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2010/10/7

肺癌


102才のSさんが肺癌で亡くなった事を書きましたが、今日は肺癌について考察してみます。
わが国で肺癌が1998年に癌死亡原因の第1位となってからすでに10年以上経ったが、未だ1位の座を譲っていない。肺癌は細胞学的に小細胞癌、腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌の4つに分類される。現在の日本では腺癌が最も多い。小細胞癌はその他の肺癌に比べて増殖が速く転移もしやすい。そのため臨床的には肺癌を小細胞癌とそれ以外の3つを非小細胞癌として取り扱っている。
さて「喫煙していなければ肺癌にならない」と勘違いしている人が多い。特に女性の肺癌は75~85%がタバコと無関係です。今までは、タバコと関係のある扁平上皮癌の割合が大きかったのですが、最近では欧米も含めて腺癌が増えてきています。腺癌はタバコと無縁の方でも生じる肺癌です。先月9月に、女優 池内淳子さんが亡くなりましたが腺癌でした。
当院23年間の診療の中で3例、肺癌の嫌な想い出がある。どれも1年前はレントゲンでは大丈夫と思われていたのに、その年のレントゲンで異常が見つかり日赤へ紹介したが、手術することも叶わず多発転移でみんな半年以内に亡くなった。3人とも小細胞癌であった。外科治療が不能な場合、化学療法(抗癌剤)と放射線治療の併用になりますが、どれも辛いです。日赤からベテル病院へ転院して、モルヒネ漬けになったSさん(男性)の最期は無残なものでした。
全国の肺癌検診受診率は25%に満たない状況です。国をあげての取り組みが必要であり「一度は受けましょう」から「毎年受けましょう」に変更すべきだと思います。

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— posted by 越智邦明 at 01:05 pm  

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