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2015/4/9

BMI


BMI(体重kg÷(身長×身長㎡))についてはみなさん健診結果に書いてあるので御存知だと思います。
いわゆる肥満度ですが、日本肥満学会では男性22.0女性21.0が最も病気になりにくいと発表しています。一方、国立がん研究センターはがんだけでなく一般疾病も含めて死亡リスクは男性25.0~26.9、女性23.0~24.9が最も少ない。また病気のリスクも同様であったと発表している。
さてメタボについては以前、腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上が陽性判定とされました。しかし女性より男性の基準が低いというのは今でも理解しがたいです。欧米では、男性の方が女性より高くなっています。日本肥満学会ではBMIが25以上が肥満としていますが、欧米ではBMIが25~30は単なる「過体重」とされ、30以上が肥満とされています。
さて一部の学者の研究では日本人男性でBMIが23~25.0の人の相対的死亡率を1.0とすると、25~27の死亡率は0.94でかえって低いのです。しかもBMI22前後の人の死亡率が1.11ですからメタボと言われて体重を下げたら死亡率は逆に高くなってしまうでしょう。
腹囲といいBMIといい、どうも欧米学者とのズレが気になってしかたがありません。合併症も含め、主治医と個々に相談して下さい。

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— posted by 越智邦明 at 03:25 pm  

2015/4/6

花粉症(重症化)


2015年の花粉飛散予測(第4報)では、スギ花粉のピークは過ぎ去ったようです。よって当院外来でも「もう、花粉のクスリは要らんから他の薬だけでいい」と言う人が増えて来ました。しかしスギの後、別の花粉の飛散が最盛期になります。樹木ではヒノキ、ケヤキ、コナラ、クヌギ等。草本ではカモガヤ、キク科のブタクサ、ヨモギ、アサ科のカナムグラなどです。しかし何と言ってもヒノキが問題です。
スギとヒノキは花粉の形が似ているため、スギに反応する人はヒノキにも(7割の人が)反応します。ヒノキの飛散は3月中旬から5月一杯です。スギとヒノキが重なる3月中旬~4月は症状もつらくなります。ちなみに北海道は花粉症がないというのは間違いです。スギはありませんが代わりに、シラカンバ花粉症があります。シラカンバは4月中旬~6月初旬でスギ同様鼻水、くしゃみ、目のかゆみが出ます。
シラカンバアレルギーの人では更に20~30%の人が口腔アレルギー症状も起こすので有名です。リンゴやキウイなどの果物を食べると口の中がかゆくなったり腫れたりします。
自分のアレルギーの現状をしっかり把握し対策を練ることはとても重要だと思います。

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(追伸)
花粉症の人には嫌な春ですが、ここで余談です。
春を想って正岡子規が詠んだ句を紹介します。
「故郷(ふるさと)や どちらを見ても 山笑ふ」。
病床の子規が故郷松山の春を想って詠んだ俳句です。ちなみに夏は「山滴る(したたる)。」秋は「山粧う(よそおう)」、冬は「山眠る」が俳句の季語です。

— posted by 越智邦明 at 05:22 pm  

2015/4/2

妊婦と糖尿病


よく妊婦の方に糖尿病の質問を受けます。
妊娠中に発見された高血糖はどうなるのか?といった質問もあります。確かに妊娠中は血糖を下げるインスリンが効きにくくなるため高血糖になりやすいのです。妊婦の7~9%が妊娠高血糖と診断されるほど多いのです。
ではこれは問題ないのか?厳しく言うと胎児も高血糖になり、さまざまな影響が出る可能性があることがわかってきました。奇形、巨大児、心臓肥大などです。しかもその影響は子供が大人になっても肥満という形で続きます。
日本糖尿病・妊婦学会でも母親の胎内で高血糖にさらされた子供は成人期に肥満になるリスクが高い、とする国立成育医療研究センターの研究発表がなされました。
「妊娠」というのはさまざまなリスクを背負いながら「出産」へと向かうということを男性諸氏も知っておいて下さい。

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(追伸)
3月29日(日)、母校、今治小学校が128年(明治20年開校)の歴史に幕を閉じた。小学校の想い出は、く~にず新聞の「告白」に何度も書いてきたが、中学校から松山に来た私にとっては本当に懐かしい。
当日、他の仕事のついでに、閉校記念式典が行われた今治小学校を訪れた。
少子化に伴い今治のど真ん中にある今治小学校も生徒数が減り、今回の閉校となった。母校が無くなるというのは本当に寂しいものです。

