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越智クリニック
 
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2010/10/15

ブドウ


今年のブドウは猛暑のおかげで糖度が高いと言う。
ブドウに含まれる糖分は、ブドウ糖で体内の吸収効率が高い。即効性のエネルギー補給として、夏バテで低下した体力を回復させることができる。またブドウに含まれるクエン酸は熱中症予防にも効果的である。
果肉に含まれるアミノ酸化合物ペンタペプチドは、脳機能を改善し記憶力低下などを防ぎます。果肉を冷凍してから食べると、これを効率的に体内に吸収しやすくなります。というのはブドウの果肉には繊維が多く、これがペプチドの吸収を阻害しますが、冷凍することで繊維を壊すことができるのです。受験生やモノ忘れの多い60才以上にオススメです。
次にデラウエアや巨峰などの色の濃いブドウに多く含まれるポリフェノールの一種、レスベラトロールはがん予防効果があります。また脳梗塞や心筋梗塞の予防、血圧降下作用もわかってきました。またマスカットなど酸味の強い品種の皮に含まれる酒石酸は、腸内の善玉菌を活性化させます。
ブドウは皮ごと煮込んでジャムにしたり、ジューサーでジュースにしてもよいです。是非召し上がって下さい。
(追伸)
ゆうちゃんは、自転車に乗ったり階段を昇ったりと活発です。
前歯が2本あるので、なんとかナシもかじっています。

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— posted by 越智邦明 at 03:26 pm  

2010/10/12

C型肝炎


放置すると肝硬変や肝がんにつながるC型肝炎は、21世紀の国民病といわれている感染症である。(ただし母子感染や性行為感染は、ごくわずかである。)
現在国内にキャリアを含めると150~200万人居ると推定されている。C型肝炎の恐いのは(疫学調査だが)、放置すると2人に1人は肝がんを発症するということである。また、現在のわが国のがん死亡は、1位が肺がん、2位が胃がんで3位が肝がん。肝がんの原因の80%がC型肝炎である。
国も手をこまねいている訳ではない。「肝炎治療医療費助成制度」を設け、インターフェロン治療を行った場合、本人負担額が月に1万円(上位所得階層は2万円)で済む。約1年通院しても12万円。これで肝炎とおさらば出来たら本当に安いものであり、ありがたい制度である。当院でも数多くの方が奮闘中であり、次々と完治例が登場して、患者と抱き合って喜びます。
芸能界でも多くの方が闘っています。2005年、森進一さん、2006年、渡辺謙さん、2007年、吉幾三さん、2010年、伍代夏子さん。
しかし、実際に医療機関で何らかの治療を受けている人は50万人に過ぎず、残りの100~150万人はどうしているのでしょう?自分が感染していることに気づいていない可能性が大です。この間、大阪で開かれたトークショー「C型肝炎いま治そう!」にゲスト出演した漫才師のオール巨人さん(58)は(今年2月よりインターフェロン治療を受けているが)壇上で「40才を過ぎたら検査を受けてください」と強調しました。
1992年以前に輸血を受けたことがある人、大きな手術を受けたことがある人、出産時に大量出血があった人、長期間血液透析を受けている人、血液製剤を投与されたことがある人、ボディピアスをしている人は感染の可能性があるので、1度検査を受けて下さい。そして陽性なら積極的にインターフェロン治療を受けることをお勧めします。入院しないで継続治療されている人も当院には多く居ます。

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— posted by 越智邦明 at 03:55 pm  

2010/10/7

肺癌


102才のSさんが肺癌で亡くなった事を書きましたが、今日は肺癌について考察してみます。
わが国で肺癌が1998年に癌死亡原因の第1位となってからすでに10年以上経ったが、未だ1位の座を譲っていない。肺癌は細胞学的に小細胞癌、腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌の4つに分類される。現在の日本では腺癌が最も多い。小細胞癌はその他の肺癌に比べて増殖が速く転移もしやすい。そのため臨床的には肺癌を小細胞癌とそれ以外の3つを非小細胞癌として取り扱っている。
さて「喫煙していなければ肺癌にならない」と勘違いしている人が多い。特に女性の肺癌は75~85%がタバコと無関係です。今までは、タバコと関係のある扁平上皮癌の割合が大きかったのですが、最近では欧米も含めて腺癌が増えてきています。腺癌はタバコと無縁の方でも生じる肺癌です。先月9月に、女優 池内淳子さんが亡くなりましたが腺癌でした。
当院23年間の診療の中で3例、肺癌の嫌な想い出がある。どれも1年前はレントゲンでは大丈夫と思われていたのに、その年のレントゲンで異常が見つかり日赤へ紹介したが、手術することも叶わず多発転移でみんな半年以内に亡くなった。3人とも小細胞癌であった。外科治療が不能な場合、化学療法(抗癌剤)と放射線治療の併用になりますが、どれも辛いです。日赤からベテル病院へ転院して、モルヒネ漬けになったSさん(男性)の最期は無残なものでした。
全国の肺癌検診受診率は25%に満たない状況です。国をあげての取り組みが必要であり「一度は受けましょう」から「毎年受けましょう」に変更すべきだと思います。

