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2011/6/5

誕生日


今日、6月5日は私の58才の誕生日である。幼少の頃に母から幾度も聞かされた話を一つ。生まれた日も梅雨の日であったが、夕方いよいよ産まれるというので(当時は自宅出産が当たり前だった。)産婆さんが父に向かって「早くお湯を沸かして」と命じた。そわそわした父は「はいよっ」と言ったまでは良かったが、それから5分して焦げ臭い匂いが充満した。何と空焚きだったのだ。この話が出るたびに今は亡き親父は頭をかいていた。
さて職員、知人や患者さんから多くのお祝いをいただき感謝に耐えない。還暦まであと2年。
先輩に言わせると「男が一番充実している時期だ」と。取り組んでいる「糖尿病」学への造詣を益々深め、患者さんへその知識をフィードバックしなければならない。やることは多い。「城北1の病院」になりたいと、開院時に抱負を職員に述べたことがある。いつの日か「城北1」になれるよう頑張りますので、応援よろしくお願いします。

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— posted by 越智邦明 at 03:55 pm  

2011/6/2

老医のつぶやき


聖路加国際病院の寺田秀夫先生が投稿されていた論文を引用してみる。
「最近の研究医はじめ若手医師は、コンピューターの画面ばかりに張りついている。もっと患者を(視診問診触診等)直接診察することに時間を割かねばならない。医療に携わる者には昔から心(heart)、技術(hand)、知識(head)の3Hが必要と言われているが、何よりも心(heart)だと思う。病める人を真に救い得るものは五感で感ずる医療、即ち心(heart)ではなかろうか。
カナダのモントリオール出身の世界的名医William Osler(1849~1919)内科教授の次の言葉がすばらしい。
“Listen to the patient.He is telling you the diagnosis”(患者に耳を傾けなさい。そうすると患者は貴方に診断を教えてくれますよ)。
「どんなに医療が進んでも温かい心、優しい笑顔、そして謙虚さこそが医療従事者にとって最も大切である」と述べている。
最後に寺田先生は「自身の入院生活の中で、最も慰められたのは頻回にベッドサイドに来てくれた礼儀正しく優しい女性の看護師の方々である」と結んでいます。
寺田先生の言葉の一つ一つを胸に刻みながら、私もがんばりたいと思います。

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(追伸)
梅雨になって毎日お気に入りの赤い長靴のゆうちゃんです。

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— posted by 越智邦明 at 08:01 pm  

2011/5/30

女性と喫煙


日本女性の喫煙率は12.9%であるが、20~30才台では明らかに上昇傾向で20%を超えている。「そんなバカな」と思われる男性諸氏も多いと思うが、皆さんの前で吸わないだけです。
さていくつかの医学的問題点を掲げてみる。
①喫煙と不妊
因果関係があり自然流産、早産は1.5倍になる。妊娠合併症(前置胎盤、破水等)も高くなる。唇、口蓋破裂や先天性心疾患等の先天異常も増える。
②子供
喫煙していた妊婦から産まれた子供は、男、女共に身長、体重が少ない。また注意欠陥多動性障害や特に男児では行動障害を起こす確率が高い。
③美容
活性酸素の影響を受けて弾性繊維であるエラスチンの構築が異常を来たし、しわが増える。また、しみやくすみをつくる。ポーラが女性30万人を調査した所、30才以降で皮膚のメラニン量が喫煙者の方が10~20%多く、肌年令が5才老化していたという。更に紫外線によく当る生活をしている人は、肌年令が10才老化していた。
その他、発癌の問題もありますので是非禁煙をしていただきたいものです。

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(追伸)
塩崎潤さんが5月27日亡くなられた。(享年93才)。先生とは義父、後藤田先生からのお付き合いであった。下の写真は先生の絶頂期即ち経済企画庁長官になられた直後の忙しい中を縫って、拙宅の落成式に来ていただいた時の一コマである。前日からSPが我が家の下調べに来て、大臣というものはすごいものだなあと感心したことを覚えている。写真に写っている親父や義母も今は居ない。赤い服は長女です。
潤先生のご冥福をお祈りしたい。

