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2011/6/20

検診


4月~5月の会社検診が終わり、結果を持って続々と医院を訪れるのが6月です。一番多いのは「脂質異常症」、次に「高血圧」、「境界型糖尿病」と続きます。どれもさしたる症状がないので放置されがちですが、共通して言えるのは、脳・心血管合併症即ち、脳梗塞、心筋梗塞の重要な原因となります。コレステロールも今は総コレステロール値ではなくLDL、HDLで評価するようになったのは、かなりの方が御存知です。共通して指導するのは減量、節酒、運動、野菜の摂取、禁煙です。これらが全て実行されれば、かなりの方が「薬要らず」になります。
さて検診は小学校も当然あります。下の写真は先日、私が学校医をしている小学校の保健室での1コマです。小学生も喘息、アトピー等のアレルギー疾患が環境汚染と相まって増えています。
みなさん検診の結果を是非活かして下さい。

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— posted by 越智邦明 at 04:28 pm  

2011/6/16

15年ぶりの再会


6月11日(土)に、横浜の伊藤御夫婦に15年ぶりに会った。奥様は、くに~ず新聞2003年冬号(Vol 9)に「回復力を下さった先生」で投稿してくれているが、簡単に説明すると30年前に、私が母校東医歯大に勤めていた頃に、胆石の手術の執刀を行なった。医師と患者の関係であるが、ウマが合ったのかそれ以来、賀状は欠かさない。今から15年前に私の家族全員と御夫婦で東京は恵比寿のウェステンホテルの22F、鉄板焼「恵比寿」の一室を貸り切って食事会をした。次男は小学2年の坊主で御主人と腕相撲をして勝った写真が残っている(勝たせてもらった)。
月日は流れ一昨年、御主人が血管系の大病をした。数ヶ月の手術を含めた療養が続き、何度も奥様からコメントを求められた。その甲斐あって、今年になってほぼ全快に近い回復をした。それを聞いた私は、年初から15年ぶりに全く同じウェステンホテルのこれまた同じく恵比寿の一室を貸りて再会を計画した。この半年間、両家のみんなは、毎日6月11日を楽しみにした。唯一、違うのは新しいメンバーとして、ゆうちゃんとそのパパが加わったことだ。
長男は病院に急変患者が居なくて参加出来た。隣同士で積もる話を私は御主人と、家内は奥様とした。特に御主人が現役でマレーシアはペナンヘ海外出張した今から16年前に、是非にと呼ばれてやはり家族で遊びに行った話も懐かしく出た。バナナボートも楽しかったし、ドリアンに驚いたのも懐かしい。ドリアンは特有のにおいで好き嫌いがあるが、果物の王と言われている。お互いに年を取ったが、元気なうちに、しまなみ街道、道後温泉に来るようにと約束をして別れた。
ゆうちゃんも将来、この写真を見て色んな事を感じ取ってくれると思う。皆様もー生に1人か2人はこのような出会いの仲間が居ると思う。衆生の縁を大事にしたい。
翌日は恵比寿ガーデンプレイスで散策をして、大喜びのゆうちゃんでした。

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— posted by 越智邦明 at 05:31 pm  

2011/6/13

生卵


ユッケ騒動で忘れ去られているのが生卵。
以前、2009年6月22日のブログで詳しく卵の効能については書きました。さて日本人は生で食べる卵ですが、欧米や中国ではその習慣はありません。欧米の学者曰く、「欧米では生の卵は衛生上悪いと考えられているので、まず口にすることはありません。まれに80度のラム酒やブランデーに入れたり、“エッグノッグ”と言って牛乳ベースの飲み物にクリームや砂糖といっしょに溶き卵を入れて飲むことがありますが、お祭りなどの日に限られる」との事。
ではいつから日本人は卵を生で食べるようになったのか?食文化研究家の永山久夫氏によると江戸時代だそうです。同じ頃に白米が登場したのも大きい。甘味のある生卵は白米との相性がよく、職人が多かった江戸の人たちは塩気のあるしょう油をぶっかけて食べたそうです。しかしこの背景には、日本人の清潔好きな性格があったからこそ“生もの文化”が生まれたと言えます。まな板もきちんと洗うからこそ、刺し身など生ものを扱う日本料理も口にできたのです。
江戸時代に流行った川柳をひとつ。
「生たまご しょうゆの雲に きみの月」
最後に寄生虫学の教授が言ってました。「一応卵は水で洗ってから割るように」と。雑菌付着の恐れがあるそうです。

