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越智クリニック
 
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2012/5/21

血管が詰まる


天皇陛下が心臓の血管(冠動脈)の閉塞に対して手術を行ったことで冠動脈に対する国民の関心が高まった。冠動脈が詰まると、そこから先に血が通わないので心筋が腐る、即ち心筋梗塞という事態に発展する。
さてこの「血管が詰まる」という病態に対する考え方が最近変わってきたので紹介する。
従来の考え方は冠動脈が徐々に徐々に狭くなっていって、とうとう閉塞してしまうといったものであった。ところが急性心筋梗塞の多くは冠動脈が突然閉塞されるということが分かってきた。道路でたとえると交通渋滞が徐々にひどくなって、一台も通れなくなるのが前者、そして後者は突然の土砂くずれで道がふさがれて通行不能になる状態と考えたら分かりやすいと思う。
病態的にはじわじわ詰まる原因因子としては、悪玉コレステロール、中性脂肪、糖尿病があげられる。突然詰まる原因因子は高血圧、喫煙、交感神経の緊張があげられる。とくに急激な血圧の上昇で血管の内皮に傷が出来、それをふさごうと血小板が集まり血栓が出来て血管内腔にフタをする恰好になる。これが今、最も注目されている「急性冠症候群」というものである。
さて、高脂血症で悪玉コレステロールはよく下がっていても、食後の中性脂肪値が高いのも要注意といわれる。数値が500なんていう人も結構居る。
さて最後に心筋梗塞の性差について論じたい。男性は発症リスクは60才くらいで頭打ちになり、その後は横ばいになる。その60才くらいから上昇するのが女性である。女性は女性ホルモンによって血圧の上昇や動脈硬化が抑えられていますが、閉経になると動脈硬化が進行します。70才になると動脈硬化の程度が男性と変わらなくなります。
増え続ける心筋梗塞。注意したいものです。

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— posted by 越智邦明 at 01:29 pm  

2012/5/17

紫外線のおそろしさ


皮フ科の専門医達が加齢によって紫外線の害が深刻化すると警告している。
「日焼け対策」は女性のものと思っている男性が多いが中高年男性こそ、より注意が必要である。
紫外線による慢性の害の多くは「累積暴露量」によることから40代より50代、50代より60代が高リスクである。皮膚ガンはじめ白内障も発生する。
日焼け止めクリームや帽子をかぶるのも大事。
長袖を着るだけでも相当避けれる。
男性用日傘も売れ行き好調らしい。裏張りに遮光率100%の1級遮光生地を使用した高UVカット商品である。
又面白いのはUVケアレンズを施したダテメガネを日焼け対策商品として売り出しているのが「Zoff」。レンズが透明なダテメガネなら仕事中も違和感がないし目にも安全である。サングラスは仕事中しにくいし極端に遮光性の高いサングラスは瞳孔を開かせるため紫外線を多く取りこみやすいとの説明もある。
5月でも紫外線は十分強いです。早めに対策をして下さい。

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— posted by 越智邦明 at 11:42 am  

2012/5/14

ゆうちゃん2才半


ゆうちゃんも2才半を越えて、ますます活発になってきた。
恒例の芝桜見物ややぎのエサやり、お友達との楽しい会話、得意のカラオケと忙しい。
本日はゆっくりと写真の数々をご覧下さい。

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— posted by 越智邦明 at 10:47 am  