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— posted by 越智邦明 at 07:42 pm  

2011/5/26

寝汗


寝汗をかいた方は多いと思う。一般的には寝室が熱い、布団のかけすぎ等であるが、病気の事もある。当院で「寝汗」で発見された病気をいくつか紹介する。
①甲状腺機能亢進症(バセドー氏病)・・・大量の寝汗に加え昼間も熱い、微熱が続く、やせる、動悸がある、首が腫れる等の症状があり、甲状腺ホルモンの検査でわかります。
②自律神経失調症・・・汗は自律神経でコントロールされているのでこれが乱れると、大量の寝汗をかく。特に下半身にかく場合は、これを疑う。
③悪性リンパ腫・・・寝汗、発熱、体重減少の3つがそろう時は要注意です。
その他、結核やストレス過多でも起こります。
寝汗が続くときは一度診察を受けて下さい。

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— posted by 越智邦明 at 04:48 pm  

2011/5/23

児玉 清さん逝く


みなさんおなじみの児玉清さんが16日亡くなった。(享年77才)。やはり何といっても昭和50年に始まった「パネルクイズ アタック25」の司会として知らない人は居ない。私も30年前から日よう日の午後は暇な時は決まって「アタック25」と「新婚さん いらっしゃい」を見ることにしていた。アタック25で頭を使い、新婚さんでゲラゲラ笑うバランスが好きであった。
児玉さんは学習院大学では演劇部で、篠沢秀夫さん活動していた。卒業後、東宝のコンテスト「ニューフェイス」に合格し、黒澤明監督の「悪い奴ほどよく眠る」に出演した。一方、TV俳優として「白い巨塔」「HERO」など数々の人気連続ドラマにも出演した。一方、読書家としても知られ、ある時「本って捨てられないんですよね。家は本で占領されている」と話されていた。「アタック25」は一般出場者を気遣う、知的で誠実な司会ぶりがお茶の間の幅広い年齢層で支持された。ひとえに誠実な人柄の賜物だと思う。もう一つ有名なのは趣味の「切り絵」。最後まで病室に道具や材料を持ち込んでいたと言う。
児玉さんが切り絵について2003年12月に出版した本「たったひとつの贈りもの」(下の絵)は、ネット販売のアマゾンで2位となり、売り切れが続出している。
さて本題に入ろう。児玉さんは死因は胃癌であった。今年2月に体調がすぐれず、検査を受けた所、肝機能異常が見つかり更に調べているうちに、胃癌及びその肝転移と分かった。
娘さんが奇しくも2002年36才で胃癌で亡くなっている。私は母校、東医歯大に居た時は胃班(マーゲン斑)に属し、毎日のように胃癌の手術をしていた。今から30年前はエコーやCTもなく、胃癌はとに角、開腹が行われた。今でも思い出す数々の転移例。肝臓や腹膜に多発性転移を見つけた時は、何もせずに閉腹となった。むなしかった。
検診のあまり発達していなかった当時は、胃癌はがん死因の一位であった。
さて児玉さんほどの有名人は社会的地位や責任もあるのに、どうして検診を受けなかったのか、まわりもどうして勧めなかったのか残念でならない。一説によると、児玉さんは極度の医者嫌いだったと伝えられている。王監督のように早期で発見できれば腹腔鏡下での摘出が可能な時代となった。もっと早期なら、内視鏡的切除も可能である。
どうか児玉さんの死を無駄にしないで、皆さん1年に1回は検診を受けていただきたいと痛切に願っております。

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— posted by 越智邦明 at 12:53 pm  

