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越智クリニック
 
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2009/6/24

往診(その2)


私が定期往診をしているKさん(94才、女性)とは、もう20年の付き合いになる。この20年間に色々な病気をしたが、その都度、入院もしながら現在、元気で生活している。毎週、木よう日の午前、外来診療を中断してKさん宅に訪問する。このお宅は庭が広く、息子さんが高山植物をはじめ色々な樹木を植えていて楽しい。鳥のさえずりを聞きながらの診察は普段の喧噪を忘れてほっと一息つけるまたとない瞬間だ。今回も、庭の縁側に座ってもらって血圧を測る。夏は屋外、冬は室内だ。さて、いつも彼女が話すことは決まって「私はあと何才生きれるかなあ」。私はいつも「100才は楽に生きれるよ」。すると彼女は「そんなに生きよってどうするんよ。人の迷惑じゃ」と繰り返し答える。彼女は息子さん夫婦、訪問ヘルパーさん等色々の人に支えられ現在がある。何といっても2本足で歩ける長寿はすばらしいし、うらやましい。
はたして私が40年後にも彼女と同じように庭で散歩できるだろうか。いずれにしても彼女の百寿のお祝が出来ることを切に願っている。

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— posted by 越智邦明 at 02:02 pm  

2009/6/22


卵が牛乳と共に完全栄養食品といわれるのは、良質なタンパク質が豊富でミネラルやビタミン類を多く含み、人間のからだの必要な栄養素を多く含んでいるためです。必須アミノ酸も9種類をバランスよく含んでいます。
よく卵は毎日食べるとコレステロールが上がると敬遠されますが、卵の中にはコレステロールを下げるレシチンやビタミンB2が豊富に含まれるため毎日食べても問題ないと言われるようになりました。
唯一、こんな卵に不足しているのはビタミンCと食物繊維です。野菜も一緒に食べるのが肝心です。さて卵の殻を洗ってから保存する方がいますが卵の殻には無数の穴があって水といっしょに雑菌が入り込むことがあります。「賞味期限」は「生食できる期限」ですから、過ぎた場合はしっかり加熱して食べて下さい。
健康体であれば卵とコレステロールについて心配するよりも卵は毎日食べて欲しい食品です。

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— posted by 越智邦明 at 09:38 am  

2009/6/18

食道アカラシア


45才の男性。「ご飯の最中にゲップがよく出る」「胸のつかえや背中の痛みがある」「時々吐く」等の症状で来院。診断は食道アカラシア。
ふつう食べ物が入ると食物を食道から胃に移行させるため筋肉が収縮して移動させる蠕動運動が行われる。それがうまく行かなかったり、あるいは食道と胃をつなぐ下部食道括約筋がうまく弛緩しなかったりすると、食べ物の流れが悪くなり、食道下部に食べ物や飲み物がたまりやすくなるのが食道アカラシアです。悪化すると潰瘍や食道がんに結びつく危険性もあります。
原因は不明ですが、心身のストレスも関連があるようです。ストレスをためないで食事はゆっくり食べることをお勧めします。

— posted by 越智邦明 at 10:25 am  

2009/6/17

タマネギ


4~6月はタマネギの収穫期です。
タマネギは切った時に鼻がツーンとしてきます。これは栄養素の「硫化アリル」でコレステロール値を下げたり、血管内の血栓を溶かす効果があり、これによって血流と新陳代謝が促進され内臓脂肪の燃焼も促進されます。欠点として硫化アリルは熱に弱いため、加熱調理するより生食の方が効率よく摂取できます。だから新タマネギは生で食べるべきです。手早く切って酢やドレッシングで味付けしたサラダが最適です。どうしても生タマネギが苦手という人は、刻んだタマネギを1時間ほど放置してから炒め物などに使うと硫化アリルは酵素と反応して熱で分解されにくくなります。
さて硫化アリルはその他、胃液の分泌を促進し食欲増強や滋養強壮に役立つほか肉の臭み消しや殺菌能力もあるため口臭予防にもなります。
新タマネギで新陳代謝と血流を促して体温を上げれば免疫力アップにも役立ち、ひいては新型インフルエンザに備えることもできます。是非召し上がって下さい。

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— posted by 越智邦明 at 12:30 pm  

2009/6/15

虫歯


中高年の歯の病気は歯周病ばかり注目されるが、虫歯を忘れてはならない。
歯を1本失うごとに寿命が数年縮むと言われている。
私は歯科医ではないが、中年の方でこの間も48才の男の人が虫歯を放って置いたら突然、右の頬が腫れ上がって38度の熱が出たと来院。これは鼻の横奥にある上顎洞と呼ばれる骨の空洞に炎症が起きた上顎洞炎。蓄膿の一種で、歯科と当院の通院で10日間かかりました。
別の55才の男性は下顎右の親知らずの虫歯を長年放っておいたら、いきなり唇の周囲がまひして来院。口腔外科を紹介したら歯根膜炎から下歯槽神経まひを起こしたとの事。
年を取ると唾液が減り歯が磨耗しやすい。それでかみ合わせが悪くなって虫歯ができやすくなります。しかも歯肉もやせてきますので中高年の虫歯は歯の根本や治療した歯に再発することが多いのです。
40才過ぎたらフッ素入り歯磨きはもちろん、小さめの歯ブラシでしっかり磨きフロスや歯間ブラシも使ってこまめにケアーして下さい。歯は大事ですよ。