2012/5/10

宇和島ぶらり旅


5月4日(金)、連休の中日に宇和島へ行ってきた。
目的は以前より登りたかった宇和島城。私の生まれ故郷、今治の今治城は藤堂高虎が築城したが、愛媛にはもう一つ藤堂が造った名城が宇和島城である。1601年に築城したわけだが、城の外部は上から見ると不等辺5角形をしており随所に築城の名手と言われた高虎ならではの工夫が見受けられた。高虎のあと、伊達政宗の長子、秀宗が入城し「伊達十万石の城下町」と宇和島は呼ばれるぐらい、奥州とのつながりも深い。城は現市街地のほぼ中央に位置し、最上階からは四方が見渡せ、リアス式海岸の海の景色にも感動した。登山に際し家内はボランティアの方が貸してくれた杖が大変役に立ったと言っていた。
さて復習ですが、宇和島には歴史に残る多くの人物が登場します。何度もくに~ず新聞の「日本の唱歌」に登場する大和田建樹(1857~1910)は宇和島市丸之内出身です。「鉄道唱歌」の作詞者としてあまりにも有名です。次に8代藩主、伊達宗城が蘭学者の高野長英を別邸にかくまったこと、司馬遼太郎が「街道をゆく」の中で宇和島を取り上げていること等、江戸から僻遠の地である宇和島には多数の歴史的ロマンがあります。ゆうちゃんには将来是非、史跡を一つ一つ訪ねて欲しいものです。
下山したあと、伊達博物館を訪れましたが、伊達政宗ゆかりの品々も家宝としてたくさん陳列してあった。歴代藩主の善政によって殖産産業、文化の興隆はめざましく香り高い幾多の文化遺産を見ることが出来た。
さて今回の旅の目的のもうひとつは宇和島に寄港した練習帆船「日本丸」を見ることであった。
白い帆船を広げた姿から「太平洋の白鳥」と呼ばれている。日本丸は全身110m、船底から55mの高さのマストを持つ大型帆船。乗組員171人が乗船し国内外の海上で訓練を重ねている。宇和島には1991年に入港して以来21年ぶりとの事。当日は船内一般無料公開とあって実に多くの人が列をなした。私が行った時は長蛇の列で1時間かかると言われさすがに並ばなかったが、待ち合わせたゆうちゃん家族と写真を撮ったり眺めたりと実に楽しい時間を過ごすことが出来た。やや肌寒い1日であったが充実した1日であった。相変わらずせんべいの大好きなゆうちゃんでした。
それと、1才半から言い続けてきた「くちくー」というナゾの言葉。今回「ゆうちゃん、くちくーとは何の事?」と聞いたら、「こんにゃくの事」とはっきり答えてくれた。やっと解明し胸のつかえがみんなおりました。

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— posted by 越智邦明 at 04:51 pm  

2012/5/7

ザ・プリンスパークタワー東京


連休の初日にあたる4月28日(土)、パークタワー東京での糖尿病の研究会に出席した。「これからの糖尿病治療を考える」と題した講演。
今や糖尿病分野では2年前から発売されたDPP-4阻害薬を抜きにしては語れない。週刊誌でもこの薬を取り上げる記事が多いが誤解も多い。この薬は従来のSU剤と異なり何といっても「低血糖を起こしにくい」「体重増加が見られない」等の利点がある。しかしどんな段階の糖尿病にも効くわけではなく、そのあたりの説明を省いて「夢の新薬登場!」と言った記事を目にした患者さんが先週も見えた。この方はインスリンを必要とする重度の段階で、残念ながら現時点では適応がない事を告げた。
さて会は今やこの分野のトップである清野裕Dr.の開会の辞で始まり、計5人のDr.から話を伺った。いくつかの要点を書いてみたい。
①DPP-4阻害薬の研究が進み、インクレチンは血糖降下作用の他に心血管保護・抗動脈硬化作用やがん、骨粗鬆症の予防効果も示唆されている。
②糖尿病治療においては何といっても体重増加が一番の治療阻害要因であることが分った。どんな新薬も過食で体重コントロールが悪ければ全く効かないということである。更にBMIが小さいと効きやすいことも分った。
③食事の食べる順が大事だと述べたのは、関西電力病院の矢部大介Dr。仮説(下絵)ではあるが、野菜等の食物繊維→魚等のタンパク質→ごはん→デザートといった摂り方を推奨した。更に魚を摂れば摂るほどHbA1Cが下がることを発表した。
今やDPP-4阻害薬は世界で2000万人の人が使用し、日本では現在200万人が使用している。この薬は単独で効かない場合は色々な薬との組み合わせで良い効果が生まれることも分ってきたが、その「組み合わせ」はまさに医師の裁量である。
最後は東大の門脇Dr.が締めくくって3時間の講演が終了した。私も講演を活かして大いに勉強したい。
最後に宿泊したパークタワー東京は東京タワーのすぐそばで、芝公園の自然のうつろいを間近に見れる素敵なホテルでした。おいしい朝食と芝公園から見たホテル並びに東京タワーをご覧下さい。