2011/5/19

食べ合わせ


「食べ合わせ」って昔から言われますね。食材は薬と同じで数種類を上手に組み合わせると、その効き目が倍増します。最近の薬で言うと、「降圧剤」と「利尿薬」。それぞれ単独で服用しても大して下がらなかった血圧が、組み合わせるとぐ~んと下がります。最近はこの合剤も登場しています。
さて食べ合わせ研究の第一人者で、栄養学博士の白鳥早奈英氏の論文から引用してみよう。
①メタボ対策・・・牛肉とタマネギ。タマネギの成分に中性脂肪を減らす働きがある。パスタ料理と赤ワイン。赤ワインのポリフェノールが脂肪を燃焼させる。
②糖尿病予防・・・レバーとニンニク。ニンニクに含まれるアリシンが、糖質を燃焼するために不可欠なビタミンB1の吸収を高める。
③がん予防・・・シイタケとブロッコリー。シイタケにはレンチナン、ブロッコリーにはスルフォラファンとそれぞれがん抑制物質が含まれていて相乗効果がある。
④高血圧予防・・・トマトとサトイモ。トマトのルチンが毛細血管を丈夫にし、サトイモのカリウムが余分な塩分を排出する。
⑤肝臓病対策・・・鶏肉とイカ(タコ)。鶏肉に含まれるメチオニンには、肝臓を強くする作用があり、イカやタコに含まれるタウリンにはアルコールの分解を助ける働きがある。
⑥心蔵病予防・・・タマゴとバルサミコ酢。バルサミコ酢のクエン酸がタマゴの悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす。
以上、是非試して下さい。なお、逆もあってキュウリとトマトはキュウリの酵素がトマトのビタミンCを破壊するので良くありません。
(追伸)
ユッケの問題は深刻ですが、これは私が以前にブログで警告したように、生の獣肉は食べないことです。これを禁止条項にしていない厚労省が不思議でなりません。急性食中毒のみならず寄生虫の問題もあるからです。15年ぐらい前に愛媛大の寄生虫学の専門医に教えてもらいましたが、唯一、生で食べれるのは馬だけで「馬刺しは越智先生、絶対大丈夫ですよ」と言われてから馬刺しファンです。ただ最近の研究では、外国産馬は避けること、一定時間の冷凍処理はした方が良いそうです。

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— posted by 越智邦明 at 10:36 am  

2011/5/16

窓口負担


昭和36年に国民皆保険ができてから今年で50年になります。この制度は、WHOも「世界で最も効率のいい医療制度」と認めていますが、その実態はボロボロに崩解しつつあります。昭和56年の土光臨調にはじまる行財政改革の流れは、小泉政権になると「病院は今、老人のサロンになっている」「医療のムダは排除せよ」等の世論をかき立てて「自民党をぶっ潰す」とタンカを切って日本を本当にぶっ壊した。社保の本人(サラリーマン等)は、昭和32年から初診時のみ100円となり、その後、200円、600円、800円となり、昭和59年に定額負担から定率1割となりました。今や、国民の大半は窓口3割です。更に小泉政権は、社会保障費を毎年2000億円づつ削減したのです。小泉首相は当時「社会保障費を削るのではない。自然増だけを削る」と答弁し、その後、7年間削減は続き民主党が政権を取って去年、やっと止まりました。また2000年に発足した介護保険制度は「国民を介護地獄から救う」と大見栄を切ったのに、利用料は1割取られるのです。社会の弱者を支援するための社会保障制度は、受益者負担にしてはならず、応能負担であるべきです。
例えば、車の保険や生命保険を見て下さい。保険料は高いが、給付を受けるときは無料か免責1~2万円ですみます。日本の医療保険制度はなぜ高い保険料を支払いながら、給付時には3割もの窓口負担をしなければならないほど劣悪なのか?これでは単なる互助会制度である。先進国ではほとんど窓口負担は無料です。最近の愛媛保険医協会のアンケート調査でも多くの方が、窓口負担金が払えないため治療の中断が見られます。治療を中断することは、病気の悪化、重症化につながり、ひいては医療費の高騰につながるのです。また医療機関も未収金で苦しんでいます。
全国保険医協会では、窓口負担の3割→2割→1割への軽減運動を行っています。どうか皆様、御理解下さい。

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— posted by 越智邦明 at 04:24 pm  

