当院の朝は早い。常連のMさん、Oさん、Nさん等、数名は朝7時に来院する。
そのため彼等のために受付の電気を付ける必要もあって私も7時には出勤している。
みんな長年の付き合いで色々な事が脳裏をよぎる。Mさんは2007年、C型肝炎を発症。1型、高ウイルス量で難治性であったがインターフェロン治療を続け、今はウイルスも陰性化して「完治」を達成した。検査でウイルスが消えた瞬間は私も患者と抱き合って喜ぶ。医者をやっていて良かったと思う瞬間だ。Mさんは大のジャイアンツファンで朝一番の診察では必ず前の日の試合の反省をする。あのときの小笠原のバッティングがどうだったとか、ゴンザレスの粘りはすごい、とか、診察時間よりも野球の話の方が長い。とに角、松山はGファンの数が多い。Oさんは腰椎すべり症で慢性腰痛の治療にやって来る。決って開口一番、天候の話をする。「こんないい日は先生、みんなでピクニックに行きませんか?」「大渇水から15年。松山市長は何をやっとるんぞ」とこんな具合。Nさんは肋骨骨折、腰椎圧迫骨折等の後遺症で苦しんでいる。でも笑顔がすばらしく良い。
みんなそれぞれの想いで来院する。誠心誠意、彼らの期待に応えねば、と今日も診察机に向かっています。