神奈川県の男性がイナダ(=はまち)の刺し身を食べて激しい腹痛を訴え、胃の中からアニサキスが発見された。佐賀県でも40才女性がサンマの刺し身を食べて同じ症状となった。国立感染症研究所によると、アニサキスが原因の食中毒は1年間に2000~3000件と言う。母校東医歯大の藤田紘一郎名誉教授は言う。アニサキスはクジラやイルカの胃の中で成虫になる寄生虫です。産み落とされた卵はフンなどと一緒に海中に放出され、それを捕食したオキアミの体中で幼虫に発育します。そのオキアミを食べる魚から人間の口に入る。人間の胃や腸の中で暴れ回り、歯を突き立てて胃の粘膜に入り込む。激しい腹痛や嘔吐を起こし、中には腸の切除に至るケースもある。アニサキスが胃に入ると6時間で激しい腹痛が起こります。ふつう内視鏡で取り除きますが、腸まで入ると腸閉塞を起こし腸の切除となることが多いです。予防は徹底するなら加熱処理か、マイナス20度で24時間冷凍したものを食べるしかありません。
アニサキスは魚の内臓に寄生しています。不慣れな人がさばくと、内臓を取り除くときにアニサキスが身の方へ移動します。
新鮮な刺し身を肴にキュッと一杯は至福ですが、なるべく避けた方が無難かも知れません。