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2012/4/23

危機一髪


25年も開業医をやっていると、危機一髪の症例がいくつもあった。それを述べることで皆様の参考にしていただいたらと思う。
①腹痛(その1)
腹痛の上に背中が痛いと来院した60才の男性。検査の結果は「急性膵炎」。直ちに入院させ中心静脈栄養(IVH)管理下に治療を行い約3週間で治ゆした。来院時には血圧80/60とショック前状態であった。もちろん開腹手術が必要な場合もある。
②腹痛(その2)
68才の男性。腹痛と共に激しい嘔吐。便は出ない。他院で感染性腸炎と言われたが治らず来院。診断は「腸閉塞」。開腹手術を行い、既に腹水が多量たまっていたが腸切除で一命を取り留めた。
③見え方がおかしい
眼科をすぐ紹介したら「網膜剥離」であった。52才の女性だが、あと1日遅れたら失明していたと言われた。
④胸痛
64才の男性。昼休みに来院し心電図で「狭心症。」すぐに日赤へ送り、冠動脈造影が行われ、いくつかの冠動脈が閉塞していて内科的治療(PCI)で一命をとりとめた。
天皇陛下の手術で有名になった「狭心症」。珍しくはないが急を要する。
⑤耳がきこえにくい
一番怖いのが「突発性難聴。」2~3日以内に副腎皮質ホルモンの治療が必須。何人も助けて来たが、放置したため一生、難聴になった人をたくさん見てきた。
⑥体の左右どちらかがしびれる
一過性脳虚血発作(TIA)であるが、半年以内に「脳梗塞」を起こすことが多い。ろれつが回りにくい等も早期の脳梗塞の可能性が高く急を要します。

以上、いくつかを述べてみましたが、病気にはこの期間を過ぎたら手遅れというリミットがあります。「ちょっと様子を」が命取りになることがあります。だからこそ、かかりつけ医を持ちましょう。

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— posted by 越智邦明 at 05:27 pm  

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