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— posted by 越智邦明 at 01:05 pm  

2010/10/4

イチジク


私の好きな果物のひとつです。昔、日赤の呼吸器科に在籍していたO先生とは10年以上のおつきあいですが、O先生が郷里、福岡県に帰られてからは毎年、イチジクを送っていただいています。これがとてもおいしい。福岡はイチジクの生産、販売にとても力を入れているようです。
イチジクはクワ科の植物で原産地に近いメソポタミアでは、6千年以上前から栽培されていた。古代ローマでは最もありふれたフルーツのひとつで、甘味源として重要であった。エデンの園で禁断の果実を食べたアダムとイブは、自分たちが裸であることに気づいてイチジクの葉で作った腰ミノを身につけたと、旧約聖書に記されているのは有名です。
さて日本には江戸初期に薬樹としてもたらされました。イチジクはプロテアーゼ、ペプターゼといったタンパク質消化酵素が多量に含まれており、素晴らしい消化剤として肉料理のあとのデザートに最適です。葉や枝を折ったときに出る乳液中にも酵素が含まれており、うおのめや痔やイボに塗ると、改善するとあります。ヨーロッパでは葉を煎じて虫下し薬として広く用いられていますが、これは酵素の殺虫作用によるものです。私が幼少の頃、50年前に祖父の家の便所にイチジクの葉が2~3枚入れてあったので尋ねた所、ウジ虫がわかなくなると教えられたのはこういうことだったんですね。
次に、葉を1~2枚入れたイチジク風呂は、皮膚の汚れをとって美容効果があります。また葉を煎じて飲めば、緩下剤になります。
不老長寿の果物と言われるイチジクー皆さんも是非召し上がって下さい。
なお、無花果と書かれるのは、花を咲かせずに実をつけるように見えることに由来しています。
(追伸)
ゆうちゃんは、相変わらず犬が大好きで坐り込んで、うちのおんぷ君とじゃれ合います。右の写真は「箱入り娘」です。1才の誕生日(10月18日)が近づいてきました。
 

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— posted by 越智邦明 at 04:49 pm  

2010/9/30

生脚(なまあし)


先日のこと。仕事が終わって車で帰る途中、踏み切りの手前にさしかかった時に向こうから妙齢の女性が自転車でやってきた。短パンからすらりと伸びた、まっ白な生脚に思わず目がくぎづけになった。あやうく踏み切りの一旦停止を怠りそうになって急ブレーキをかけた。「あぶなかった。それにしても美しい脚だった」こんな事を考えながら有名な徒然草の第8段に登場する久米仙人を思い出した。
兼好はこの中で「世の人の心まどはすこと、色欲にはしかず。人の心はおろかなるものかな」で始まり、「えならぬ にほひには必ず心ときめきするものなり。久米の仙人の物洗う女の脛(はぎ)の白さを見て通を失ひけむは さもあらむかし」つまり、「何ともいえない いい匂いには必ず心が動かされるものなのだ。久米の仙人が洗濯をしている女の白い脚を見て、神通力を失ったのはもっともなことである」と世の男性を擁護してくれている。
久米の仙人は今昔物語(集の11)に出てきます。この話は面白く、雲に乗って空を飛んでいた仙人がふと下界を見下ろしたときに、川で裾をからげて洗濯をしていた若い娘のふくらはぎが目に入り、一瞬欲情した結果、術が破れて雲から落ちてしまう、という始まりです。
私は愛光学園の中学生の時に、当時の田中校長に倫理の講義で「諸君、勉学にとって一番の害は女性だ。女で失敗した諸君の先輩は多い。女には一生注意するように」と教わった。それは真剣に聞いたものだった。
今回のアクシデントで天国に居る田中先生に頭を下げた。「私はまだまだ修業が足りません。」
尚、今日のブログは私の家内には、どうか内密に。

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— posted by 越智邦明 at 05:23 pm  

2010/9/27

悲しい話


9月9日号の「元気のでる写真」にて、井上さんの89才の誕生日を祝った。
その井上さんが、9月26日に自宅で亡くなった。私が家族の「おかしい」との連絡で駆けつけた時にはもう冷たくなっていた。心不全と思われるが悲しいものである。Vサインに応じた、あの笑顔がそこにはもうなかった。
入院で体調もすっかり良くなり、9月17日に退院したばかりだった。
私は人の生き死にを医者になって33年間、見続けてきたが、このような不意の別れは本当に残念である。Vサインの写真が井上さんの最期の写真になろうとは、職員も含めて誰が予想出来ただろうか?
どうか皆さん、生きているということはすばらしいことです。毎日、悔いのないように生きて、楽しい思い出をたくさん作って下さい。
井上さんに合掌。