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— posted by 越智邦明 at 10:51 am  

2015/3/30

食卓の見直し


「昭和50年の食事で、その腹は引っ込む」(講談社)(東北大准教授・都築毅)を読んでみた。
昭和50年(1975年)は2005年より1.5倍のご飯を食べていた。さらに総カロリーも05年の1.2倍も取っていた。にもかかわらず「肥満」の人は05年の半分しかいなかった。何を意味するのか?
よく「ご飯をパンやパスタに替えた」と聞きます。実際、75年以降、ご飯に代わってパンやメン類の摂取量は増えますが全く逆効果です。パンやパスタ食と比べご飯食の方が消化が遅い。いわゆる「腹持ちがいい」ため空腹を感じにくい。
もうひとつは、05年の食事と比べて肉類、脂質の割合が低いことである。魚が減り肉が増えた。そして肉の中でも脂の質の問題があり「飽和脂肪酸」が多いと動脈硬化を促進させる効果がある。一方、魚の脂は「不飽和脂肪酸」で血栓をできにくくし、動脈硬化を防ぐ作用がある。このほか、味噌、納豆などの発酵食品、豆類、海藻、卵、煮物も75年の方が多かった。
結論的には極端な肉禁止や糖質禁止ではなくてバランスの問題だと書いています。各種の栄養素をバランス良く取り、75年代を見習ってみたら最強のダイエットになるのでは、と結んでありました。
参考にして下さい。

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(追伸)
もう春が至る所にあふれています。
患者さんが花壇で作ったチューリップを持って来てくれました。
心も和みます。
さて春と言えばプロ野球も開幕スタート。
昨日の広島対ヤクルト戦は、8年ぶりの復帰登板となった黒田博樹投手に注目が集まった。
結果は7回5安打無失点の快投で勝利投手になった。
「お帰りなさい、黒田」の合唱の中、黒田へのインタビューを聞きながら子供連れのお父さんの号泣姿が映ったが、5年連続の2ケタ勝利や20億円のオファーを蹴って広島に帰って来た黒田投手の勝利には広島ファンならずとも心を打たれた野球ファンが多かったのではないでしょうか?久しぶりに大和魂を揺さぶられました。今後の活躍を期待しています。

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— posted by 越智邦明 at 05:30 pm  

2015/3/26

酒と糖尿病


アルコールは血糖値にどんな影響を与えるのかを今回は知って下さい。
よく糖質が含まれている日本酒、ビール、ワインは血糖値を上昇させ、蒸留酒の焼酎やウィスキーは関係ないと言われますが、これは全くの間違いです。糖質に関係なくアルコールは血糖値に影響を与えます。アルコールそのものには血糖値を上昇させる作用はありません。しかし肝ぞう内に蓄えられているグリコーゲンの分解を促進させる作用があるため飲酒後はいったん血糖値は上昇します。ただ糖尿病患者さんが飲酒で気をつけなければいけないのは「低血糖」です。体内に入ったアルコールは毒物として肝ぞうで優先的に分解されるため糖新生が抑制されます。その結果、血糖値が急激に下がってしまうのです。ふだんからインスリンや経口剤を使用している患者さんが何も食べずにアルコールばかり飲んで低血糖を起こして救急車へ、ということは実によくあります。
さて一般人で適量な飲酒は糖尿病の発症を抑制するという報告があります。調べてみると、アルコールが悪化している血流を良くしたり、インスリン感受性を改善するとされているアディポネクチンを増加させるとみられています。「適当な量」とはビールなら中ビン1本、日本酒なら1合、焼酎お湯割りなら1合、ワインならグラス2杯といった所です。
「酒は百薬の長」にしたいものです。

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— posted by 越智邦明 at 11:09 am  

