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2014/5/15

日本の赤ちゃん


日本では医学の進歩もあって「低出生体重児」が急増しています。生まれた赤ちゃんの体重が小さくなってきています。2500g未満が10数%まで増えてきているのです。
世界で減っている「二分脊椎」という脊椎が閉じない奇形も日本では逆に増えています。また「軽度発達障害児」も増えている。以前は子育てのせいと言われていましたが、環境要因の可能性が分かってきました。こうした“赤ちゃんの危機”を招いているひとつが妊娠中の過度のダイエット。つまり妊娠中の「低栄養」が指摘されています。とりわけ「葉酸」の摂取量が下がり、血中濃度が減ってきています。葉酸が減ると二分脊椎が増えることはわかっています。
また妊娠中の低栄養が子供が大きくなってから、肥満を生むこともわかってきました。お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんが飢餓状態にさらされると、赤ちゃんは少ない栄養でも生き延びられるように「倹約遺伝子」のスイッチをオンにします。すると生後、少しのエネルギーで太ってしまうわけです。
肥満や糖尿病は、お腹の中にいる頃から始まっています。胎児期に低栄養にさらすのは奇形だけでなく成人病の原因を作るのです。
現在世界60ヵ国で穀物やパンに「葉酸」を添加するよう強制する法律が定められていますが、日本は無対策です。
妊婦さんは葉酸を含む栄養をしっかり胃に入れることが、赤ちゃんを救うことになります。元気な赤ちゃんを生んで下さい。

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(追伸)
ネットで話題中の企業の広告動画。ちょうど5月11日に日経新聞春秋に載った内容を紹介しよう。
職業は「現場総監督」。原則1日24時間勤務で、年間365日。休暇はなし。サラリー?無給です。やってみる気はありますか?
この就活の面接に応募する人はあるのだろうか?
答えは「母」という職業であった。「母の日」に載せた日経新聞の憎い計らいである。少し引用してみよう。
奉仕は無償で無限。けれども総監督を引退する年令は意外に早く来る。子は10代後半には母から自立し、母は子離れをして再び自分自身と向き合わねばならない。どちらも甘えと期待を絶つ、ほんの少しの勇気と葛藤が要る。「お母さん、ありがとう」と素直に言えるだろうか?
読者の皆さん、いかがですか?

— posted by 越智邦明 at 02:40 pm  

2014/5/12

ゆうちゃんと「わらぐろ」


「わらぐろ」は田んぼで稲を刈り取って脱穀した後のワラを円柱状に積み上げたものです。
宇和島市の隣の西予市宇和町では、秋から春の風物詩でしたが昭和40年代から次第に見られなくなりました。
ただ近年「宇和わらぐろ会」の活動により、わらぐろ文化の保存活動が行われています。4月下旬までに宇和に行くと、わらぐろの風景が見られます。年末年始のわらぐろライトアップの写真愛好家も多いようです。
宇和島JR石城駅近くのレンゲ畑の「わらぐろマンモス象」にたわむれるゆうちゃん。一昨年は一頭だけでしたが、今年は親子二頭です。
南予の自然に囲まれて、すくすく育っています。

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— posted by 越智邦明 at 04:19 pm  

2014/5/8

睡眠不足と病気


睡眠不足は色々な病気を引き起こすが、今回は糖尿病を取り上げたい。米国研究者が健康人に対して目覚めない程度の騒音を3日間流して血糖値がどう変化したか調べた。その結果、23%も上昇したと言う。いびきや無呼吸症候群で質のいい睡眠が取れてない人は、大変なことになっている訳である。何故なのか?答えはインスリン抵抗性である。インスリンが出ているのに効きにくい状態のことを言います。つまり寝不足になるとインスリンが分泌されても効果が悪くなるのです。もちろん寝不足は肥満も招きます。睡眠不足なるとホルモンのレプチン(食欲抑制)が減少し、グレリン(食欲促進)が増加するから食欲が著しく増加し「夜中のドカ食い」につながることも分かっています。
結論は十分な睡眠時間を確保することです。
無呼吸症候群の人はもちろん専門医に相談して下さい。そして夜中の空腹時には、極力カロリーの少ないスープ等で我慢して下さい。

