明治維新以来、日本は西洋化を目指してきました。子供に手っ取り早く西洋の文化に馴染ませる手段として西欧から讃美歌やドイツなどの古い童謡を輸入し、子供が歌いやすいように日本独特の歌詞をつけて小学唱歌にしたのです。大正7年に「赤い鳥」が創刊されて日本に初めて「童謡」という言葉が誕生しました。
しかし第2次世界大戦が始まると戦意高揚歌ばかりが歌われて童謡は影を潜めました。再び脚光を浴びたのは、GHQの文化的指導のもとで昭和24年にNHKラジオ「うたのおばさん」の放送が始まったときでした。レコード会社は童謡のレコードも量産しました。
しかしTVの登場で状況は一変。リズミカルで親しみやすいCMソングが流れるようになると子供はそちらばかり口ずさんでしまうようになりました。その背景には、教える若い先生たち自身が童謡を知らないのです。
日本の文化史的には童謡を作る時代は終わっていますが、せめて過去の童謡が完全に忘却されないように私も記録していきたいと思っています。
(追伸)
週末に北関東へ出張したら既に紅葉が始まっていました。
唱歌「もみじ」(高野、岡野コンビ)の「秋の夕日に 照る山紅葉(もみじ)・・・」を口ずさみました。
四国ももうすぐですね。