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2011/8/22

心原性脳梗塞


この3ヵ月に私が体験した心原性脳梗塞3例を検証したい。
これは心房細動が基礎にあり、そこに出来た血栓が脳へ飛んで脳血管が詰まり、梗塞を起こす病態である。長嶋さんがなったことで有名になった。
最近学会では他の、ラクナ脳梗やアテローム血栓性脳梗塞と区別して「ノックアウト梗塞」と呼ぶようになった。即ち、心原性のものは他の梗塞と違って「一発で相手を仕留める」即ち一回の発作で死もしくは重篤なまひに至らせるという臨床的特徴を表わした言葉である。
(その1)
私の知人の母親(90才)。グループホームに入っていたがある日、突然、脳梗塞(左半身まひ)になり、救急車で公立病院へ搬送された。グループホームは管理医師が居るのだが、心房細動があるにも拘らず抗凝固剤が処方されていなかった。
(その2)
当院の77才の女性患者。ワーファリンでコントロールしていたが閾値が狭く、プラザキサへの変更を勧めているうちに、右半身まひを起こしてしまった。遠方で1ヵ月に1回しか来れない人であった。新薬の法的しばり、即ち発売後、1年間は1回に2週間分の処方しか出来ないことに不満を漏らして変更をためらっていた矢先であった。
(その3)
患者の父親(85才)。心房細動のため、近医で抗凝固剤を処方されていた。ある日、お手伝いさんが起きてこないので見に行ったら倒れこんでいて救急車となった。左半身まひ。娘さんが家を訪ねると服用していない大量の薬が。服薬指導が出来ていない例である。

3人とも今、病魔と格闘中である。大変だろうけど本人も家族も頑張って欲しい。

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— posted by 越智邦明 at 11:28 am  

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