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— posted by 越智邦明 at 04:04 pm  

2011/6/9

2万5千年の荒野


ゴルゴファンなら知っている、1984年7月に描かれた「2万5千年の荒野」。
何故取り上げたかと言うと、この作品は当時、既に原発問題を取り上げた社会派の問題作としてきわめて評価が高く「THEゴルゴ学」(小学館)の読者アンケートで第2位となった人気作品である。
話はロサンゼルスから北方80kmのヤーマス原子力発電所(G&E社)が舞台。作業中にクレーンが加熱器の逃がし弁に当たり、それを主人公バリー技師が所長に報告する。
「はずしてレントゲンチェックをしましょう」と。それに対して所長は「安全弁が5つもあり、しかもE・C・C・S(緊急冷却装置)があるじゃないか。心配するな。」と却下する。
しかも「ロス五輪開会まであと2週間なので余計なことはするな。技術屋が完璧を目指す必要はない」と言い放った。それから事故が起こる。復水ポンプに異常が発生。
バリーは会長に2日後の通常運転の延期を申し出る。しかし会長はバリーを出入り禁止とする。
さて政府要人を招いての通常運転開始の日。出力80%まで行った所で突然の停電。しかし自家発電が入らない。圧力、温度共急上昇。とたんに構内にいた見学の一般人が一斉に逃げ出した。
緊急冷却装置も始動スイッチを入れるが作動しない。ここは逃がし弁だと作動するも反応がない。
「原子炉建物内に放射能」と作業員が叫ぶ。
排気口から外部に放射能が漏れ出した。風の計算をすると、3時間でロスに到達する。
「スリーマイルの時でさえ逃がし弁は開いていたぞ」とパニックに陥る。専門家が集まる。プルトニウム239の毒性について語られ、その半減期は「2万5千年」にみんな腰を抜かす。
最後はバリー達が決死隊となり、ゴルゴ13の手を借りて、サージ管を狙撃することに成功し、冷却水が入り成功となる。しかし主人公バリーは高い放射能を浴びて死んでしまう。
さて、ほとんどの用語が、毎日TVで耳にしている福島原発と一緒で驚いた。事故収束へ向けてのパニックは今と一緒だ。福島では多くの“バリー”が今なお命がけで作業をしている。さて原発と政治利権の絡み、原発メーカーと原発規制組織が表裏一体であることの弊害、エネルギー政策の在り方など、今日もなお解決されていない問題が本作では提示されている。この本の発表後2年経った1986年4月にチェルノブイリ原発事故が発生した。作者、さいとうたかお氏の先見の明に脱帽である。
(写真左はチェルノブイリ原子力発電所)

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— posted by 越智邦明 at 03:27 pm  

2011/6/5

誕生日


今日、6月5日は私の58才の誕生日である。幼少の頃に母から幾度も聞かされた話を一つ。生まれた日も梅雨の日であったが、夕方いよいよ産まれるというので(当時は自宅出産が当たり前だった。)産婆さんが父に向かって「早くお湯を沸かして」と命じた。そわそわした父は「はいよっ」と言ったまでは良かったが、それから5分して焦げ臭い匂いが充満した。何と空焚きだったのだ。この話が出るたびに今は亡き親父は頭をかいていた。
さて職員、知人や患者さんから多くのお祝いをいただき感謝に耐えない。還暦まであと2年。
先輩に言わせると「男が一番充実している時期だ」と。取り組んでいる「糖尿病」学への造詣を益々深め、患者さんへその知識をフィードバックしなければならない。やることは多い。「城北1の病院」になりたいと、開院時に抱負を職員に述べたことがある。いつの日か「城北1」になれるよう頑張りますので、応援よろしくお願いします。

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— posted by 越智邦明 at 03:55 pm  

