うちのオンプ君(トイプードル)も冬になると服を着せられている。さて犬に服は必要なのか?
埼玉のノヤ動物病院院長の野矢雅彦氏の書物を読んでみた。
まず毛が短くその密度の少ない犬ほど暖かい国、毛が長く密度の高い犬ほど寒い国が原産国となっている。
犬の毛がどれだけ重要かということで、例の南極調査隊で使用された樺太犬の太郎と次郎の話を書いている。この2匹の犬が極寒の中で、しかもほとんど食事の取れない環境で生き延びることが出来たのは、脂肪の少なくなったやせた身体でも寒さをしのげる非常に密度の高い長い毛を持っていたからである。しかも大事なことは毛皮をまとっているのではなく、自分の身体の一部である「体毛」ということである。彼らは密度の高い長い毛を皮膚の中にある立毛筋を使って立てたり寝かしたりして、毛と毛の間に空気の層を厚く作ることによって保温効果を高めていたのである。このような寒さに強い犬種に対して、寒さが苦手な犬種もある。愛玩犬である小型犬種の多くがこれに当てはまる。ちなみにプードルも2次毛がなく換毛もしない犬種であるので、毛は長くても寒さに弱いとある。しかし健康で活発に動く犬でかつ外にいる犬であれば、関東以南では犬に服は必要ないそうです。問題なのは、人が自分たちの環境に合わせて夏は冷房、冬は暖房の中に生活させるため、四季に順応できなくなってきて換毛が順調に行われていないことです。まとめとして子犬には服は必要なし。生後4ヵ月~10才は、自身の体温調節機構を妨げるので必要ないが、ファッションとしてというのであれば薄手のゆったりとした服にすること。もちろん病気の犬にはフリースなどの暖かい服を着せ屋内を暖房としてやる。
最後に、夏に丸刈り(サマーカット)してよいのは、散歩に行かない屋内犬だけです。これは犬の体温調節機構を人がわざわざ壊している行為なので、散歩に行くとすぐに熱中症に陥ってしまう。「犬の毛は寒さからも暑さからも身体を守っている大切なものである」と結んでいました。
みなさん、よく考えて服を着せてやって下さい。
(追伸)
今回の東北関東大震災に際し、被害に遭われた方々には心からお悔やみ申し上げます。原発問題を含めさまざまな問題が提起されているが、まずは人命救助が第1。週末は宮城保険医協会も連絡がつかなかったですが、保団連も出来ることからやっていくと声明を出しています。薬の切れた人への配慮など、やることはたくさんあります。被災地で医院がどうだったか等を含め、今後ブログで報告していきます。