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(追伸)
みなさん4連休いや(人によっては)11連休、いかが過ごされましたか?私は暦通りですが、4連休の前半は富山へ行き、後半はゆうちゃんと遊びました。
後日、ゆっくりと披露していきますが、富山のとなみチューリップフェアの写真(250万本のチューリップで圧巻)とゆうちゃんの写真を載せます。
ゆうちゃんは女の子ですが、私の次男の時に使った兜(かぶと)のそばでかしこまっています。(5月5日)。今回はふなやの温泉へ市内電車で行き、からくり時計やふなやの庭園を楽しみました。

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— posted by 越智邦明 at 05:31 pm  

2014/5/1

糖尿病と運動


糖尿病には食事、運動療法が必須であることは皆さん御存知の通りである。さて「運動」をしなさい言うと急に激しい運動を始める中高年の方がいる。膝や腰を痛めるだけでなく、重症の場合や高血圧、腎不全の方は急性の合併症を起こすことがあるので要注意である。私が何回もここで書いてきたように、30分~1時間の散歩、水泳(若い方はジョギングも可)がベストである。今回は何故全身運動を勧めるのか?その理由を知って欲しい。
そもそも糖尿病の人に運動療法が勧められるのは、運動をすると血液中の血糖が筋肉を動かすエネルギーとして筋肉の細胞に取り込まれ、血糖値を下げるためである。さてここからが本題で、食事により分泌されたインスリンが直接、血糖を細胞に取り込むと思っていると間違いである。インスリンは細胞内のインスリン受動体と結合して血糖を細胞に取り込む「命令」を出すに過ぎない。この命令を受けて細胞内に血糖を取り込むのはグルコーストランスポーターと呼ばれるタンパク質である。
肥満などで糖尿病の方はこの「命令」をちゃんと伝えることが出来ないため血液中の血糖が細胞に取り込めず血糖値が高くなるのです。
しかしこの「命令」がなくても筋肉収縮の刺激でグルコーストランスポーターが動き出し、その数も増えてきます。だからこそ運動は糖尿病に有効なのです。
ただしこの刺激は単なる筋肉運動より全身を使う有酸素運動が有用です。
ちなみに運動療法の有効時間は48時間と言われています。週に3回、30~40分のウォーキングが一番お勧めです。

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— posted by 越智邦明 at 05:04 pm  

2014/4/28

血圧の左右差


高血圧が続くと将来、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす。
だから血圧は動脈硬化の危険度を評価する簡便かつ重要な指標であるーこんなことはみんなが知るようになった。さて、その測定法で今までは左右どちらかで測るのが慣例であった。2009年の高血圧治療ガイドラインで初診患者は両腕を測れという記述があったが、最近特に強調されるようになった。それは2012年の「ランセット」の「両腕計測は心臓病などの死亡リスクを測定できる」という内容によります。論文によると血圧左右差は正常な人は5㎜Hg以内に収まるが、差が10㎜Hg以上になると鎖骨下動脈の狭窄が多くなり、特に15㎜Hg以上では四肢の末梢動脈の疾患や脳卒中、心筋梗塞による死亡が多くなるとある。
次に血圧測定でよく質問されるのが、家庭と診察室どちらがいいのか?である。これは4月1日に出た2014年、高血圧治療ガイドラインに記載がありますが、診察室よりも家庭を優先させるとあります。診察室血圧は白衣高血圧、仮面高血圧の問題がありそれを考慮したためです。
しかし家庭での測定は誤差も出やすい。手首や指先より上腕型が勧められます。測定回数はガイドラインでは朝と晩それぞれ2回測定して平均をとることが推奨されていますが、まず朝の計測を習慣化して下さい。
そうすれば心臓病や脳卒中で死ぬリスクは確実に下がります。
追加ですが、朝は起床後1時間以内で排尿をすませ、背もたれ付の椅子に座って1~2分の安静後に測るのが良いとされています。

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(追伸)
最近のゆうちゃん。
天赦園や大洲フラワーパークのチューリップ畑で遊んでいる写真を送ってくれました。
南予はのんびりしていいですね。

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— posted by 越智邦明 at 11:43 am  