2015/3/23

ゆうちゃん来訪


ゆうちゃんが久しぶりにやって来て一泊した。
夕方来たので、恒例の温泉に行くことになった。
最近「ゆうちゃん語録」が面白いと好評なのでいくつか披露したい。
風呂の中での話。「ゆうちゃん、大きくなったら何になるの?」「お医者さんともうひとつ、ようちえんの先生になりたい。」「ようちえんだと、パパは手伝ってくれない!と泣くかもね」「・・・・。」
次に私が質問。「ところで、じいじは若いの?年取っているの?」「じいじは少しだけ年取ってるいるよ」「困ったなあ。どうしたら若くなれるかなあ?」しばらく考えて「そうだ。いい方法があるよ。いっかい死んで生き返ると若くなるよ。それがいいよ。」「・・・・。」
それから露天風呂に入ったときの話。1枚の葉っぱが浮かんでいるのを見て「葉っぱも寒いからお風呂にはいってきたんだね。」と触りながら「でも、はいりすぎてふにゃふにゃになっているから外に出してあげよう」と言って葉っぱは外に出されてしまった。
その後、体を洗いながらの話。足すりを見つけて「じいじ、これ使っていいの?」「ああ、やってごらん」と言うと自分でかかとをごしごしやり出した。「じいじもしてあげようか?」と言って私の両かかとを一生懸命ごしごししてくれて、王様気分でした。とても嬉しかったです。
温泉を出る時に、靴を靴箱からちゃんと出せるか眺めていました。カギを開けて、中に入っていた私とゆうちゃんの靴。まず私の靴を出してきちんとはけるようにそろえて「どうぞ」と言ってくれたのは感激でした。
帰りの車の中で「じいじ、7月になったらゆうちゃんのピアノの発表会に来てね。日よう日だからね」「ほう。ところで何を弾くの?」「じいじのとても好きな曲だよ?」「もしもしカメよ、かな?」「そんなんじゃないよ。『少年時代』だよ」「えっ。まさかひとりで弾くの?」そこで娘が解説してくれた。先生がいくつかの曲の中から選ぶように言われた時に迷わず「少年時代」を選んでくれたのよ、と。その後、ゆうちゃんが音階を口ずさんでくれて間違いないことがわかった。ソロで弾くそうである。バレエも公文もそして今度はピアノか。忙しいゆうちゃんだな、と感じ入りました。
帰宅してから夕食中に、ゆうちゃん曰く、「じいじ。ゆうりはさいきん、インゲンを食べるんだよ。」「ほう、すごいね」「でもね。パパはキュウリといっしょでインゲンきらいなんだよ。食べさせなくちゃ。」
こうして束の間の半日は終わった。
柱につけているキズもだんだん高くなって確実に背が伸びてきて成長しているゆうちゃんでした。

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— posted by 越智邦明 at 08:16 am  

2015/3/19

糖尿病と果物


糖尿病の患者さんは、やはり甘い果物が好きな人が多い。先日もやけに血糖が高いので詳しく尋ねるとミカンを30個も食べたそうです。いくらミカン王国と言っても・・・。
さて私の開業医の先輩が昔、「越智君、糖尿病の人で何の果物が悪いか知っているか?それは柿だぞ!柿は食わすな!」と言われたことがありました。確かに秋~冬の柿がおいしい季節になると血糖値がアップする傾向が見られるほどです。干して水分が抜けた柿は砂糖の塊のように甘く、血糖値が上がりやすいです。
果物に含まれている主な糖質はブドウ糖、ショ糖、果糖です。この比率は果物の種類や熟成度によって変わってきますが、血糖値を大きくアップさせるブドウ糖とショ糖が多い果物には注意が必要です。
さて血糖を上げやすい果物といわれているのは柿、バナナ、ブドウです。逆に上げにくいのはリンゴやイチゴのようです。
日本糖尿病学会が発表している「1日当たりの果物の摂取量」によると柿は1個、バナナは1本、ブドウは10~15粒、リンゴは半分とされています。また1気に食べないように小分けにすることも大事です。
果物はビタミン、食物繊維、ポリフェノールといった健康にいい栄養素が豊富なので全く悪者ではありません。あくまで摂取量の問題だと思います。「過ぎたるは及ばざるが如し」を肝に銘じて下さい。

