポーツの中止、更にアイシング、非ステロイド系消炎鎮痛剤の内服を行い、リハビリとして温熱療法や大腿四頭筋の強化訓練を行います。サポーターも有用です。手術になることはまずありませんが、ジャンプをいつもする方々はジャンパー膝(jumper‘s knee)に注意して下さい。

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— posted by 越智邦明 at 02:34 pm  

2010/2/12

雪眼炎


ウィンタースポーツと言えば一番に浮かぶのがスキー。愛媛県人にはなじみが薄いが、今日はスキー大好きのD君の話。今年も、新潟まで元気よくスキーに出掛けた。D君はゲレンデに着いた時、ゴーグルを忘れたことに気付いたが「まぁ、いいか」でスキーに没頭した。その夜の事である。D君は突然、まぶしさと激しい眼痛に襲われた。目は充血し涙があふれ、激痛で目があけられなくなったと言う。あわてて救急病院へ行ったが診断名は「雪眼炎」。俗に「雪目」と呼ばれている。紫外線によって引き起こされる表層角膜炎である。雪山は強い紫外線にさらされる。これは海水浴場や高山などでも起こる。治療は点眼麻酔薬で痛みをとり、薬治療をすればたいがい1~2日で治る。
たかがゴーグル、サングラスというなかれ。
目は本当に大事です。

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— posted by 越智邦明 at 05:08 pm  

2010/2/8

慢性心不全


これは診断後5年で約半数が死亡する恐ろしい病気である。しかし自覚がなくて倒れてから気づくことが多い。
見つけ方のポイントをいくつかあげてみる。
①体重変化・・・毎朝排尿後、体重を量り、1日2㎏以上の急激な体重増加がないか。
②むくみ・・・足のすねやまぶたがむくんでないか。
③息切れ・・・坂道や階段を上ると息が切れないか(ただし呼吸器の病気でも起こる)。
④横になって寝られない・・・肺に水がたまり、横になると呼吸ができなくなるのでイスで眠るようになる。
⑤お腹が張る・・・心不全によるうっ血で腸管がむくんで便秘になる。この結果、お腹がぽっこりになる。
⑥全身倦怠、食欲不振・・・全身にうまく血が回っていないため。
これらの症状が複数あったり、家族に心不全を患った人がいる場合は何といっても「減塩」が大切です。塩を使わない調理、例えばネギ、ショウガなどの薬味やレモン、唐辛子などで味を調節します。水分制限も大事で、1日1.5ℓ以内に抑えます。
何といっても早期発見、早期受診が肝要です。
最後に、往診のKさん宅の咲き始めた梅の花。御覧下さい。

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— posted by 越智邦明 at 11:44 am  

2010/2/5

さざんか


以前にお話した往診に行っているおばあさん(Kさん)。3月で95才になる。「いつまで生きることやら。もう長くはないよ」「いやいや、あと5年は生きて、100才のお祝いをしようよ」といつもの会話。散歩は無理だが2本足でヨロヨロ歩いて庭にも出れるので幸せである。彼女が、別れ際に「先生には何もあげるものがない。せめて庭のさざんかでも摘んで帰ってくれ」と数本のさざんかの蕾をくれた。私はこういった蕾を活けるのは大好きである。開花に向けての毎日がワクワクするのである。またさざんかは童謡「たきび」の歌詞(2番)に登場することでもよく知られている。「さざんか、さざんか、咲いた道・・・・」。他に、演歌「さざんかの宿」も私のお気に入りである。院長室でさざんかを眺めながら、「たきび」を口ずさみつつ、Kさんの長生きを楽しみにしている。

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— posted by 越智邦明 at 05:47 pm  

2010/2/3

愛媛マラソン


1月31日、第48回愛媛マラソンが行われた。3500人の参加。松山ー北条の往復42.195kmを6時間以内でというこのコース。あいにくの雨で選手には気の毒であった。私も傘をさして本町から堀之内まで声援を送った。南海放送TVを見ていたら、中村市長もランナーの1人で、インタビューで「一番辛かった所は?」と聞かれ、やはり「30kmを越えた辺り」と言っていたが、他の出場選手も同じように30kmの壁があったようだ。
来年の第49回に当院からも代表で誰か?と募った所、看護師のN君が手を挙げてくれた。生易しいものではないと思うが、何とかN君が伊予路を完走してくれることを願ってやまない。ちなみに今年の完走率は94%であったとか。

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— posted by 越智邦明 at 08:31 am  

2010/2/1

お食い初め


初孫、ゆうちゃんが生後100日となり、1月24日に宇和島で「お食い初め」が行われた。
私は所用で行けなかったが、写真を拝借した。「お食い初め」を検索してみると、赤ちゃんは生後100日後に乳歯が生え始め、この時期に「一生涯、食べることに困らないように」との願いを込めて、赤ちゃんに食事を食べる様子をさせる儀式のことを言う。正式には「御百日祝い」で、平安時代から続いているそうだ。
料理屋のはからいで祝い膳にのせられた料理の数々を見ていると厳粛な気持ちになった。
どうか、ゆうちゃんがすくすく育ちますように。

