喫煙は糖尿病の発症リスクを高めることも知られている。たばこを吸うとインスリン分泌量は正常でもインスリンの効きが悪く、ブドウ糖の処理能力が低くなるためです。そうこうしているうちに高インスリン血症となり、この状態で禁煙して食欲が増してブドウ糖がどんどん血中に流れてくると、インスリンがせっせと肥満細胞に取り込んでしまいより太りやすくなります。
禁煙後の体重増加は内臓脂肪より皮下脂肪が多いという研究がある。皮下脂肪は内臓脂肪に比べて落としにくいから禁煙で太った体はなかなか元に戻らないわけです。そこで「太らない禁煙」のノウハウが大事になってきます。まずは禁煙と同時にダイエットに励むことです。それも、走る、泳ぐといった循環器の能力を上げる運動より、基礎代謝の向上につながる「筋肉をつける」運動が大切です。定番のスクワットのほか、四つん這いの姿勢で上げた腕を前方に突き出し、その反対側の足を上げて背中の筋肉をつける運動なども良い。ウォーキングも良い。そして何といっても、カレーや丼物など血糖値が上がりやすい炭水化物の一気食いをしないことです。
最後に薬ですが、禁煙後の高インスリン血症状態を脱するしばらくの間、ボグリボースという糖尿病予防薬を使う方法がある。昨年から2型糖尿病予防の効能がある薬として認められています。
「禁煙肥満」はとても難しいことを理解して下さい。