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2013/12/24

ノロウィルス


寒い季節になり、今年も各地でノロウィルスの集団感染が相次いでいる。激しい下痢や嘔吐による脱水症状で死亡するケースもある。抵抗力の弱い子供や高齢者だけでなく若者も感染するから油断ができない。ノロウィルス感染が12~1月の冬季にピークを迎える理由は、はっきりしていません。ただノロウィルスは高温に弱いため夏場は2~3日で死滅しますが、冬場は1~2週間も生き続けるケースが確認されています。
今の所、抗生物質が効かずワクチンも開発されていない。ノロウィルスは直径38㎚(ナノメートル)と非常に小さく、インフルエンザウィルスの3分の1しかない。その分、手の細かいシワの間などに入り込みやすく、少し手を洗ったぐらいでは落としきれません。おまけに感染力が強く10~100個ほど口に入っただけで感染が成立します。食中毒を引き起こすサルモネラや腸炎ヒブリオは10⁴~10⁵個が入らなければ感染しないことを考えると驚異的です。
さて対策として、①アルコールではウィルスを殺せずせっけんで泡立てて洗い流す。シワの間のウィルスを流すため流水で30秒以上手洗いをする。②高温に弱いので、かきなどの二枚貝は85~90度で90秒以上加熱する。③ラクトフェリンを摂る。ナチュラルチーズや牛乳に含まれる。もともとヒトの母乳に多く含まれるタンパク質で免疫力をアップさせます。
以上、体の外からも中からも感染を防ぎましょう。

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— posted by 越智邦明 at 03:32 pm  

2013/12/19

森林浴


森の中にいると落ち着くーこの森林浴効果の研究が進んでいる。森林浴を楽しむ人々の基点となる「森林セラピー基地」が全国に53カ所ある。そこでは、緑の中でいやし効果を実感している。森林コンダクターの松山繁さんが言う。森林浴の前に参加者の唾液を採取してストレス度をチェック。朝~夕まで、7時間自然を満喫して再びストレス度を測る。おおむね唾液中のコルチゾールというストレスホルモンの濃度が低下し、いやし効果が得られている。研究会の別の論文には次のように解説している。森林の中ではストレス時に高まる交感神経活動が抑制され、副交感神経活動が活発になる。血圧の低下や脈拍の減少など自律神経系の改善が見られ、これがまさにいやし効果です。その要因は森林の樹木が光合成で作り出す“フィトンチッド”という揮発性物質。病害菌に感染しないよう殺虫、殺菌する物質です。フィトンチッドが人体に実に有益で、自律神経を安定させ肝機能を改善し快適な睡眠をもたらすそうです。その他、消臭、脱臭効果もあるようです。
是非、森の空気を目いっぱい吸ってみて下さい。

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— posted by 越智邦明 at 05:33 pm  

2013/12/16

酒場の文化史


海野弘著の「酒場の文化史」(講談社)を読んでみた。
酒は紀元前1万年には初めは蜜、次に果物の発酵したもので造られていたとまず書かれる。やがて狩猟文化になり、紀元前8000~9000年には犬や羊が家畜化したが、まだ住居は洞窟で夜はここでたき火し肉を焼き酒を飲んだ。我々が狭くてすっぽりと包みこまれるような酒場を好むのも、その原形が洞窟であったせいかも知れないと思う。やがて共同体が成立して文化が誕生すると、ペルシャ人は重要な事柄は酒を飲みながら相談する習慣ができた。主人はそのとき皆が賛成したことを翌日、しらふのときにもはかり賛成なら採用、そうでなければ廃案。逆にしらふの時の案は酒の席でもう1度見直した。これなどは現代でも有効な知恵である。
イギリスでは酒場と宿屋はセットで発達し、その度合いによりイン、タバン、エイルハウスと名がつく。18世紀にはパブリックハウスと呼ばれる中流階級のための酒場が姿を現した。〈パブ〉即ち〈公共のための場所〉で、そこはニュースの集積所であり催しの会場であり職業紹介所であり裁判の場所でもあった。条件はパブリックルーム(広間)があること。バーはそこで酒を売る台のことで、カウンターバーはこれが起源。更に、パブをパブリックとプライベートに仕切り、後者が会員制の紳士クラブとなった。高級なサルーン・バーは互いのおしゃれや社交を鏡に映して楽しむ場となり、それが鏡張りインテリアの起源である。フランスでは外に出て街を楽しむカフェ・バーとなる。等々楽しく読みました。何だか今夜は薄暗がりのバーで一杯やりたくなりました。

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(追伸)
12月12日の「下仁田ネギ」を見てくれていた薬品会社のH君から13日、「先生、ネギが手に入りました」と早速いただいたのにはビックリ。H君もブログを読んでいなかったら、どこのネギか分らなかったと。不思議な縁ですね。H君、ありがとう。

