日本酒サービス研究会の長田卓研究室長の論文が面白い。
夏に美味しい日本酒の「オンザロック」。氷を浮かべて飲む氷室酒(ひむろざけ)は平安時代の貴族も嗜んでいたという。
日本酒造りの最盛期(12~2月)にリリースされる新酒は出来たてならではの香味が味わえるし、9~11月に発売される「冷やおろし」は芳醇でまろやかな飲み口が味わえる。
爽やかな春には爽やかな香気の「吟醸酒」系がマッチするし、暑い夏にはスッキリ爽快な「生酒」や「スパークリングタイプ」が適合する。脂ののった食材が出回る秋にはコクのある「純米酒」が料理と好相性を示し、寒い冬になると温めた「燗酒」が五臓六腑に染み渡る。季節の伝統行事と日本酒の関係を並べてみよう。
①元旦:「屠蘇」・・・家族の健康を願い漢方薬を混ぜた日本酒。
②桃の節句(3月3日):「白酒」・・・魔除けや清浄の意味を込める。
③4月初旬:「花見酒」・・・田んぼの神様の依り代(よりしろ)である桜の下で米の豊作を祈願する。
④端午の節句(5月5日):「菖蒲酒」・・・邪気を払う。
⑤重陽の節句(9月9日):「菊酒」・・・長寿をもたらす菊の花びらを浮かべて飲む。
⑥祭りの酒・・・豊作祈願及び豊作のお礼を込めて飲む。
更には雪景色を愛でながらの「雪見酒」、中秋の名月を鑑賞しながらの「月見酒」など日本酒は本当に奥が深いと思います。