— posted by 越智邦明 at 04:38 pm  

2009/6/11

釣りバカ日誌


私の大好きな映画「釣りバカ」が12月末公開の20作品目で終了となる。一言で残念!浜ちゃんとスーさんのかけ合いにずっと引き込まれていた私は本当に寂しい。おそらく原因はスーさん、こと三國連太郎の年令だと思う。もう86才だ。仕方がない。三國はかつて役作りのために自分の前歯を抜き、演技に入れこむあまり共演の女優を殴って気絶させた武勇伝の持ち主。
演技にトコトンのめり込む役者バカである。
万年平社員“浜ちゃん”(西田敏行)と経営者“スーさん”が台本を超えたアドリブで火花を散らし、会社組織の滑稽さを絶妙な風刺劇に仕立てた釣りバカ日誌。20年を超えるロングランであったが最後は必ずやって来る。平成コメディー映画の最後を年末、皆さん見てやって下さい。

— posted by 越智邦明 at 04:17 pm  

2009/6/8

豆腐


昔、社会の授業で「畑の肉」と呼ばれるものは?との質問に「大豆」と答えて正解だった記憶があります。大豆はタンパク質が35%脂質20%糖分が25%含まれる素晴らしい栄養食です。
しかし欠点として消化吸収が悪いのです。これを良くするために考え出されたのが豆腐であり高野豆腐です。豆腐の発見は中国は唐の時代、日本に製法が伝わったのは鎌倉時代です。高野豆腐は室町時代に高野山の覚海上人が供物の豆腐が凍ったのを見て考えついた、と伝えられています。
豆腐は大豆を煮つぶして布でしぼった豆乳ににがりや硫酸カルシウムなどの凝固剤を加えて作ります。この豆腐を寒気にさらして凍らせ水分を8%まで冷凍乾燥させ除いたのが高野豆腐でタンパク質を牛肉の2倍以上の50%、脂質を33%も含む高栄食に変身です。
東洋医学では豆腐は気を穏やかにし胃腸の熱をとり、のどを潤し目の充血を治し酒毒を除く薬食とされます。また高野豆腐はリノール酸を豊富に含み動脈硬化の予防に役立ちます。
夏は豆腐を肴にビールがうまいです。

— posted by 越智邦明 at 05:50 pm  

2009/6/5

誕生日


本日は小生の56回目の誕生日。50回を過ぎてからが早かった。このままではあっという間に還暦を迎えるのだろうか?最近、還暦前後を「アラ還」と呼ぶようだ。「アラフォー」ならまだしも「アラ還」はどこか哀愁を帯びて悲しい。
高齢の特に80才を越えた患者さんからは「50台なんてまだまだ若い」「老けこむのは早い」などと激励(?)をいただくことが多くなった。でも孫でも出来て「じいちゃん」等と呼ばれようものなら、いくら気張ってももうアウトかも。せめて気持ちだけはと、若い従業員の会話について行くようにしています。若さを保つために趣味のゴルフもウォーキングも続けて行きたいと思っています。

— posted by 越智邦明 at 03:19 pm  

2009/6/4

似たものコトバ(その4)


ファスナーをよくチャックと言う人がいるがこの違いは?
ファスナーもチャックも同じものを指す言葉ですが、ファスナーは国際語。一方チャックは日本でしか通用しない。
ファスナーの語源は1891年にさかのぼる。ホイットコム・ジャドソンというアメリカ人が靴ヒモを結ぶのを不便に感じ、それを解消するために考案したことに始まる。ファスナーの語源は「FASTEN(締める)」で今は「スライドファスナー」で通用しています。
一方、チャックは1927年に広島県で発売された「チャック印」のトレードマークで売り出したファスナーに由来する。チャックは巾着(きんちゃく)袋の「ちゃく」をもじったとか。この「チャック印」が丈夫で人気が出てのちに一般名詞化されたのです。

— posted by 越智邦明 at 02:50 pm  

2009/6/2

往診


医療の一形態として「往診」がある。
これは勤務医にはない開業医の特異的な分野である。私は22年前に開業した時に義父がやっていた「往診」を引き継いだ。
当初とても不思議な感覚だった。聴診器1つで勝負するのである。高齢患者は色々な病気にかかる。肺炎、脳卒中、虚血性心疾患、褥創等々。
家人からの訴え一つで即座に判断を求められる。「昨日から何も食べないんです」「反応が悪いんです」「顔色が悪いんです」-これらの訴えは病院内で対応するなら即、CTだとか心電図だとか血液検査だとか手軽に出来る。しかし往診宅には自分1人しかいない。それこそ医師の全能力が瞬時に問われる。点滴で様子を見ていいのか、即、救急病院に送るべきか。
話変わって、先日、松山市内の医師が定期的に集まる勉強会に出た。最後の演題でM先生が「往診で印象に残った症例」と題して講演を行った。内容は80才の老人(男性)の家人から「夕食後、応答がなく眠りこけている」と往診依頼があった由。直ちにポータブル心電図を施行。その後、血圧、脈、聴診、四肢反射等調べたが全く異常がなかった。30分も経った頃、患者が大あくびをして目を覚ました。結局、診断名は「熟睡」であった。会場は爆笑であったが、Dr.はみんなこのように冷や汗をかきながら1人黙々と診療を行っているのです。明日はわが身。がんばらなくては・・・。

— posted by 越智邦明 at 06:17 pm  

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