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— posted by 越智邦明 at 03:13 pm  

2013/12/12

下仁田ネギ


以前にこのネギは群馬県下仁田周辺に取れること、そして患者Bさんが毎年送ってくれるお話をした。その患者さんも以前に亡くなり入手出来なくなった。Bさん曰く「このネギは真似をしようと松山に植えても育たんのですよ。群馬じゃないとダメなんですよ」と説明をよくしてくれた。(土壌・気候のせいと言われている。)そのBさんがよくしてくれた話のひとつをしましょう。
下仁田ネギは太くずんぐりした形状で、加熱すると甘味が増します。旬は11月からで収穫時期が最大4カ月。まさに冬の植物。群馬の人は寒けがする、いわゆる「冷え風邪」のときにネギが一番と言う。群馬名物「下仁田ネギのすき焼き」を食べると、ネギが体を温めて汗をかき、まさに「風邪よけ」と信頼されているそうです。地元ではその他、たき火の中に放り込んで「焼きネギ」にして食らいつく、といった光景も。12月になると下仁田町のほたる山公園で下仁田ネギのオブジェが光り輝く「ネギミネーション」が点灯されるほど愛されている名物だそうです。下の画像を参照。
地元の人は、すき焼きの中のネギは肉よりとろける味わいでまさに主役とも絶賛するそうです。「殿様ネギ」とのニックネームもあるとか。下仁田ネギは手に入らなくても「冷え風邪」にあつあつのネギを食べましょう。

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— posted by 越智邦明 at 02:25 pm  

2013/12/9

クリスマス梗塞


欧州では「クリスマス梗塞」という言葉がある。クリスマスに暖かいレストランで食事をしてから急に寒い店外に出ると、温度差によって心筋梗塞や脳梗塞を発症するケースが増えることから生まれた言葉です。温度差は血管を直撃するのです。
厚労省の統計では心筋梗塞などの心臓病による死亡数は1月が最も多く、次いで2月、12月、3月と冬季に集中していて、夏季の1.5倍に上る。イギリス医師会発表でも気温が1度低下すると心筋梗塞の発症が28日間で2%増加するとある。
このメカニズムを少し詳しく説明する。気温が下がって寒くなると、人は血管を収縮させて血管内を流れる血液の量を減らし、熱を体外に逃がさないようにします。また代謝を活発にして体温を上げるために、アドレナリンが過剰に分泌されます。血管が縮んで細くなるとポンプである心臓は大きな力で血液を送り出さなくてはなりません。そのため血圧が上がり、心臓の負担が増えます。また冠状動脈が細くなり血液が固まると急性心筋梗塞になります。同じことが脳の血管でも起こります。
自衛策として急激な血圧の変化を防ぐため、寒い日の外出時は厚手の服、帽子、マフラー、手袋等で防寒対策をとって下さい。風呂の脱衣場やトイレも暖めておきたいものです。温かい飲み物も大事です。
前日との気温差が大きい日は要注意なのです。

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— posted by 越智邦明 at 01:03 pm  

2013/12/5

永遠の0


「永遠の0」(えいえんのゼロ)の試写会に先日行ってきた。
百田尚樹の発行部数350万部を超えるベストセラー小説である。「ALWAYS三丁目の夕日」シリーズを手がけてきた、山崎貴監督のメガホンで映画化された。
出演者には主人公のゼロ戦パイロット・宮部久蔵役に、V6の岡田准一。
ドラマは人生の目標を失いかけた青年・佐伯健太郎が、本当の祖父は太平洋戦争で特攻により戦死したことを知ることから始まる。生きることに強く執着した祖父が何故・特攻に志願したのか?元戦友たちの証言から徐々に祖父の実像が明らかになってゆく。
今年は「風たちぬ」でも「ゼロ戦」が取り上げられたが、永遠の0では唯一オリジナルエンジンで飛行可能なゼロ戦からエンジン音が収録され使用されていて迫力があった。そして新たに零戦二一型の原寸大模型が制作されたため、かなり実映像に近い。戦友の中では私は、橋爪功さんの演技が気に入った。反戦平和が叫ばれる日本―改めて「特攻」というものを取り上げて日本人に問いかける今回の映画。岡田准一さん、すばらしかったです。
尚、主題歌はサザンの桑田佳祐書き下ろしによる「蛍」でした。
是非、見て下さい。12月21日(土)公開です。
最後に、シネマサンシャイン専務取締役の佐々木淳さんに厚く御礼申し上げます。

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                       夏八木勲さん
(追記)
夏八木勲さんは本年、5月11日膵臓がんで亡くなりました。
本作品が遺作となり、謹んでお悔やみ申し上げます。