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— posted by 越智邦明 at 07:24 pm  

2012/4/26

有床診療所


当院は有床診である。つまり入院ベットを19床有している。ところが有床診は年々減少の一途をたどっている。ひとつには高齢医師がベットを閉鎖すること。もうひとつは若手開業医がベットを持つことで24時間拘束されるのを嫌うからである。新規開業医のほとんどはベットを持たないのが今や流行である。
しかし私はベットがあるおかげで真の医療、完結型の医療が出来ると考える。例えば腹痛がひどい患者が来院したとする。鎮痛剤の注射をして帰して夜中にひどくなる可能性がありそうな方は一泊入院してもらう。肺炎等は酸素吸入等も必要であるから無床では無理である。
政府も無策ではない。4月4日に民主党は「有床診療所を応援する議員連盟」(会長、櫻井充)を立ち上げた。櫻井氏は我が母校、医歯大の卒業生であり応援している。彼は「自民党政権下、有床診は廃止の方向で動いていたが、我々は地域医療の中核を担っていく大事な医療機関という認識だ。大きく方向転換したい。」と強調している。
設立総会にも仙谷氏や足立信也氏も出席している。
大病院は今や入院日数の短縮化を競っている。我々が例えば癌を発見して大病院で手術をしてもらう。術後、落ちついた時点でまた私の所へ帰って療養してもらう。他にも大病院で癌が再発して積極的な治療の方法がない方を我々が受け入れる。つまり国の言う「病診連携」である。
体力の続く限り、地域医療に貢献したいと思っている。

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— posted by 越智邦明 at 05:14 pm  

2012/4/23

危機一髪


25年も開業医をやっていると、危機一髪の症例がいくつもあった。それを述べることで皆様の参考にしていただいたらと思う。
①腹痛(その1)
腹痛の上に背中が痛いと来院した60才の男性。検査の結果は「急性膵炎」。直ちに入院させ中心静脈栄養(IVH)管理下に治療を行い約3週間で治ゆした。来院時には血圧80/60とショック前状態であった。もちろん開腹手術が必要な場合もある。
②腹痛(その2)
68才の男性。腹痛と共に激しい嘔吐。便は出ない。他院で感染性腸炎と言われたが治らず来院。診断は「腸閉塞」。開腹手術を行い、既に腹水が多量たまっていたが腸切除で一命を取り留めた。
③見え方がおかしい
眼科をすぐ紹介したら「網膜剥離」であった。52才の女性だが、あと1日遅れたら失明していたと言われた。
④胸痛
64才の男性。昼休みに来院し心電図で「狭心症。」すぐに日赤へ送り、冠動脈造影が行われ、いくつかの冠動脈が閉塞していて内科的治療(PCI)で一命をとりとめた。
天皇陛下の手術で有名になった「狭心症」。珍しくはないが急を要する。
⑤耳がきこえにくい
一番怖いのが「突発性難聴。」2~3日以内に副腎皮質ホルモンの治療が必須。何人も助けて来たが、放置したため一生、難聴になった人をたくさん見てきた。
⑥体の左右どちらかがしびれる
一過性脳虚血発作(TIA)であるが、半年以内に「脳梗塞」を起こすことが多い。ろれつが回りにくい等も早期の脳梗塞の可能性が高く急を要します。

以上、いくつかを述べてみましたが、病気にはこの期間を過ぎたら手遅れというリミットがあります。「ちょっと様子を」が命取りになることがあります。だからこそ、かかりつけ医を持ちましょう。

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— posted by 越智邦明 at 05:27 pm  