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— posted by 越智邦明 at 12:57 pm  

2010/1/28

アレルギー性鼻炎


今年も花粉症の季節がやって来る。ハウスダスト等へのアレルギーの人にとっても鼻炎はやっかいである。鼻水や鼻閉、くしゃみは仕事の集中力を間違いなく低下させる。かと言って従来型の抗ヒスタミン薬でひどい眠気に襲われるのもやっかいだ。
アレルギー性鼻炎に使われる薬の市場規模は年間1290億円。そのうち、飲む抗ヒスタミン薬が76%、ロイコトリエン拮抗薬6%、鼻噴霧用ステロイド薬は17%である。私が言いたいのは鼻噴霧用ステロイド薬をもっと使用すべきであるということである。どうやらこの使い方を間違っている人が多い。ひどい時に使って、治ればすぐやめてしまう人が多い。鼻炎は鼻の粘膜の炎症ですから毎日、スプレーをして炎症をしっかり抑える必要がある。「ステロイド」と聞いて不信に陥る人が居るが、鼻噴霧でステロイドが血中に浸透するのは1%に満たずほぼゼロに近い。経口ステロイド薬のような副作用はほとんどありません。
日本人は薬というと“口で飲むもの”というイメージが非常に強いですが、どうか鼻スプレーを愛用されることをお勧めします。

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— posted by 越智邦明 at 05:34 pm  

2010/1/25

夜間高血圧


最近、この言葉が医療界で話題になっている。
本来、就寝前と起床後では、後者が低くなるのが通例である。しかし、眠っている夜間に血圧が下がらない或いは上昇する病態があることが分かった。こういった例では午前中に心筋梗塞や脳梗塞の発生率が有意に高くなることが証明された。
1月19日に自治医大の苅尾教授の講演を聴いたが、収縮期血圧が夜間に15㎜Hg以上、上昇するケースを「夜間高血圧」と定義していた。背景因子として糖尿病、心不全、CKD、起立性低血圧、さらには睡眠障害があげられる。有名な睡眠時無呼吸症候群(SAS)や不眠症、抑うつ症等、睡眠の質を確保できないと、非常に血圧に悪影響を及ぼす。苅尾先生は睡眠の「量」も大事で、ナポレオンの「3時間睡眠」には否定的で、その理由は3時間では、本来、血圧が夜間下がるだけの時間的スペースが確保されないためとした。
今後、従来の睡眠薬とは違った睡眠の質を確保する「メラトニン関連薬」が開発されるとも論じた。
家庭血圧計で是非、寝る前と起床後に血圧を測定するようお勧めします。異常があれば是非、診察を受けて下さい。

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— posted by 越智邦明 at 05:22 pm  

2010/1/22

脳力アップ


「歩けば脳が活性化する」(WAC)の著者で、東邦大の有田生理学教授は次のように言っている。「脳を元気にするにはとにかく歩くことに集中することです。あれこれ考えながら歩いても“脳力アップ”にはつながらない。脳を活性化させるには、無心に歩くことが重要です。」と。
一体、脳に何が起きるのか?ずばり、神経伝達物質のセロトニンの分泌が高まります。セロトニンは、脳のあちこちに指令を送る脳の指揮者のような存在で、セロトニンの分泌がよくなると集中力がアップし、仕事の能率が上がります。緊張や不安、イライラ感が解消し、気持ちがスッキリし元気も出る。そして直感力に関係する前頭前野の働きが改善し、相手の心を理解できるようになります。ではどんな歩き方がベストなのか?
①15~30分歩く・・・セロトニンレベルが上がるには最低5~15分かかります。
②歌詞のないリズム音楽を聞きながら歩く。
③ベストは朝・・・朝日に当たるとセロトニンがふえる。
④1日2回歩く・・・朝夕歩くとセロトニンがふえ、寝つきも良くなる。
⑤歩く習慣を3ヵ月は継続する。

是非、散歩を趣味にして下さい。

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— posted by 越智邦明 at 04:27 pm  

2010/1/20

春来る


1月10日の日曜日に伊予市のとある線路沿いに、菜の花が咲き誇っている集団を見つけた。1月10日は、まだまだ寒風が吹き荒れ、とても菜の花が咲く時候ではなかった。しかし一面に咲いていたのである。
旧暦では1月は春。人間の体感温度とは違って、地上の植物は日照量や風、湿度、あらゆるデータを織り込みながら、自分の出番が来ると一斉に咲き出す。旧暦を使ってきた先祖の方々の季節感には敬服する。この繰り返しを何千年もいや何万年も行っているのだ。
さて、ここのスポットはもう一つ面白いことに秋になると、彼岸花(まんじゅしゃげ)が一斉に咲くのである。全く同じ場所にである。今、こうして菜の花を見ているが、地面には彼岸花の茎が根付いていて、秋になるのを待っているのである。生命の何万年も繰り返すこの営みに自然の偉大さを感じるのである。
秋になったら写真を撮って供覧します。

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— posted by 越智邦明 at 08:48 am  

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