日本の男女は世界で最も長寿であり2007年時点での平均寿命は男性79.19才、女性85.99才。男女の平均寿命に7才もの差があるが、この差はどこから来ているのか?検証によると男性において事故、自殺、肝硬変、がんによる死亡率が女性に比し圧倒的に高いためである。なかでも、がんにおける死亡率の男女差は年々拡大しており、男性におけるがん死亡をいかにして減少させるかが緊急の課題である。
さて高齢者の生活の質(QOL)という点からみると、女性の方が多くの疾病を抱えている。自律神経失調症、骨粗鬆症、白内障、関節リウマチ、肩こり症など、直接には死に至らずともQOLを著しく低下させる疾病が圧倒的に女性に多い。これは閉経と共に女性ホルモンの急激な低下が背景にあり、一方、男性は男性ホルモンの低下が穏やかなため疾病は少ない。
これからは「性差医療」の研究がますます進んで行くものと思われる。