2012/4/19

誕生会


4月15日(日)、1年ぶりにナースの子供達の誕生会を保養所で行った。前回に続き4才になったひゅうが君と新顔で2才になったゆうと君が主役である。ひゅうが君は2才からだから3回目のお祝いである。当日は晴天に恵まれ、散り際とは言え、桜の花も見事であった。保養所の周囲に5年前に植えた6本の桜もずい分大きくなって花をつけていた。二人のママもこの子達の発育を毎日楽しみにしながらナースという仕事に精を出している。
ゆうと君は寝足りなかったのか食事が進まなかったが、バースディケーキやプレゼントタイムになると突如元気になって笑顔満面になった。
海岸で砂遊びをしたり、来島海峡を行き交う多くの船を見ながら楽しい1日を過ごすことが出来た。日本の将来はこの子達が担っている。
今は小さくてもすぐにこの子達の世代になる。
日本の将来を託したいと思う。

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— posted by 越智邦明 at 10:08 am  

2012/4/16

糖尿病 脚編


62才の男性患者Aさん。ゴルフが趣味だったが「最近カートなしでは坂道が登れない」と訴えた。
この方は糖尿病の持病があったが放置状態で当院へやって来た。早速調べると食後血糖値323mg/dl、HbA1c=9.2%、更に足の血行不良があり、ブログで何回も取り上げた糖尿病合併症の一つである「閉塞性動脈硬化症」(ASO)を起こしていた。ASOは糖尿病や高血圧などの生活習慣病が原因で4つの段階がある。①脚が冷たい・しびれる ②脚が痛くて休み休みの歩行になる ③安静にしても脚が痛い ④足の壊疽を起こし切断になる。
Aさんはすぐに公立病院を紹介し血行再建術を受けて事なきを得たが、執刀医にこっぴどく怒られたそうです。「越智先生に発見してもらわなかったら、来月には切断になっていた」と。そして今後の服薬管理、生活指導を含め、入念に注意されたようです。
さて合併症臓器のうち脳、心臓、脚のどの血管が最も早く障害されると思いますか?それは脚の血管です。脚の血管が詰まる人は放置すると近いうちに脳や心臓がやられて脳卒中や心筋梗塞を起こします。ASOの人は約5割が5年以内に心筋梗塞か脳梗塞を起こし、5年生存率は6割と報告されています。
脚がだるいと思ったら放置せず主治医の所へ行きましょう。

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(追伸)
春になって屋外に飛び出したゆうちゃん。春を満喫しているようです。

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— posted by 越智邦明 at 05:25 pm  

2012/4/12

ゴマ


ゴマはゴマ科の一年草です。果実が熟すとはじけ、中から多数の種子がこぼれます。この種子のことをゴマと言い、色によって黒ゴマ、白ゴマ、金ゴマ、黄ゴマなどと呼ばれています。ゴマの原産地はアフリカ大陸ですが、インドをはじめアジア諸国で多く生産されてきました。
さて日本で使用されるゴマは99.9%を輸入に頼っています。2006年のゴマの輸入量が16万トン。一方、国内生産量は200トンですから悲しいです。国産のほとんどは鹿児島県喜界島で生産され、8~9月の収穫時期にはセサミストリート(ゴマ道路)が出現することで有名です。
歴史的には室町時代に日明貿易で茶と共に日本全国の庶民に広まりました。
食材としては「すりごま」「ごまダレ」「練りごま」「ふりかけ」「ごま油」があります。
ゴマには脂肪とタンパク質が多く含まれているため油、薬用、食用に多く用いられていました。特にゴマ油は食用、薬用の他に灯火用としても暮らしになくてはならない存在でした。
最後にゴマに関する言葉を拾ってみました。
「開けゴマ」(アラビアンナイトの中でのopen sesame)、「へそのゴマ」「ごま塩頭」「ゴマフアザラシ」「ごま塩ノイズ」「ゴマをする」-英語では「He is good for an apple-polisher.」(リンゴ磨きがうまい=ごますり上手)これはイギリスで生徒が先生にリンゴを磨いてあげる習慣があったことからこう言います。
最後に、子供を中心にゴマアレルギーが急増していることも注意して下さい。

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(追伸)
すっかり春らしくなりました。当院の屋上もチューリップはじめ満開です。心もウキウキですね。

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— posted by 越智邦明 at 04:59 pm  

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