— posted by 越智邦明 at 07:57 am  

2010/9/24

ふくらはぎ


みなさん、マッサージでふくらはぎを揉んでもらうと気持ちいいと思います。
「ふくらはぎをもむ」と超健康になる、という本がマキノ出版から出されて読んでみました。
ふくらはぎの腓腹筋とヒラメ筋という筋肉は、ミルキングアクションに重大な役割を果たしています。これは足の筋肉の力が血管を伸縮させ、心臓から送り出されて全身を巡った血液が再び心臓へと押し上げられる作用のことです。この働きが弱ると血液やリンパ液の循環が滞ってしまい、冷えや腰痛、自律神経の乱れや免疫力の低下にまでつながっていきます。ふくらはぎが、第2の心臓と言われる所以です。
ふくらはぎを揉みほぐすと同時に、太ももに湯たんぽを置いて温めるとより代謝が活発になってダイエット効果も期待できます。
ふくらはぎには、いわゆるツボも集中しています。
一日の疲れをふくらはぎのマッサージで取って下さい。

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— posted by 越智邦明 at 04:53 pm  

2010/9/21

ナシ


ナシはのどの病気によく、果汁はタン切り、セキ止めとして用いられています。
カラオケで声を使い過ぎたとき、この果汁にハチミツを加え温めて服用するとすぐに声が出るようになると教わったことがあります。
ナシはバラ科、ナシ属の植物で西洋ナシは瓶形で肉質が軟らか。口に入れると溶けるので私は好きです。しかし、もぎたてはすぐには食べられず、人工的に熟させねばなりません。
日本では登呂遺跡からナシの種子が出土しているので、弥生時代後期には食べられていました。青ナシと赤ナシがあり、青ナシの代表は「二十世紀」、赤ナシの代表は「長十郎」です。
宮中の女官言葉では、ナシは「無し」通じるためアリノミ(有りの実)と呼ばれたそうです。
(追伸)
先日のゆうちゃんの旅の写真の続きです。
 

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— posted by 越智邦明 at 03:56 pm  

2010/9/18

嬉しい話


本日(9月18日)の愛媛新聞第7面の記事を読んでいただいたでしょうか?
5月24日のブログで書きましたが、5月20日に私が副会長をつとめる愛媛県保険医協会は、松山市に対して「子宮頸がんワクチンの公的助成を求める請願書」を提出しました。今日の記事によると、昨日9月17日、市議会の中の市民福祉委員会で保険医協会提出の「10代前半の女子に対する子宮頸がんワクチンを公的助成で接種するよう求める」議案を賛成多数で可決したとあります。今後は定例議会最終日の27日の本会議で「採択される見通し」とあります。もちろん27日にならないと決定ではありませんが、大変、喜ばしいことであります。何と言っても松山市民が最大の恩恵を受けることであり、この世からガンを撲滅しようとする保険医協会の運動の一環が認められたことで、私も今後の運動に力が入ります。
思えば5月20日に、私が松山市を訪れたときは、現在の田坂信一市議会議長に労をとっていただき、市議会最大会派の維新の会(池本会長)に請願書を渡しました。維新の会が中心に動いてくれたことに感謝しますが、その他の松山市議も「子宮頸がんワクチン公的助成」の全国的な流れを真剣に受け取めてくれた結果だと有難く思っています。
今後は県都松山で採択され、その後、今治、宇和島とこの流れが拡がることを切に願っております。

— posted by 越智邦明 at 07:47 am  

2010/9/16

最高の友達


みなさんは犬派?猫派?今日は犬についてです。
新潟大脳神経学教授の田中力先生の論文を読んで面白かったので紹介します。
古来「冥界への案内は犬がする」と言われてきた。世界中で犬は死の世界と大きな結びつきを持って描かれている。鼻が利くので暗闇でも間違いなく案内ができるからだと言う。盛者もやがては衰える。強者が弱者に変わった途端に「仕返し」と「裏切り」が待っているのが世の常である。それでも犬は裏切らない。最も弱い立場にある死者でさえも犬だけには、絶対的な信頼を置くことができるのである。神として有名な犬は、エジプトのアヌビスである。アヌビスは死に関わる儀式のほとんどを仕切る。ギリシャ神話で死の国の門を守るのも、ケルロベスという多頭の犬である。
さて、田中先生は「脳科学の立場から見て、賢さと謙虚さのバランスが取れている哺乳類は狼である。狼から派生した犬は、媚も売らないが主人としての人間を絶対に裏切らない。自分を犠牲にしてまでも守ろうとする」と力説している。
どのような厳しい状況になろうとも犬は、主人のそばから離れない。忠犬ハチ公を思い出す。いつでも一緒にいてくれると信じ切れる安心感は、何ごとにも変え難いものがある。どのような時にも優しさを忘れてはならない医師にとって、犬は見習わなければならない師匠なのである。
人が死を迎えるとき、医師は犬にならなければならない。
(追伸)
ゆうちゃんはパパの遅い夏休みで、軽井沢へ行ったそうです。
いつものように物おじせず、ワンワンがとても気に入ったそうです。やはりヒトは生まれながらにして、犬に親近感を覚えるようです。旅をすっかり満喫した、ゆうちゃんでした。
 

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— posted by 越智邦明 at 05:06 pm  

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