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2008/12/15

ギラン・バレー症候群


風邪をひいたり下痢をしたあと1~2週間してから起きる難病です。名前はフランスの内科医ギランとバレーに由来しています。自分を守るための免疫システムが異常となり自分の神経を攻撃するためと考えられています。両手両足が動かせなくなったり、両手足にしびれが出ます。顔面の筋肉や目を動かす筋肉に力が入らなくなったり、ロレツが回らなくなったり、食事をのみこみにくくなったりします。私は開業21年間に3例遭遇しました。正直、診断は疑わない限り難しいと思われます。そのうちの1例は呼吸筋がまひして人工呼吸器となりました。
治療はなるべく早く、血漿交換治療法か免疫グロブリン大量投与を行うことです。
女優の大原麗子さんは33年間もこの病気とつき合っています。先月この病気の再発で転倒し右手首を骨折したそうです。
皆様、風邪をひいたあとの神経症状の出現には是非、注意を払って下さい。

— posted by 越智邦明 at 03:28 pm  

2008/12/11

COPD


聞き慣れない病気ですがCOPDは今、呼吸器科の医師が最も注力している病気の1つです。COPD(慢性閉塞性肺疾患)はその昔、肺気腫と慢性気管支炎に分かれて議論されてきましたが、今は両者を併存していることが圧倒的に多く、COPDに統一されました。
わが国には500万人以上の患者が存在すると推定されています。慢性の咳、痰、労作時の息切れ、更に喫煙歴があるとかなり確定的です。基本的には高齢者に多く60才以上が40%を占めています。
COPDは体重減少や四肢筋力低下を伴うことが多いが冠動脈疾患、骨粗鬆症、抑うつ、糖尿病、睡眠障害の発症する危険が高いことも報告されています。
臨床の場で今、問題になっているのは90%以上の人が未診断で放置されていることです。早期に発見し介入することで、医療費の節減につながります。
昨今、気管支拡張薬が進歩し、重症でなければかなりコントロールが可能になりました。在宅酸素療法に至る前に発見することがポイントです。そして何より若いうちからの禁煙は重要です。皆さんの周りに該当者が居たら、是非受診を勧めて下さい。

— posted by 越智邦明 at 05:12 pm  

2008/12/8

くに~ず新聞


くに~ず新聞Link  2008年 冬号Vol.29 を掲載しました。
 
左のメニューの くに~ず新聞 をクリックするか、ここLink をクリックして御覧ください。

— posted by 越智クリニック at 11:00 am  

 
2008/12/8

牛さん


私に孫はいないが、孫ぐらいのかわいい患者の女の子M子ちゃん(3才)から質問を受けた。「先生、牛さんは肉を食べないで草ばかり食べているのにどうしてお肉屋さんで売っているの?」と。きっと彼女は草ばかり食べているのだから、もっとやせていないとおかしい、と思ったのでしょう。私も即答出来ず早速調べることにした。確かに牛やキリンは草食なのに体はデカい。文献を調べているうちに宮崎大学の森田准教授の論文に目が行った。内容はこうだ。「ウシには胃が4つあるというように反芻動物はヒトの胃に相当する第4胃の前に第1~第3の胃が存在する。第1胃はルーメンと呼ばれるがここに共生する微生物の働きで食べた植物の繊維質を分解して利用できる。その際、繊維質から産生される有機酸をルーメン壁から吸収しエネルギー源とするのです。このような消化方法を共生消化と呼ぶ。共生消化は栄養価の低い植物しか得られない高地、乾燥地、極地に反芻動物が進出することを可能にし、彼らを地球上で最も繁栄している分類群にした。」と。ウシ、スイギュウ、ヤギ、ラクダ、キリン、ヤク、リャマ、トナカイ等々。
というわけでM子ちゃんに胃の絵を描いて説明した。が、M子ちゃん曰く「先生のうしさんはかわいい」とだけ言って逃げて行ってしまった。内容はよく分からなかったようだ。残念!

— posted by 越智邦明 at 09:53 am  

2008/12/4

招かれざる客


10月17日に「診察室こぼれ話」を書いたが、もっと書いてくれという応援が多かったので、また書いてみたい。
今回は医療機関にとって有難くない患者の話である。


①受付で「いったいいつまで待たすんぞ~。1時間も待っとるぞ~」と大声。→実際は13分であった。
②診察後の受付精算で「5円しか持っていないので、あとで持ってきます」と。「では必ず今日持ってきて下さい」。その後、何日経っても現れないのでカルテに記された電話番号に電話すると「現在使われておりません」
③朝9時半に受付で「ものすごい急用があるので、一番で診て下さい」と。例外的に一番で診た中年女性。そのあと、待合で12時まで友人と談笑していた。
④40℃の発熱のある男子学生。ひどい扁桃炎で「解熱注射をしておきましょう」と言うと「まじかよ~」と返答。
⑤ものすごい悪臭を放ち座っていたざぶとんに丸いシミが。点滴部屋の周りの人からクレームが。
⑥のどが痛いと言ってきた男子学生。「口を開けて下さい」と言うと、あくびの連続のあと「もういいすよ」と。


不特定多数の訪れる病院ですから、色々な方が来られますが開業した21年前に比べ、人間の「質」が落ちています。「人に迷惑をかけない」という根本の徳育をもう1度、日本人はやらないといけないと思います。 

— posted by 越智邦明 at 01:47 pm  

2008/12/1

男と女(その2)


10月27日にブログに書きましたが好評のため第2弾を書きます。今回、草思社より「女は人生で三度、生まれ変わる」(ローアン・ブリゼンディーン 著、吉田利子 訳)が出ました。オトコにとってオンナは永遠の謎。いくつか紹介しましょう。
何しろ赤ん坊のときから女性はエストロゲン(女性ホルモン)の作用で他人と争わず他人の感情に敏感なのに対して、男性はテストステロン(男性ホルモン)の影響で「そっちへ行ったらダメ」という母親の警告などにも無関心なことが多い。オトコとオンナは、かくも幼いころから違うのである。オンナが1日に使う単語は2万語、オトコはたった7000語という。さらにオンナは思春期、母親期、熟年期でホルモンの作用が激変するため根底から人格が変わったようにさえ見えることがある。特に熟年期にはエストロゲンの分泌が急に下がるため人の世話を焼いたりする気持ちが下がることが多いという。
男と女の違いを脳の変化で説く興味深い一冊です。ぜひ御一読あれ。

— posted by 越智邦明 at 01:44 am  

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