2014/4/24

あくび


「あくび」は仕事中すると、上司から「タルんでいる!」と言って叱られたことはないですか?
医療の分野ではこれが病気のサインになることがあります。
①糖尿病・・・低血糖発作の徴候です。薬が効きすぎたり食事量が少なかったり原因はさまざまですが、主治医に報告して下さい。
②心不全・・・心臓から十分に血液を送り出せていないため脳が酸素不足になり、あくびが出ます。
③脳梗塞・・・あくびから更に意識障害へと発展します。
④睡眠時無呼吸症候群(SAS)・・・昼間にやたら眠くてあくびが頻回に出るようなら主治医に相談です。SASはトラックや汽車の運転手が眠気のあまり事故を起こして、しばしばニュースになっているので皆さん御存知だと思います。放置すると高血圧や心筋梗塞も併発する恐い病気です。奥さんに、眠っている間に呼吸が止まっていないか聞いて下さい。最近も、急に血圧が上がった57才の男性のSASを発見しました。CPAPのマスク治療で一気に眠気が消失します。
たかが「あくび」。注意して下さい。

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(追伸)
4月は検診の月。先日も校医をしている小学校へ検診に行きました。検診の際に持病を聞くのですが、その病名は「喘息」「アトピー」「鼻炎」が圧倒的に多く、アレルギー疾患の多さに改めて驚きます。
それにしても小学校の敷地に入ると50年前の母校にタイムスリップして懐かしく当時を想い出します。チャイムも懐かしいです。

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— posted by 越智邦明 at 05:16 pm  

2014/4/21

温泉


ゆうちゃんは物心ついた頃から温泉が大好きである。何故なのだろう?漠然とした疑問を持ち続けていたので調べてみた。
埼玉医大教授の倉林均先生の文献を読んでみた。
温泉には総合的生体調整作用があると言う。これは日常の生活を離れて温泉に入ると、何となく気分が落ち着いて疲れがとれたという効果が得られる作用のことを言う。この作用が温泉地しかないそうである。
さて日本の温泉療法の起源は、西暦100年頃に日本武尊(ヤマト タケルノミコト)が東方遠征の帰りに、草津温泉で戦傷を癒したことに遡るとされている。欧州では紀元前400年頃に医聖ヒポクラテスが行った水治療が起源とされている。わが国では温泉療法が科学的に研究されるのは、明治政府がErwin von Baelz(1849~1913)を招いてからである。世界には先端医学をもってしても治らぬ病気に各国の伝統医療があり、日本における相補代替医療は「温泉」である。Baelz博士から百余年が過ぎ、温泉医学は各方面から科学されてきた。いくつか検証してみよう。
①PH(酸性度)
酸性泉には殺菌作用があり、アルカリ泉には乳化作用がある。草津温泉はPH2.0の強酸性で、五寸釘を数日で溶かしてしまうが皮膚を溶かすことはなく、皮膚疾患(アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬等)への効能は高い。アルカリ泉は皮脂を溶かすため肌がつるつるになる。弱アルカリ泉は皮膚の脂肪酸と反応して石鹸が生成され、皮膚を清浄する。(美人の湯)。

②呼吸器疾患
温泉蒸気には咳痰排出促進、抗アレルギー作用、気道過敏性軽減などが認められ、呼吸機能や動脈血酸素分圧が改善する。

③精神疲労、ストレス
温泉浴や大浴場などでは脳波でα波が増加し、β波が減少する。また副交感神経が優位になる。

かつて転地療養などと称されていた作用が総合的生体調整作用として解明されてきたのである。
ゆうちゃんもこの作用を体感しているから好きなのでしょう
入浴や温泉は日本の美しき文化でもある。これからも温泉は多くの人々に愛されていくことでしょう。
ゆうちゃん、また来いよ。温泉でひと風呂浴びてまた牛乳を一杯やろう。

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— posted by 越智邦明 at 04:09 pm  