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(追伸)
3月4日の毎日新聞によると、自転車への「赤切符」が急増していると報じている。
2014年に道交法違反で全国の警察が刑事処分の対象として交付した赤切符は7716件に上り、06年の30倍に達している。
これは私がたびたび取り上げてきた自転車が歩行者を負傷させる事故が増え続け、警察が厳しく取り締まっているからだが、当然である。14年の赤切符の内訳は①信号無視4149件②遮断機が下りた踏切への立ち入り1295件③2人乗り851件となっている。
赤切符が切られると違反者は道交法違反容疑で書類送検され刑事処罰が判断される。場合によっては罰金刑となり前科も残ります。
私が今、心配しているのは携帯の電話、メールの「ながら運転」です。くれぐれも自転車と言えども凶器だということを忘れないで下さい。

— posted by 越智邦明 at 02:30 pm  

2015/3/16

労災


労災は大きく通勤災害と業務災害に分かれます。
業務災害はまたケガと病気に分かれます。
まずは「ケガ」。類型別(原因別)に22種類に分類されています。墜落・転落・転倒・激突・飛来・落下・はさまれ・巻きこまれ・感電など。2012年の統計で合計11万9576件ありました。転倒が最も多く(2万6000件)、次いで墜落・転落が2万件、はさまれ・巻きこまれが1万8000件となっています。亡くなった方は1084人。内訳は墜落・転落が268人、交通事故が250人、はさまれ・巻きこまれが161人などが上位を占めます。
次に、「病気」は20種類に分けられています。有害光線(レーザー、紫外線など)による疾患、振動障害、じん肺、化学物質によるがんなどです。
2012年の統計で合計7742人が労災認定を受けました。最も多かったのが「異常温度条件による疾患」つまり、熱中症(631人)でした。がんが少なく4人でした。亡くなった方は112人でした。2010年の労基法の一部改正により過労による病気(脳卒中や急性心筋梗塞)と仕事や職場が原因の精神障害(うつ病など)が労災の対象として扱われるようになりました。認定件数は年々増え続けています。
産業医をしている私の仕事も年々多忙になっています。

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(追伸)
3月11日の開院日には皆様より多くのお花やプレゼントをいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
その中で、非常に工夫を凝らしたケーキ、それと手作りの人形(2ケース)は印象的でしたので掲載させていただきました。

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— posted by 越智邦明 at 03:21 pm  

2015/3/12

風に立つライオン


3月14日全国公開の「風に立つライオン」の試写会に行ってきた。
1987年に、さだまさしが発表した楽曲「風に立つライオン」。アフリカ・ケニアで国際医療ボランティアとして活動してきた実在の医師・柴田紘一郎。宮崎で柴田さんのお酒仲間であったのが、さださんでした。彼にインスパイアされた、さだまさしの曲を元にケニアで医療活動に従事する医師を大沢たかおが演じる人間ドラマである。大沢自らが映画化を希望しました。
大沢たかお、真木よう子、石原さとみ等豪華キャストで、監督は世界が注目する鬼才・三池崇史。
美しく壮大なケニアを舞台に一人の医師が活躍する「希望」の物語です。少しお話をすると医師、航一郎(大沢たかお)は恋人の女医、貴子(真木よう子)と一緒にケニアに渡りたかった。しかしその時、貴子は脳梗塞で倒れた父の医院を手伝う運命にあり、思案のあげく断った。そしてドラマの最後に航一郎から貴子へ届いた1通の手紙。その文面を見てきっと誰もが号泣することでしょう。大沢たかお、真木よう子は本当にすばらしい役者だと痛感しました。(2012年「終の信託」での検事役の大沢たかおも熱演で気に入りました。)
雄大で心温まる感動大作ですので是非、劇場に足を運んで下さい。特に医療従事者には行ってもらいたい反戦平和の映画と思います。

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— posted by 越智邦明 at 10:55 am  

2015/3/9

創立28周年


3月11日で当院も28周年を迎える。
前回の同窓会にも私より長く開業医をしている人は誰も居ない。色々な苦労の連続であった。仕事の事、職員の教育、全てが私独自で編み出してきた。何故なら、先代、後藤田先生は病床にあって引き継ぎが出来なかったためである。
とに角、「松山一」は無理でも「城北一」を目指して頑張ろうと突っ走ってきたら28年も経ってしまった。達成出来たかどうかは患者さんが判断することである。
医療の世界は刻々と変化し制度も移りゆくが「困った患者を的確に早く治す」という医療の根幹の部分は変わらない。
あと何年出来るかは神のみぞ知るだが、当面は30周年を目指したい。
応援よろしくお願いします。

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— posted by 越智邦明 at 05:06 pm  

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