2011/5/12

連休のゆうちゃん


一才半を超えてくると、色々な事が理解できるようになったゆうちゃん。嫌いだったお風呂も私といつまでも笑いながら入るようになりました。「シャボン玉を作ってくれ」と何回もせかされます。夕食は最近、はまっているのがノンアルコールビール。「みんなで乾杯」も覚えて、何回となく乾杯をさせられてグイグイ飲んでいます。
5月4日は前から計画してあった城山公園やすらぎ広場での散歩。オンプ君も生まれて初めての広場に感激です。この公園を造ったのは松山市としては大英断。市中心部に市民の憩いの場を造るというのは、税金の正しい使い方だと感心します。ゆうちゃんも思わずバンザイです。ロープをくいしばるゆうちゃんの後ろから、オンプ君が見ているのが面白いです。
そして5月5日は近くのえひめ乳児園に飾ってある、こいのぼりに感激していました。「こいのぼり」の歌が大好きで、又実際のこいのぼりを宇和島でもとても気に入って、アーアーと指を先して喜んでいるそうです。
また次回を楽しみにして下さい。

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— posted by 越智邦明 at 04:53 pm  

2011/5/9

白衣高血圧は可か?


よく患者さんに尋ねられる質問の1つに「家庭で測る血圧は120~130/70~80ぐらいで正常だが、先生の前で測られると160/90。これって緊張した時だから高血圧にはならないですよね?」と。東北大学薬学部の今井潤教授の回答を引用します。「白衣高血圧は持続性高血圧への進展の大きなリスクがある。また、心血管反応性や変動性を反映していることから、これ自身がリスクになりうる。また代謝系の異常を伴うことも多く、白衣高血圧が無害のものという考えを持つべきではない」と。
最近、ほとんどの方が家庭血圧計をお持ちなので血圧ノートにこまめに記入いただき、医師は厳しくチェックする必要がある。以前にも書いた「早期高血圧」のチェックも必要なので、起床直後と就寝前の血圧の比較も大事である。
因みにJSH2009では、若年者・中年者の家庭血圧の推奨値は125/80未満である。
是非、主治医にこまめに相談下さい。
(追伸)
最近のゆうちゃん。
宇和島市津島町の芝桜に感激しています。きれいですね。芝桜は北米が原産。よく枝分かれし地面を覆い尽くすように密生する。北海道羅臼町の町花です。
動物好きのゆうちゃんはシバヤギも何のその。草をやっている姿は優しいですね。
足湯につかって何を想う?いつも何かを考えているゆうちゃんでした。


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— posted by 越智邦明 at 05:44 pm  

2011/5/6

PTSD


当院に2月26日に初診で来られたF夫婦。話を聞くと16年前、神戸に住んでいたが震災にやられ、家も壊滅。逃げるように大分は別府に移り住んだ。湯治生活に入ったのも、御主人がひどいPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされたからである。やっと16年経って治まってきたため、今度は道後の湯を求めて今年松山の地に引っ越してきた。当院を近くの公園に居た見知らぬ人から紹介されてやってきた仲の良い夫婦である。私はF氏の詳しい経緯を聞き「どうかゆっくり松山で静養して下さい」と慰めた。処方も行った。そしてリハビリにも体をふりしぼって通い始めた。それから翌月。何と3月11日の大地震。忘れかけていたあの記憶、体感がTVを見るたびによみがえって、再びF氏にPTSDが再燃してしまった。私は精神科医ではないが一生懸命、別室で慰めた。「震災は一時的なものであなたの人生への影響は限定的だし、自分が悪いから起きたのではない。この不運は自分を鍛えてくれるいい試練だと思うようにして下さい。」と、楽観的に生きることの大切さを説いた。1カ月半が過ぎて、やっと落ちついてきたF氏。妻のFさんがF氏から預かったと4月23日と5月1日に、色紙を持ってきてくれた。よそ者扱いしなかった私の事を感謝していると言う。今回の大地震で実に多くのF氏が出来てしまった。多くの方の回復を祈ってやまない。

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— posted by 越智邦明 at 02:09 pm  

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