— posted by 越智邦明 at 01:18 pm  

2013/12/2

奇跡の脳


ジーン・カーパー著(丸元淑生訳)の「奇跡の脳をつくる食事とサプリメント」(上・下)(角川春樹事務所)は、発売以来10年以上読まれているロングセラーの文庫化。脳機能を左右する栄養素について詳しく解説している。
成人の脳は1日何千、何万個もの細胞が死滅し、加齢に伴いそのスピードは加速。老年を迎える頃には最盛期の40%もの脳細胞が失われると言われてきた。しかし近年では脳に必要な栄養素をしっかり取り続けることで、老化を最小限に食い止められることが分かってきた。例えばトマトに多く含まれるリコペン。ケンタッキー大学の調査では、1日16.5mgのリコペンを21日間摂取させると脳機能の改善が見られたと言う。
記憶力を回復させる葉酸、脳を活性化するセレンなど脳に効く栄養素のすべてをわかり易く書いています。
21世紀は「癌」と共に「認知症」の治療薬が大きなテーマになっています。

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(追伸)
娘が友人の結婚式出席のため松山へやってきました。ゆうちゃんはその間、私と長い時間を過ごしました。4才になってすっかり手がかからなくなりました。ボージョレ・ヌーヴォーの乾杯やかるた取りもサマになっています。モデルのポーズをとったり、写真も撮ってくれます。(最後の2枚はゆうちゃん作です。)

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— posted by 越智邦明 at 12:54 pm  

2013/11/28

菌活


柚木さとみ著「からだがよろこぶ!菌活レシピ」(幻冬舎ルネッサンス)を読んでみた。
下表の「菌不足チェックリスト」にトライすると、自分に足りない菌がわかる。菌と言ってもバイ菌ではなく、乳酸菌などの「菌」を食べて健康になろうというのである。5つの菌のパワーは以下のとおり。①塩麹ブームの麹のチカラは、消化を助けることとうま味を増すこと。②ヨーグルトでおなじみの乳酸菌のチカラは、腸内環境を整えること。便秘予防。③ナットウキナーゼを含む納豆菌のチカラは、血管を若く保ち血栓を溶かす作用と骨の強化。④酢菌の力は、疲労回復と高血圧、高血糖、高コレステロールをまとめて抑制。⑤きのこなどの菌類のチカラは、美肌効果と整腸を助けること。
暑さでバテた体に活力を与えてやって下さい。

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— posted by 越智邦明 at 05:16 pm  

2013/11/25

老化予防


細胞は老化すると形が扁平になり核も変形した「老化細胞」になります。そこに慢性炎症が加わります。この代表は歯周病です。歯と歯肉の間の隙間、つまり歯周ポケットがあるとこの炎症はずっと拡大します。そして白血球からサイトカインが産出され、これが全身の血管を傷つけます。そのため動脈硬化が進んだり、糖尿病を引き起こしたり、悪玉コレステロールが上昇したりします。つまり局所の慢性炎症が全身に悪影響を及ぼし「老化」につながるのです。
炎症は内臓では「胃」にも起こります。有名なピロリ菌の存在は胃炎を増長させ、アルツハイマー型認知症も悪化させると言われています。また鉄欠乏性貧血も起こすといわれています。ピロリ菌の除菌は老化の進行や全身の諸症状(貧血、頭痛、慢性じんましん)の改善の可能性を持っています。
歯も胃も健康にしておくことが老化予防につながります。

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(追伸)
ゆうちゃん曰く、「私はまだまだ若いわよ」。

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— posted by 越智邦明 at 01:28 pm  

2013/11/21

ウソ


民俗学者の柳田国男が「ウソらしきウソはつくとも誠らしきウソはつくな」という言葉を紹介している。そして次のような逸話を書いている。
家来に酒を禁じた豊臣秀吉の前にお気に入りの側近、曽呂利新左衛門が真っ赤な顔をして現れた。「飲んで来たな」「いや寒いので・・・焚き火にあたって参りました」
「ウソをつけ。かいでみるぞ・・・いや臭い」「さようでしょう。酒樽を焚いてあたりましたから」
最近、「権威ある」といわれた組織がウソを見破られて告発されるケースが跡を絶たない。ウソをかばうために、またウソをつくから余計に始末が悪い。信頼を得るのには膨大な時間がかかるが、ウソがバレて信頼を失うのは一瞬です。
誠意のある生き方をしたいものです。

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(追伸)
11/17(日)久万の高原ゴルフ倶楽部に長男と行ってきた。
丁度、久万は紅葉の見頃とあって楽しみにカメラを持参した。下絵のようにとても目が覚めるような真紅ですばらしかった。標高がある分、下界とは違うようです。
余談ですが、インコース17番ロングホールのティーグランドにナイスショット観音菩薩という銅像があって、願を掛けるようになっていた。ひたすら念じていた長男であったが、ティーショットはチョロに近いものであった。やはりゴルフは神頼みはダメなようです。日々練習あるのみを悟った長男でした。

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— posted by 越智邦明 at 04:44 pm  

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