2011/6/2

老医のつぶやき


聖路加国際病院の寺田秀夫先生が投稿されていた論文を引用してみる。
「最近の研究医はじめ若手医師は、コンピューターの画面ばかりに張りついている。もっと患者を(視診問診触診等)直接診察することに時間を割かねばならない。医療に携わる者には昔から心(heart)、技術(hand)、知識(head)の3Hが必要と言われているが、何よりも心(heart)だと思う。病める人を真に救い得るものは五感で感ずる医療、即ち心(heart)ではなかろうか。
カナダのモントリオール出身の世界的名医William Osler(1849~1919)内科教授の次の言葉がすばらしい。
“Listen to the patient.He is telling you the diagnosis”(患者に耳を傾けなさい。そうすると患者は貴方に診断を教えてくれますよ)。
「どんなに医療が進んでも温かい心、優しい笑顔、そして謙虚さこそが医療従事者にとって最も大切である」と述べている。
最後に寺田先生は「自身の入院生活の中で、最も慰められたのは頻回にベッドサイドに来てくれた礼儀正しく優しい女性の看護師の方々である」と結んでいます。
寺田先生の言葉の一つ一つを胸に刻みながら、私もがんばりたいと思います。

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(追伸)
梅雨になって毎日お気に入りの赤い長靴のゆうちゃんです。

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— posted by 越智邦明 at 08:01 pm  

2011/5/30

女性と喫煙


日本女性の喫煙率は12.9%であるが、20~30才台では明らかに上昇傾向で20%を超えている。「そんなバカな」と思われる男性諸氏も多いと思うが、皆さんの前で吸わないだけです。
さていくつかの医学的問題点を掲げてみる。
①喫煙と不妊
因果関係があり自然流産、早産は1.5倍になる。妊娠合併症(前置胎盤、破水等)も高くなる。唇、口蓋破裂や先天性心疾患等の先天異常も増える。
②子供
喫煙していた妊婦から産まれた子供は、男、女共に身長、体重が少ない。また注意欠陥多動性障害や特に男児では行動障害を起こす確率が高い。
③美容
活性酸素の影響を受けて弾性繊維であるエラスチンの構築が異常を来たし、しわが増える。また、しみやくすみをつくる。ポーラが女性30万人を調査した所、30才以降で皮膚のメラニン量が喫煙者の方が10~20%多く、肌年令が5才老化していたという。更に紫外線によく当る生活をしている人は、肌年令が10才老化していた。
その他、発癌の問題もありますので是非禁煙をしていただきたいものです。

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(追伸)
塩崎潤さんが5月27日亡くなられた。(享年93才)。先生とは義父、後藤田先生からのお付き合いであった。下の写真は先生の絶頂期即ち経済企画庁長官になられた直後の忙しい中を縫って、拙宅の落成式に来ていただいた時の一コマである。前日からSPが我が家の下調べに来て、大臣というものはすごいものだなあと感心したことを覚えている。写真に写っている親父や義母も今は居ない。赤い服は長女です。
潤先生のご冥福をお祈りしたい。

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— posted by 越智邦明 at 07:42 pm  

2011/5/26

寝汗


寝汗をかいた方は多いと思う。一般的には寝室が熱い、布団のかけすぎ等であるが、病気の事もある。当院で「寝汗」で発見された病気をいくつか紹介する。
①甲状腺機能亢進症(バセドー氏病)・・・大量の寝汗に加え昼間も熱い、微熱が続く、やせる、動悸がある、首が腫れる等の症状があり、甲状腺ホルモンの検査でわかります。
②自律神経失調症・・・汗は自律神経でコントロールされているのでこれが乱れると、大量の寝汗をかく。特に下半身にかく場合は、これを疑う。
③悪性リンパ腫・・・寝汗、発熱、体重減少の3つがそろう時は要注意です。
その他、結核やストレス過多でも起こります。
寝汗が続くときは一度診察を受けて下さい。

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— posted by 越智邦明 at 04:48 pm  

