さて今回は「アルコール性心筋症」についてお話します。これはお酒が持つ毒性が、直接心筋に作用して起きる病気です。具体的には心筋細胞が繊維化するなどして、心臓の収縮力が低下するのが原因。夜間苦しくなる、息切れがする、むくむといった自覚症状が出る。これはお酒の種類や飲み方によって発症リスクに差はなく、飲む絶対量によると考えられています。日本酒なら、1日5合以上を週5回以上で10年間続けると発症リスクが高まると言われています。この病気の疑いがあり、心臓の収縮力が弱い人が気をつけなくてはいけないのは、高血圧の薬でβ遮断薬のように心臓の働きを落とすようなものは心不全につながる可能性があります。またインスリン感受性を高めることによって糖尿病を治療する薬は、体内の水分を増やし心臓に負担がかかり要注意です。
いずれにしても心臓が悪い人にとっては酒は毒となります。気になる人は控えた方がいいと思います。
(最後に)
今年のブログは、これで終わりとなります。1年間お付き合い、ありがとうございました。どうか良いお年をお迎え下さい。
来年度は1月4日からとなります。