アルコールの過飲により最初に起こる疾患は脂肪肝であり、大量飲酒者のほとんどに認められる。日本酒換算で1日5合を1週間続けただけで惹起されるが、2~4週間の断酒で消失する。アルコール性肝硬変は日本酒1日5合を20~30年続けると多発する。
さて疫学的に面白いのは、アルコール性肝障害は男性と女性、どちらがなりやすいと思いますか?最新の論文では同量の飲酒量で比べると女性の方が有意に起こりやすいのです。アルコール性肝硬変患者についても入院時の平均年齢は男性61.3才、女性55.6才と女性が有意に若いとあります。
治療の基本は何といっても断酒です。そしてアルコール性肝障害は栄養障害を伴っていることが多く、栄養指導も重要です。特にビタミンBの補給は重要とされます。
医師は節酒や断酒の啓発活動に努めるべきだとありました。