2011/5/23

児玉 清さん逝く


みなさんおなじみの児玉清さんが16日亡くなった。(享年77才)。やはり何といっても昭和50年に始まった「パネルクイズ アタック25」の司会として知らない人は居ない。私も30年前から日よう日の午後は暇な時は決まって「アタック25」と「新婚さん いらっしゃい」を見ることにしていた。アタック25で頭を使い、新婚さんでゲラゲラ笑うバランスが好きであった。
児玉さんは学習院大学では演劇部で、篠沢秀夫さん活動していた。卒業後、東宝のコンテスト「ニューフェイス」に合格し、黒澤明監督の「悪い奴ほどよく眠る」に出演した。一方、TV俳優として「白い巨塔」「HERO」など数々の人気連続ドラマにも出演した。一方、読書家としても知られ、ある時「本って捨てられないんですよね。家は本で占領されている」と話されていた。「アタック25」は一般出場者を気遣う、知的で誠実な司会ぶりがお茶の間の幅広い年齢層で支持された。ひとえに誠実な人柄の賜物だと思う。もう一つ有名なのは趣味の「切り絵」。最後まで病室に道具や材料を持ち込んでいたと言う。
児玉さんが切り絵について2003年12月に出版した本「たったひとつの贈りもの」(下の絵)は、ネット販売のアマゾンで2位となり、売り切れが続出している。
さて本題に入ろう。児玉さんは死因は胃癌であった。今年2月に体調がすぐれず、検査を受けた所、肝機能異常が見つかり更に調べているうちに、胃癌及びその肝転移と分かった。
娘さんが奇しくも2002年36才で胃癌で亡くなっている。私は母校、東医歯大に居た時は胃班(マーゲン斑)に属し、毎日のように胃癌の手術をしていた。今から30年前はエコーやCTもなく、胃癌はとに角、開腹が行われた。今でも思い出す数々の転移例。肝臓や腹膜に多発性転移を見つけた時は、何もせずに閉腹となった。むなしかった。
検診のあまり発達していなかった当時は、胃癌はがん死因の一位であった。
さて児玉さんほどの有名人は社会的地位や責任もあるのに、どうして検診を受けなかったのか、まわりもどうして勧めなかったのか残念でならない。一説によると、児玉さんは極度の医者嫌いだったと伝えられている。王監督のように早期で発見できれば腹腔鏡下での摘出が可能な時代となった。もっと早期なら、内視鏡的切除も可能である。
どうか児玉さんの死を無駄にしないで、皆さん1年に1回は検診を受けていただきたいと痛切に願っております。

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— posted by 越智邦明 at 12:53 pm  

2011/5/19

食べ合わせ


「食べ合わせ」って昔から言われますね。食材は薬と同じで数種類を上手に組み合わせると、その効き目が倍増します。最近の薬で言うと、「降圧剤」と「利尿薬」。それぞれ単独で服用しても大して下がらなかった血圧が、組み合わせるとぐ~んと下がります。最近はこの合剤も登場しています。
さて食べ合わせ研究の第一人者で、栄養学博士の白鳥早奈英氏の論文から引用してみよう。
①メタボ対策・・・牛肉とタマネギ。タマネギの成分に中性脂肪を減らす働きがある。パスタ料理と赤ワイン。赤ワインのポリフェノールが脂肪を燃焼させる。
②糖尿病予防・・・レバーとニンニク。ニンニクに含まれるアリシンが、糖質を燃焼するために不可欠なビタミンB1の吸収を高める。
③がん予防・・・シイタケとブロッコリー。シイタケにはレンチナン、ブロッコリーにはスルフォラファンとそれぞれがん抑制物質が含まれていて相乗効果がある。
④高血圧予防・・・トマトとサトイモ。トマトのルチンが毛細血管を丈夫にし、サトイモのカリウムが余分な塩分を排出する。
⑤肝臓病対策・・・鶏肉とイカ(タコ)。鶏肉に含まれるメチオニンには、肝臓を強くする作用があり、イカやタコに含まれるタウリンにはアルコールの分解を助ける働きがある。
⑥心蔵病予防・・・タマゴとバルサミコ酢。バルサミコ酢のクエン酸がタマゴの悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす。
以上、是非試して下さい。なお、逆もあってキュウリとトマトはキュウリの酵素がトマトのビタミンCを破壊するので良くありません。
(追伸)
ユッケの問題は深刻ですが、これは私が以前にブログで警告したように、生の獣肉は食べないことです。これを禁止条項にしていない厚労省が不思議でなりません。急性食中毒のみならず寄生虫の問題もあるからです。15年ぐらい前に愛媛大の寄生虫学の専門医に教えてもらいましたが、唯一、生で食べれるのは馬だけで「馬刺しは越智先生、絶対大丈夫ですよ」と言われてから馬刺しファンです。ただ最近の研究では、外国産馬は避けること、一定時間の冷凍処理はした方が良いそうです。

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— posted by 越智邦明 at 10:36 am  

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