2014/4/17

糖尿病と食物繊維


糖尿病の食事療法の中で食物繊維の有用性が取り上げられてきた。
昨年12月に行われた世界糖尿病会議で中国の研究グループが発表した中に「穀物のシリアルによる摂取が最も糖尿病リスクを下げる」という報告があった。「1日10gの摂取で発症リスクが30%減少する」というものであった。米国も穀物から食物繊維を摂取する人は糖尿病の発症率を減らす、と報告している。食物繊維は、〈水溶性〉と〈不溶性〉に大別される。水溶性はこんにゃく、海藻、果物などに多く含まれ、腸内で水分を取り込んでゲル化し脂肪や糖質の吸収を抑える。消化吸収のスピードを遅くするので、食後の血糖上昇が緩やかになる。一方の不溶性は穀類、野菜、豆類に多く、腸内で水分を取り込んで数倍に膨れて体積を増やし、腸の蠕動運動を促すので便秘や痔の予防にも効果がある。トウモロコシ、小麦、玄米などから作られている穀物のシリアルに含まれているのも多くは不溶性である。厚労省が推奨している成人男性の食物繊維の摂取量は1日あたり19g。日本人男性は平均14.3gと不足がちである。シリアルの中には大麦などの水溶性食物繊維を多く含んだ穀物を使ったタイプもある。牛乳やヨーグルトにかけて食べると腸内細菌の働きを高めて免疫力をアップさせたり、糖の吸収を穏やかにする効果も期待できます。
さて糖尿病の食事指導にGI値が使われます。グリセミック指数とも言われ、炭水化物が消化されて糖に変化する速さを相対的に表す数値です。GI値が低い食品は血糖上昇が穏やかなためインスリンが少なくてすみます。逆にGI値が高いと急激に血糖が上昇してインスリンが大量に必要となるため糖尿病には大敵です。
オートミールや小麦ふすまなどを使ったノンシュガーのシリアルはGI値が45~55と低く理想のようです。

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— posted by 越智邦明 at 05:28 pm  

2014/4/14

肺がんと喫煙


タバコは百害あるが、そのひとつが肺がんである。
欧米ではsmokerはnon-smokerの10倍のリスク。日本では4倍。
おさらいだが肺がんは非小細胞肺がんと小細胞肺がんの2種類あり、更に非小細胞肺がんの中に扁平上皮がん、腺がん、大細胞がんがある。
日本人は男性肺がんの約30%を扁平上皮がんが、50%を腺がんが占めている。日本人が欧米人に比べてタバコの害が少なくみえるのは日本人に腺がんが多いからである。
スモーカーはよく「たばこを吸っても必ず肺がんになるわけではないだろう」と言う。確かに腺がんは、ノンスモーカーも発症するし肺がんのかかりやすさはタバコ以外の遺伝子の個人差が関係することは国立がん研究センターの研究で明らかになっている。
しかし自分がその遺伝子を持っているか否かは検査なしでは分らない。少しでも危険を回避したいなら、たばこはやめた方がよい。
それでも吸うときは周りの人の受動喫煙にならないように1人で吸って下さい。

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(追伸)
3月20日号の追伸にて書きましたが、ガールズケイリンで優勝した松尾智佳選手の祝勝会を4月10日にささやかに行いました。競輪選手らしいたくましいふとももやヒップを見ながら厳しい練習の賜だなと感じ入りました。でも実像はよく飲みよく食べる陽気な25才の現代っ子でした。
用意してあったお花やケーキも大変、喜んでくれました。大御所の伊藤豊明さんや、練習仲間の栗田選手共々、楽しい夜を我が職員と過ごすことが出来ました。
ともちゃん、またの優勝を待ってるぜ!

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— posted by 越智邦明 at 09:49 am  

2014/4/10

胃力アップ


食べることは生きることであり、胃は生命力に直結する臓器です。
「胃の老化」と「胃のアンチエイジング」についてお話します。
胃カメラで高齢の方の胃を観ますと胃酸の分泌が低下し、更に運動能力が低下しています。加齢に伴い、胃の収縮力が下がるためです。こうした胃の老化を防ぐためには「怒らないこと」がコツとされています。ヒトは5分間怒るだけでストレスホルモンであるCRFが脳の視床下部から分泌され、迷走神経を介して胃の動きが悪くなることは論文で報告されています。更に腸の病原性菌が増えた上に活動性が増すことまでわかっています。「怒り」は胃や腸内環境を悪化させるのです。
次に高齢になると胃と食道のつなぎ目の食道括約筋の締まりが悪くなり、胃酸の食道への逆流が増えます。いわゆる「逆流性食道炎」です。しかも加齢によって食道の知覚も鈍くなりますから症状の出現が遅れがちになり、食道炎から食道潰瘍になって吐血する人も少なくありません。
これに対処するカギが「唾液」です。唾液は逆流した胃酸を排泄し中和する能力を持っています。しかし加齢と共に唾液の分泌量が低下するとドライマウスが起こり、逆流性食道炎が悪化します。それを防ぐにはチューインガムをかむことです。焼肉屋で会計を済ませるとチューインガムを手渡されることが多いですが、これは理にかなっているのです。
時々チューインガムを口にして下さい。

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— posted by 越智邦明 at 03:02 pm  

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